
1970年代のヒット曲「コパカバーナ」で、バリー・マニロウは「コパで恋に落ちた」と歌いました。
そして今、配当を重視する投資家たちは、配当利回りが約6%もあるコパ・ホールディングス (NYSE: CPA) に恋をしているようです。
その恋は、果たして幸せな結末を迎えるのでしょうか?それとも、失恋に終わるのでしょうか?
魅力的な配当とは?
コパ・ホールディングスは、パナマとコロンビアを拠点とする2つの航空会社を運営しており、その歴史は1947年まで遡ります。現在、同社は1株当たり四半期ごとに1.61ドルの配当を支払っており、年間利回りにすると約5.9%という高配当水準を誇ります。
しかし、投資判断においてはキャッシュフローの安定性と配当の持続可能性を見極めることが不可欠です。
同社のフリーキャッシュフローは近年、不安定な動きを見せており、今年はパンデミックの影響を受けた2021年よりも低下すると予想されています。
過去の傾向を見極める

コパ株投資における懸念ポイント:
- 配当性向が大幅に悪化
2023年の配当性向は、フリー・キャッシュフロー3億7,100万のうち、2億6, 900万ドル。つまり約73%と許容範囲内でした。ところが2024年は、キャッシュフローが1億1, 400万ドルまで落ち込む見通しにも関わらず、配当が2億9, 500万ドルと計画されています。配当性向が259%に急上昇するのです。 - 過去に3度の減配歴あり
2016年にいは四半期配当を0.84ドルから0.51ドルに、2019年は0.87ドルから0.65ドルに減配。さらに2020年は3四半期連続で配当を完全に停止しました。
要するに、業績悪化時にはすぐに配当をカットする傾向があると言えます。 - 現金保有額は豊富でも油断禁物
現在13億ドルの現金を持っていますが、過去の判断から見ても
「配当維持」が最優先されるとは限りません。
このような背景から、同社の高配当は一見魅力的であるものの、持続性には十分な注意が必要です。
【まとめ】「配当の現実」を知り失恋に注意
コパ・ホールディングスの配当利回りは確かに高く、インカム投資家にとっては魅力的に映るかもしれません。
しかし、近い将来の減配リスクは極めて高いと考えられます。
「高利回り=安全」とは限らないことをお分かりいただけたでしょうか。
短期的な高利回りに恋をする前に、その企業の財務体質をしっかり見極めましょう。
恋に盲目になると、思わぬ「失恋」を経験するかもしれません。
P.S.
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