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トランプ2.0に向けたフェーズ2入り

大統領選はあらかた結果が確定。共和党が上院・下院ともにおさえる、いわゆるトリプルレッドとなるということで、株式市場は次の材料を織り込みに行く状況下にあります。

現在の選挙結果確定を受けた上昇局面がフェーズ1、短期的な上昇が一服し来年1月の就任までの局面をフェーズ2、就任後をフェーズ3として、それぞれ重めに持つ業種・銘柄を変えながら、期待リターンとリスクを踏まえて、分散投資していくことが良いと、先週のメルマガでも書きました。

14日の米国市場はまさに、期待や思惑で株価が上下するフェーズ2を体現する展開となっています。

例えば、バイデン政権下での看板政策の一つであった電気自動車(EV)税控除について、トランプ次期大統領は、EV購入に対する7,500ドル相当の税額控除を廃止する計画だと報じられています。

これを受け、14日の株式市場において、テスラ (Nasdaq: TSLA) は前日比で5.8%の下落。

また、世界の医薬品の治験のスタンダードとみなされている米食品医薬品局(FDA)を統括する組織にあたる保健福祉省(HHS)の長官に、ロバート・ケネディ・ジュニア氏が指名される見通しであると報じられたことから、

バイデン政権下で株価上昇したワクチン関連銘柄が軒並み下落しています。14日の株式市場では、例えば、モデルナ (Nasdaq: MRNA) が5.6%の下落、ノババックス (Nasdaq: NVAX) が7.0%の下落、ビオンテック (ADR: BNTX) がADR市場で7.1%の下落など。

(ロバート・ケネディ・ジュニア氏は過去に、新型コロナのワクチンに反対する立場を示していました)

 

また、マクロ経済の視点では、生産者物価指数(PPI)の上昇ペースが市場予想を上回っていることや、

連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が、講演で『利下げを急がない』姿勢を示したこと等を背景に、来年にかけて市場が織り込む利下げ回数が低下する傾向にあります。

以下は、市場参加者が利下げ確率について定点観測するCMEのフェドウォッチですが、半月前と比べて、市場が想定する利下げ回数が減少しています。

graf

かろうじて、2年国債金利よりも10年国債金利が高い、順イールドの状況は保たれていますが、仮に悪いインフレ(景気が成長鈍化するなかでの金利上昇)となるようであれば、注意が必要となります。

 

ということで、トランプ次期大統領が就任するまでの間は、組閣に関する進捗や期待・憶測で株価がふわふわしやすいです。

加えて、今年末に向けて、顧客のヘッジファンドの解約に伴う売りも、出やすくなる季節性があります。

ヘッジファンドの解約には45日前に通知するルールが適用されることが一般的で、今後は年末の解約に伴うポジション解消の売買も目につくでしょう。

では、そういった環境下で、トランプ2.0のフェーズ2をどのように乗り切るかですが、具体的には分散投資が必須と考えます。

分散する対象は、銘柄や業種・特性となりますが、最近では、マグニフィセント7の一部の銘柄について、2倍ショートのETFも普通に取引可能な状況にあるので、組み合わせながら、狙ったリスクを取ることが可能です。

例えば、14日の株式市場でテスラ (Nasdaq: TSLA) は5.8 %下落しましたが、

一方で、テスラの2倍ショートのETFである、The GraniteShares 2x Short TSLA Daily ETF  (TSDD) は、12.2%上昇しています。

ETFは、信用取引でも空売りでもなく、普通の株式と同じように取引できますし、また上記ETFの1単位あたりの価格は現物株と比べて圧倒的に小さいので、リスク回避のためにも使用しやすい設計になっています。

テスラ以外には、エヌビディアの2倍ショートの The GraniteShares 2x Short NVDA Daily ETF   (NDA) などもあります。エヌビディアは11月20日の引け後頃に四半期決算を発表する予定です。

なお、先週のメルマガでも少し触れました、12月11日(水)19時開始予定の私のウェビナーでは、同ETFの活用も踏まえつつ、低リスクで中程度のリターンを狙うターゲット・バイイングやカバード・コールの手法も交えてお話する予定です。

トランプ2.0の波に乗るには、市場全体(インデックス)を買うか、売るかといった単純な取引では無く、銘柄や業種、取引手法の分散がオススメです。

いずれも、不要なリスクを排除したり、市場の下落に伴う予期しない損失を避けるためにも有効となる特徴がありますので、インデックスのみに投資されているという方は、一歩進める観点でご検討下さいませ。

志村暢彦

 

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志村 暢彦

Oxford Club Japan チーフ・ストラテジスト 助言統括者。金融業界歴24年。業界経験としてはファンドマネージャーとしての期間が最も長い。2019年Oxford Clubチーフ・ストラテジストに就任。日ごろより、金融力は国力そのものであると考えおり、金融業界の心臓部や裏側で働き、政官財を含め、日本の金融の実態を見てきた経験をもとに、日本の金融リテラシー向上と、個人の理想的な資産形成の実現について、情報の収集と発信をしている。 著者の記事一覧 ≫

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