米国配当株投資

明日の大統領選挙は 市場に何をもたらすのか?

米国時間5日は大統領選挙です。

これは米国最大の政治イベントと言えるでしょう。

昔から政治には対立がつきものです。

例えば、1840年。

選挙キャンペーンソング「Tippecanoe and Tyler Too(ティピカヌーとタイラーも)」の中で、当選したウィリアム・ヘンリー・ハリソンを称賛し、現職のマーティン・ヴァン・ビューレン大統領を「使い古された男」「ちっぽけなヴァン」と呼びました。

ハリソンは選挙から30年近く前の1811年、米国軍を率いて先住民連合と「ティピカヌーの戦い」と呼ばれる衝突に勝利。

「ティップ」という呼び名と共に賞賛され、それは選挙活動にも利用されていました。

そんな「ティップ」にヴァン・ビューレン陣営も応戦します。

次のような歌を発表したのです。

眠りから覚めたら
ティップは偽物だとわかるだろう。
戦場や太鼓の音からは遠く離れ、
小屋で粗悪なラム酒を飲んでいるのさ。

ハリソンを酔っぱらいと見なすだけでなく、粗悪な酒を飲んでいるとまで言っています。

 

このように、200年以上も前から政治家たちはお互いに批判し合ってきました

残念ながら、21世紀になってからの激しさは他の時代に引けを取らないでしょう。

共和党のジョージ・W・ブッシュ氏やドナルド・トランプ氏の選挙戦や政権時代には、民主党から批判が相次ぎました。

民主党のバラク・オバマ氏やジョー・バイデン氏が大統領になると、逆に彼らが厳しい意見に晒されました。

つまり、四半世紀にわたり、米国のリーダーは批判され続けてきたということです。

そんな批判されるようなリーダーの元では当然米国市場も暴落し続ける…

いいえ、そうでもありません。

確かに、ブッシュ政権下では市場は37%の損失を記録しました。

しかし、他の大統領の在任中でも、状況に応じて市場は変動しています。

ブッシュ政権下での大不況も、どちらかと言えばタイミングの問題です。

彼は市場がピークを迎えた約1年後に就任したため、ドットコムバブルも引き継ぎ、暴落に直面しました。

そして2002年に株価が底を打った後、リーマンショックという名で知られる金融危機まで強気市場が続きました。

危機に至るまでの市場は、当時の経済状況を反映していたと言えます。
 

ブッシュ氏が市場崩壊と共に大統領に就任したのに対し、
オバマ氏は2009年に市場が底を打つわずか2か月前に就任する幸運に恵まれました。

ただし、不況が終わったわけではありません。

オバマ政権は経済が崖から転落しないよう、あらゆる手を尽くす必要がありました。

しかし、市場はその後の回復を見込み、オバマ氏の8年間の任期で181%も上昇しました。

その後、2017年からのトランプ氏の在任期間では、市場は67%上昇しました。

パンデミックの初期に劇的な下落と反発があったにも関わらずです

その後のジョー・バイデン氏の政権下では、市場は過去最高を記録し、現在は51%上昇しています。

より時代を遡るのであれば、1977年〜1981年に大統領を務めたジミー・カーター氏の在任中も市場は31%上昇しました。

彼は当時、経済政策やイランにおける米国大使館人質事件での失態などから厳しい評価を受けていたのです。

このような歴史が示すように、誰が大統領であるかは
市場の長期的な成長にあまり影響してきませんでした。

また、政治的対立の中で飛び交う意見を鵜呑みにしない方が良いことも教えてくれます。

 

つまり、大統領選挙の結果によらず、投資は続けるのが良いでしょう。

次期大統領の任期中にした投資が、意外なほど良い結果をもたらすかもしれません。

大統領が誰であろうとも。

 

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Marc Lichtenfeld(マーク・リクテンフェルド)

Oxford Club チーフ・インカム・ストラテジスト。ウォール・ストリートを含め25年の経験のある配当投資の専門家。「Get Rich with Dividends(邦題:日本人の知らない秘密の収入源 年100回配当投資術)」著者。2013年に配当投資の専門誌Oxfordインカム・レターを創刊し、世界中に読者を持ち有料購読者は8万人を超える。FOX、CNBC、Forbesなどの有名メディアはもちろん、BloombergやBarrons、The Wall Street Journalといった権威ある金融専門メディアにも多数出演。 マークの記事一覧 ≫

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