配当利回り8%銘柄「プリファード・アパートメント・コミュニティーズ」が減配へ

所要時間: 5分
この記事のポイント
- プリファード・アパートメント・コミュニティーズ(NYSE:APTS)は、第1四半期配当を1株当たり0.2625ドルから0.175ドルに減額
2011年に配当金の支払いを開始して以来、初めての減配
- FFO(不動産投資信託の収益力)の低下が見込まれており、配当金を引き下げる対応
- 配当金の安全性評価:C
動画で記事を読む
私が減配した直後に株を見直すことはそうそうありません。しかし、本件についてはいくつも依頼があり、興味深い状況になっています。
プリファード・アパートメント・コミュニティーズ(NYSE:APTS)は、15州で123の多世帯住宅、学生住宅、オフィス、小売スペースを所有しています。
保有物件には下記のようなものが含まれます。
- フロリダ州・タンパにある全180戸のアパートメント・コミュニティ、「ザ・オーバールック・アット・クロスタウン・ウォーク 」
- テキサス州・ダラスにある140,000平方フィートの小売プラザ、「インデペンデンス・スクエア」
- ジョージア州・ケネソーにある792床の学生住宅アパート、「スタジアム・ビレッジ」
そして、第1四半期の決算発表で、同社は、四半期配当を1株当たり0.2625ドルから0.175ドルに減額すると発表しました。
同社が配当金を減額するのは、2011年に配当金の支払いを開始して以来、初めてのことです。同社は、2011年から毎年増配しており、年に複数回増配を行うこともありました。
しかし、昨今の新型コロナウイルスの最中においては、賃料支払いが滞りつつあります。
幸いなことに、同社の一部の物件に入居している食料品店のテナントは、同社が決算を発表した5月11日時点で4月分の家賃を満額支払っていました。
しかし、他の小売店を見ると、4月に家賃を支払ったテナントは66.7%に過ぎず、3月の96%、1月と2月の99%から減少しています。(先週、アナリストのジョディが、パンデミック後の小売店の先行きについて説明してくれています。彼の分析をご覧になる場合は、こちらをクリックして下さい。)
他のすべてのテナントカテゴリーで、家賃の支払い率は90%を超えています。
現在の経済危機や健康危機の影響で、プリファード・アパートメント・コミュニティズのような不動産投資信託が用いるキャッシュフローの指標であるFFO(FUNDS FROM OPERATION:不動産投資信託の収益力)が低下する可能性が高まっています。
同社のFFOは順調に上昇していましたが、2020年には22%低下すると予測されています。

昨年、同社のFFOは6,180万ドル、配当金は4,540万ドルで、配当性向は74%でした。
しかし、今年のFFOは4,850万ドルに低下すると予想されています。同社が昨年と同額の配当金を支払ったとすると、配当性向は94%に跳ね上がります。
これでは、FFOが予想よりも低くなった場合には、余裕があまりありません。
そのため、同社は配当金を引き下げるという難しくも賢明な決断を下したのです。そして現在は、株主に対して3,750万ドルの支払いが予想されており、これはFFOの77%に相当します。
配当金を引き下げたことで同社の配当は持続可能と思われます。問題となるのは、FFOが予想通りの動きをするかという点です。予想に反する場合、経営陣は再び配当金を下げなければならないかもしれません。
そして、経営陣が一度減配という神聖な切り札を使うと、再び減配を行う可能性が高くなることは周知の事実です。そのため、SafetyNet Proの配当の安全性評価は一段階低くなっています。
*SafetyNet Proとは?SafetyNet Proは、高精度で減配を予測できる、私たちの使用する画期的なツールです。これにより約1,000銘柄の配当の安全性を判断することが出来ます。安全性は、A ~ Fの順番で評価されます。
プリファード・アパートメント・コミュニティーズの配当の安全性は、2020年のFFO総額、そして来年の予想額にかかっています。
数字が減少し続ける場合には、再度減配の可能性は十分に考えられます。数字が回復すれば、配当には安全性があると考えています。
配当金の安全性評価:C

良い投資を。
マーク
いかがでしたか?
少しでもこのアメリカの強い株が「いいな」と思ったら1株からでもいいので買ってみてください。(アメリカの株は日本と違って1株から買うことができます。)
ちなみに…このブログで紹介している株はもちろんいいのですが、それよりもたくさんの配当を出す企業ばかりを集めて、毎月レポートしてくれて…「買い」「売り」の具体的なアクションをあなたへお届けする、「Oxford インカム・レター」はこちらからお試しすることができます。
これは、10年間平均で12%の複利成長…6年で資産2倍を狙う「配当投資」戦略です。私たちOxford クラブが軸にしている「資産形成ピラミッド」の第一段目に当たる保守的な投資のポートフォリオです。
もし、「これから資産形成をやってみようとは思っているけど、何から始めたらいいかわからない…」と思ったら、お試ししてみてください。30日間返金保証付きなので安心してお試し購読できます。