【テックではない】 2025年に注目されるセクターとは？

今年も残りわずか。

2024年の市場はエヌビディアのような大手テック企業が牽引する形となりました。

では来年もテック企業が注目を集める続けるのでしょうか？

もちろんテックが注目されるのは間違いないはずですが、最も注目されるとは限りません。

私が考える2025年に最も注目されるセクター…

それは「エネルギー」です。

エネルギーは私たちの日常生活に欠かせません。

停電や災害の後のように、短期間でもエネルギーが使えなくなると、

私たちはすぐに不安や焦り、怒りを感じてしまうでしょう。

そして、エネルギー需要は現在、大幅に増加しています。

その理由の一つは、世界経済の成長。

中流階級が増加するとともに、車やさまざまな消費財の購入も増加しています。

さらに重要なのは、暗号資産や人工知能（AI）の急速な普及が、膨大なエネルギーを必要としていることです。

特に印象的だった統計をご紹介しましょう。

それは、ChatGPTによる1回の検索が、Google検索の10倍から25倍のエネルギーを消費するといううもの。

これだけでも、AIがどれほどのエネルギーを消費するかがわかるでしょう。

さらに、次期大統領に選ばれたドナルド・トランプ氏は「エネルギー支配」を目指す計画を発表しました。

それは、選挙戦で掲げた「掘れ、掘れ、掘れ（Drill, baby, drill）」というスローガンを実現するため、「国家エネルギー会議」を新設するという計画です。
 

この動きは、すでに記録を更新しているアメリカの石油生産をさらに加速させる可能性があります。

既に2023年、米国は6年連続で史上最多の石油生産量を記録しました。
それも環境問題に関連した規制がある中でのことです。

トランプ氏がこれらの規制を撤廃すれば、生産量はさらに加速するでしょう。

また、2025年の世界のGDP成長率は約2.7％と予測されており、これは2023年の成長率とほぼ同じ水準です。

暗号通貨を支持する大統領が就任し、AIが日常生活でさらに普及する中、エネルギー需要は急増すると考えられます。

ではその需要に、エネルギー業界はどのように応えていくのでしょうか？

例えば、米国を含む世界各国で、安価かつCO2を排出しない「原子力エネルギー」の開発を強く推進する動きがあります。

これは、上下両院の共和党と民主党が一致して支持している数少ない政策の一つです。

米国やイギリス、韓国、アラブ首長国連邦（UAE）を含む25か国が、今後25年で世界の原子力エネルギーの生産能力を3倍に増やすことを目指しているのです。

トランプ氏は第1期目の政権で原子力エネルギーを支持しており、「原子力エネルギー革新・近代化法(NEIMA)」に署名し、この産業に数十億ドルの融資保証を提供しました。

今回の選挙戦や選挙後には原子力エネルギーについての発言は多くありませんでした。
 

しかし、もしトランプ氏が目指す「米国のエネルギー支配」を実現するなら、原子力エネルギーは重要な役割を果たすことになるでしょう。

もう一つ注目すべきは、「天然ガス」という豊富で安価なエネルギー源です。

私は特にパイプライン関連の企業に大きな期待を寄せています。

このように、エネルギー分野への注目が高まる中で、テック分野もエネルギー企業向けの製品やサービスをさらに提供していくでしょう。

そのため、テック企業が注目され続けながら、エネルギー企業も同様に成長することが予測されます。

2025年が米国にとって「エネルギーの年」となる可能性は非常に高いでしょう。

新しい投資チャンスが訪れることを楽しみにしています。