【3つのコツ】 トレーダーに学ぶ銘柄選び
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長期投資家とトレーダー。
この2つは一見、関係がないように思われるかもしれません。
しかし、あなたが長期投資家であっても、短期で取引を行うトレーダーから学べることはあります。
その1つが銘柄選びです。
トレーダーは近い将来のカタリスト(株価上昇の材料)が見込める銘柄を探す傾向にあります。というのも、株価上昇が期待できたとしても、それが数年後、数十年後では無意味だからです。
彼らは特に決算報告の内容をカタリストとして重視しています。事実、四半期決算の発表後に株価が急騰したり急落したりするという傾向はよく見られます。
たとえば、アクソン・エンタープライズ(Nasdaq: AXON)は、予想を大幅に上回る好決算の発表翌日、
アクソン・エンタープライズ(Nasdaq: AXON)の株価推移
(出所)StockChartsのデータを元にOxfordクラブ加工
また、ブラジル石油公社(NYSE: PBR) は、原油価格が3%以上跳ね上がると、株価が1日で9%上昇しました。
ブラジル石油公社 (NYSE: PBR)の株価推移
(出所)StockChartsのデータを元にOxfordクラブ加工
そして、ネブサン・リソーシズ(NYSE:NSU)は買収提案を受けた翌日、株価が16%急騰しました。
ネブサン・リソーシズ (NYSE:NSU)の株価推移
(出所)StockChartsのデータを元にOxfordクラブ加工
このように、彼らは近い将来に“株価上昇のカタリスト”がある銘柄を探し出しリターンを狙っています。
逆に、近い将来、株価の上昇が期待できる理由がなければ、投資をしても死に金になってしまう可能性があります。投資した資金は増えることも減ることもなく、何も変化が起こらないかもしれないのです。
あなたが長期投資家の場合、「いつまでに株価上昇が期待できるか?」の期限はトレーダーのように数日後、数週間後、数ヶ月後といった短期である必要はありません。しかしながら、“株価上昇のカタリスト”を持つ銘柄に投資すべきだということは共通しています。
そこで今日は、株価上昇のカタリストを3つご紹介します。
①決算発表
最初にお伝えした3つ銘柄の例のように決算発表のタイミングは大きな株価上昇の契機となり得ます。
ほとんどの企業は、決算発表を行う数週間前にプレスリリースで日程を告知します。決算発表は概ね3ヶ月毎に行われるため、興味のある企業がまだ日程を公開していない場合、前四半期の報告日に3ヶ月を足せば、おおよその決算発表日が予測できるでしょう。
アナリストが新たに「買い」または「売り」推奨を出した銘柄の株価も、大きく動く可能性があります。
特に、ほとんどのアナリストが「据置」または「売り」としている銘柄の評価を格上げした時、その銘柄は理想的な値動きをする可能性があります。
ですから既存の「買い」推奨があまりない銘柄を探されると良いでしょう。
ある銘柄が大きく空売りされている場合(トレーダーはその銘柄の下落を予想して先に売り、後で買い戻します)、株価が少し上がるだけでも、空売り筋は大きな痛みを伴います。
やがて損失が大きくなりすぎると、空売筋は株を買ってポジションを終了するのです。
すると、より多くの需要が生まれ、株価がさらに上昇。さらに多くの空売りによって株が買われ、大きな値動きが起こるでしょう。ですから浮動株(取引可能な株式数)の10%以上が空売りされている銘柄に注目すると良いでしょう。
通常、株価は理由もなく大きく動くことはありません。株価を押し上げるようなカタリストが必要なのです。
もし、カタリストが見つからない場合、別の銘柄への投資を検討された方が良いかもしれません。
良い投資を。
マーク
P.S.
あなたが長期投資家であったとしても、カタリストを持つ銘柄に投資をすることは欠かせないでしょう。しかしながら、株価の上昇だけを期待していると、万が一カタリストが作用しなかった場合、リターンはゼロになってしまうかもしれません。
株価上昇が期待できるのはもちろん、保有している間にも株価の変動とはほぼ関係なく配当を受け取ることが期待できる、これらの配当株への投資もご検討ください。