
配当を軽視するべからず
配当を軽視する投資家の間では、次のような主張がよく聞かれます。
「企業は配当よりも、現金をビジネスの成長に使うべきだ」
例えば、設備投資や買収といった成長戦略に資金を回すべきだという意見です。しかし、米国の元大統領ジョー・バイデン氏が良く口にしていたように、それは「ナンセンス」です。
もちろん、
それが長期的に利益やキャッシュフローの増加につながるなら賛成
ただ、現実には「お金が余っているから」といって、
私の著書「年100回配当」投資術で、コミュニティ・バンク・システム (NYSE: CBU) の当時の最高財務責任者(CFO)、スコット・
同氏は、
「私たちは“資本効率”を非常に重視しています。
つまり、配当を支払って会社のお金が減ると、本当に必要な買収をする際により慎重な判断をすることができるのです。
失敗した買収の事例
実際にあった「ひどい」買収例を振り返ってみましょう。
代表的な買収失敗例:
- クエーカーオーツ(現ペプシ傘下)
1994年にスナップルを17億ドルで買収 → 3年後に3億ドルで売却(82%の損失)
株主1人あたり約25ドルの価値が消失 - クロロックス(NYSE: CLX)
2007年に自然派化粧品ブランド「バーツビーズ」を9億2500万ドルで買収
4年後、2億5000万ドルの減損処理
1株あたり2ドルの損失計上
- これらの失敗は、余剰資金があるがゆえに経営陣が過剰投資に走ってしまうリスクを示しています。
- 配当を出す企業は業績・株価ともに安定している
- 余剰資金による無駄な買収リスクを減らせる
- 配当があると長期保有しやすい心理的安定が得られる
もし配当として株主に還元していれば、現金という確実な利益を得ることができたはずです。
【まとめ】配当企業の方が安定している
シカゴ大学とハーバード大学の教授であるスキナー氏とソルテス氏の研究では、
「配当を出す企業は、利益が安定しており、損失も出しにくい。損失が出ても、
つまり、配当を出している企業の方が業績が安定していて、
実際、過去45年の実績データでは、
「配当を増やした/新たに配当を始めた企業」は、配当を出していない企業よりも170%以上高いパフォーマンスを記録しています。
つまり、配当株はキャピタルゲインもインカムゲインも狙える“攻守に優れた資産”なのです。
次に誰かが、企業の資金の使い道を巡って「配当より成長投資が優先だろう。」と言ったら、あなたは静かに微笑んで「そうだね。」と言っておきましょう。
数年後にランチをおごる余裕があるのはきっと、その人ではなくあなたです。
なぜなら、配当収入で懐も心も豊かになっているから。
P.S.
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