投資情報

お金と幸せを犠牲にする思想

前回のメルマガでは
一部の学者やジャーナリストが、
米国は「致命的な欠陥のある国」だとして
全世界の人々に信じ込ませている
ということをお伝えしました。

この「WOKE思想*」は、
米国にかなりの悪影響をもたらすといっても
過言ではありません。

*社会正義に目覚めた状態を指す。
従来は人種や格差などの問題に注意を払う意味合いだったが、
近年は「急進的な価値観の押しつけ」といった否定的な文脈で使われることが多い。

3月に行われたキニピアック大学の調査では、
米国本土が外国から攻撃された場合、
共和党支持者の4人に1人、
民主党支持者の過半数が、
戦うということをせず、
見捨てて逃げると考えていることが
分かりました。

つまり彼らにとって自国は、
守るに値しないということです。

今やこの「ガン」のような思想は
企業にも広がり、
「WOKE・キャピタリズム*」
と呼ばれるものを作り出しています。

*経営者が政治的な発言をしたり、
社会問題の解決に乗り出したりする風潮。

WOKE・キャピタリズムとは、
株主価値を最大化するものではなく、
顧客を熱狂的なファンにすることでもありません。

これは進歩的な社会的課題のために
行動をすることです。

一見良いように聞こえるかもしれませんが、
すべての人がその課題に共感しているわけではありませんし、
そこから利益を得ているわけでもありません。
そこに最初の問題があるのです。

WOKE思想は団結力を高めるどころか、
不満や怒りを生み出します。

それはチームの結束を
高めるものではありません。

企業は政治に関わるビジネスを
するべきではありません。

 

4月に行われたピューリサーチセンターの
全国世論調査では、
ヒスパニック系(68%)、アジア系(63%)、
黒人(59%)、共和党支持者(87%)、
民主党支持者(62%)を含む74%の米国人が、
大学入試に人種が関係することに
反対していることが分かりました。

職場においても、
完全な平等はまだ達成されていません。

たしかにこの数十年で進歩はしましたが、
まだ改善の余地は残されています。

ですが、今ほど状況が好転したこともなく、
米国の人種差別や性差別、
同性愛嫌悪がかつてないほど減少したにも関わらず、
この思想では「最悪な事態」であるかのように
紹介されることが多いのです。

米国では1963年以来、
賃金格差があることは違法とされていますが、
世論調査では10人中6人が、
同じ仕事をしているのに
女性の賃金が男性より低いと考えています。

しかし今日の収入における格差は、
学歴、職歴、職業選択、
労働時間の違いによるところが大きいです。

また、ゲイ男性やレズビアン女性は、
異性愛者よりも平均的に収入が多い
という研究結果もあります。

つまり、それによって不公平が生じている
というわけではないのです。

また、すべての不平等が
明示的であれ暗黙的であれ、
偏見によるものでもありません。

WOKE思想は
事実に反していることが多くあるのです。

我々の目標は自分が本来持っている力を
発揮することです。

それはつまり、
個人の責任により意思決定をする
ということを意味します。

最も重要な経済的目標を達成するためには、
まず自分の選択と行動に責任を持つことが必要です。

WOKE思想は
それを守るためのものではなく、
「私は被害者だ…」という意識を
助長するものになり得ます。

「女性…同性愛者…有色人種…
という理由が不利に働くので成功できませんよ」
と言われたら、
どうしようもなくなってしまいますよね。

誰の人生も良くなりません。

人々を苦しめてしまうだけです。

(活動家を生み出し、政治献金を集め、
有権者を投票に向かわせようとする人々にとっては、
プラスに働きますが。)

 

これについての解決策は、
自分を歴史的に疎外された
集団の一員として見るのではなく、
ユニークな個人として見ることです。

そうすることで、
自分自身の人生に
決定権を持つことができます。

そして自分自身に責任を持つことで、
すべてが変わるのです。

残念ですが、
多くの人はそうしたくありません。

自分の状況を、
両親や配偶者、別れた相手、
子供、上司、同僚、
隣人、社会、さらには国のせいにしたがります。

しかし現実では、
自分の選択と行動は
自分でコントロールすべきです。

他の誰もあなたの人生を
コントロールすることはできません。

失業、浪費、貯蓄不足、
投資判断の誤りなど…
どんな問題であれ
「自分の責任だ」と言った瞬間に
解決に近づくのです。

自分で責任を取るという行動は、
ネガティブな感情を打ち消し
希望を与えてくれます。

今、企業や組織が求めているのは、
自ら考え、自己管理ができる人。

そして文句を言わず、
誰かが動いてくれるのを待つのではなく、
主体的に問題に対処できる人物です。

数年前にニューヨークで行われた調査によると、
あらゆる分野で上位3%にランクされる人々は、
その業界の平均的なパフォーマーとは異なる
特別な姿勢を持っていることがわかりました。

彼らは、誰が給料を払っても、
キャリアを通じて自分自身が経営者であると
考えることを選びます。

そのため、彼らは自ら目標を設定し、
計画を立て、結果を出すことができたのです。

ちなみに、
「責任を負うこと=重荷になる」
わけではありません。

自分の行動に決定権を持つことは、
名誉なことです。

それは自由とコントロールを生み出します。

そして人生に意味を与えます。

それは個人の力の大きな源です。

我々は自分自身を創造し、
アイデンティティを形成し、
何に責任を持つかによって、
人生の進むべき方向を決定することができます。

成功する人は、
自分が何かの犠牲になった人間だと見ることを
決してしません。

私はあなたが自らの行動に責任を持ち、
経済的な目標を達成することを願っています。

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Alexander Green(アレクサンダー・グリーン)

Oxford Club チーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融・投資関係の4冊のベストセラーの著者で、40年のキャリアがある。米国で金融・投資のニュースレターであるOxfordキャピタル・レターを20年以上執筆しており、ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト社はこのニュースレターをここ10年以上もの間、最もパフォーマンスの高い投資ニュースレター・ベストテンに選出している。 アレックスの記事一覧 ≫

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