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貯金をすべき人とそうでない人

2週間前のメールで、昨年は過去最高に大富豪を生み出した年だったとお伝えしました。

株式や債券の価値が上昇し、その後反転したおかげで、100万ドル以上の投資可能な資産を持つ米国人の数は、その前の年より10%増えて1,460万人となったのです。これは過去最高の記録でした。

そして、彼らの多くは「一生懸命働く」→「節約をして身の丈にあった生活をする」→「賢く投資する」という生活をして、その資産レベルにまで到達していたのです。

研究者のトーマス・スタンレー博士によると、1,000万ドル以上の純資産を持つ超大富豪は別として、ほとんどの大富豪は派手な消費と軽薄な支出を避けているそうです。

 

しかしごく一部の人々はこの考えが行き過ぎてしまう場合があります。

心理学者はこれを「遠視眼的(hyperopia)」と呼んでいます。

これは将来のことを考えすぎて、今の生活を楽しめていない人のことをうまく表現したものです。彼らは将来のことを見越して貯蓄することは得意なのですが、稼いだお金を使って「今」を楽しむことができていないのです。

昔、兄がフロリダ州のミニツアーでプレーしていたとき、バージニア州にスポンサーがいました。そのスポンサーはリタイアしたビジネスマンで、兄がトーナメントでプレーするのを見に来る予定でした。

兄は「近くのヒルトンに部屋をとりましょう」と言いました。

すると彼は、「ヒルトン?モーテルを予約しておくよ」と言いました。

もちろんモーテルに泊まるのは悪いことではありません。それが唯一の選択肢である場合はなおさらです(幼い頃、私はモーテルよりも格の高い宿泊施設に泊まったことがありません)。

しかし、彼はマクドナルドのレストランを次々と成功させた資産家でした。

では、なぜモーテルという選択をしたのでしょうか?

それは、彼が大恐慌という、現代の私たちには理解できないような「貧しい」時代に育ったからです。多くのビジネスマンがそうであるように、彼の成功は「コスト」に厳しい目を光らせていたおかげでもありました。

結局、高齢だった彼はその後3年足らずで亡くなっていますが、残念なことに自分が稼いだ財産をあまり使うことはありませんでした。相続した人に浪費させることはできても、自分で使う気にはなれなかったのです。

(ウォール街には、「人生で最も難しいことは、若い時に貯金することと、年をとってから使うことだ」という格言があります。)

 

作家のマシュー・ケリー氏は「自分も貧しい境遇に生まれ、ベストセラー作家や人気講師になった後も稼ぎの多くを使うことができなかった」と書いています。

もし、あなたの知り合いに遠視眼的な人がいたら、マシュー・ケリー氏と同じことをするように勧めてみてはいかがでしょうか?

多くの人は計画的に貯蓄をする必要があるように、計画的に支出する必要がある人もいます。ケリー氏は収入のうち、どれだけの支出であれば思うままに使うことができるかを考え、実際にそれを実行するための目標を立てました。

たしかにこのようなことをするのは少数派ですが、一生懸命働いて貯蓄や投資をしているような堅実な人たちは、支出をあらかじめ決めておく必要があるのかもしれません。

私の経験では、ほとんどの労働者は2つのカテゴリに大別されます。それは、もっと仕事をするように煽る必要がある人と、辞めるように促す必要がある人です。

貯蓄をする人も同様です。大半の人は老後のために十分な貯蓄をしていません。しかし一方で、十分すぎるほど貯蓄しているにもかかわらず、それを使って「今」を楽しむことができていない人もいます。

どれだけ節約し、どれだけ消費し、どれだけ他人に譲るかということを決めるのは、人生において重要なことです。お金や物をあの世まで持っていくことはできません。

稼いで、貯めて、投資して、複利運用で資産を育てましょう。

そして必ず「今」を楽しんでください。

人生は短いのですから。

良い投資を。

アレックス

 

P.S.
もしあなたが節約して貯蓄もできているような堅実な方であれば、このニュースレターはきっと気に入っていただけると思います。

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Alexander Green(アレクサンダー・グリーン)

Oxford Club チーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融・投資関係の4冊のベストセラーの著者で、40年のキャリアがある。米国で金融・投資のニュースレターであるOxfordキャピタル・レターを20年以上執筆しており、ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト社はこのニュースレターをここ10年以上もの間、最もパフォーマンスの高い投資ニュースレター・ベストテンに選出している。 アレックスの記事一覧 ≫

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