老後資金

「投資信託の不都合な真実」…3000万円を貯金する際の利回りは?

所要時間: 7分.

この記事のポイント

  1. 3000万円を貯金するという目標に対して、目標利回りを設定する

  2. 10~12%の利回りで増やす

  3. 投資信託では、10~12%の利回りは難しい


先日「定期預金の不都合な真実」として、3000万円を貯金するのは、非常に難しいことをお伝えしました。しかし、これはあくまでも定期預金で3000万円を貯金しようとした場合の話です。もちろん、定期預金のように、積立てながら、お金を増やす方法はたくさんあります。

手段の前に…目標利回りを設定

ただし、こういったときに注意しなければならないのが「方法」から見つけることです。方法から見つけるのは、目的と手段の入れ替わりです。私たちの目的は「3000万円」を貯金することです。そこでまず、日本人の平均手取り額から見た毎月の貯金額「4.1万円」と「6.1万円」を基準に、どのような利回りを手にすれば、上手く貯金することができるのか考えてみましょう。なお、この計算には、 『積立目標額の試算 – 高精度計算サイト』 を使います。 どのような結果が出たでしょうか?以下の表をご覧ください。



前回見た数字は、はっきり言って絶望的なものだったでしょう。それが、利回りが変わるだけで、全く状況が変わります。中には積立期間が20年を切る利回りや、30年を切る利回りのものがあります。これは、非常に心強いでしょう。

ただし、これはあくまでも現在の貯金が「ゼロ」と仮定した場合です。そこで、金融広報中央委員が調査した「年齢別貯蓄額中央値」をもとに、各年代の貯蓄をスタートとすると、どのような結果になるか見てみましょう。以下の表をご覧ください。

<「年齢別貯蓄額中央値」をもとに3000万円到達までの利回りと積立て期間>

~毎月4.1万円(年複利)~

~毎月6.1万円(年複利)~



このように、現在の貯金がどれくらいあるかと、どれくらいの利回りで増えていくかで「積立て期間」が全く違うことがお分かりいただけるでしょう。

年齢を問わず、この中で理想的なのは、すでに601万円の貯金があり、それを年利12%の利回りで運用できることでしょう。もしくは、現在どれくらいの貯金があるかに関係なく、積立てをしながら10~12%の利回りで増やすことができるのが理想的でしょう。

10~12%の利回りで増やす方法とは?

では、10~12%の利回りで増やすことができるものには、いったいどのようなものがあるのでしょうか?その代表的なものが「株式投資」や「投資信託」でしょう。特に、投資信託はiDeCoなどの影響から人気のものです。ですが、あなたはこの事実をご存じでしょうか?

これは、2018年6月29日に発表された金融庁の報告書です。ここに恐ろしいことが書かれています。それは何と…

46%の人が「損している」真実

何と…投資信託に投資している人の46%が損をしていると金融庁が報告を挙げています。そして、私たちが理想とする10%以上の利益を上げている人は、34%にとどまってます。大きくみて、10%未満の利益を上げている人を含めても、55%にとどまります。

投資信託の販売会社における 比較可能な共通KPIを用いた分析 <対象:主要行等9行、地域銀行20行>
2018年6月29日 金融庁

つまり、それはほぼ丁半博打と同じだということでしょう。ほぼ50%の確率で、どちらに転ぶか分からないということでしょう。そして、このようなデータもこの報告書には書かれています。

金融庁が「コストに見合ったリターンがない」と明記

この金融庁の報告書には、このような衝撃的なことも書かれていました。

投資信託の販売会社における 比較可能な共通KPIを用いた分析
<対象:主要行等9行、地域銀行20行>
2018年6月29日 金融庁

この報告を見る限り、短期であれば利益が上がる可能性があるのでしょう。しかしながら、5年以上になると、コストに見合うリターンがないと、金融庁が明記しています。よって、もし私たちが投資信託の情報を鵜呑みにして「10~12%の利回りが期待できる!」と思い、毎月積み立ててしまうと、損失を受ける確率が高いということでしょう。

では、私たちはどのような方法を使って、この長期にわたり積立てを行い「10~12%の利回り」を実現すれば良いのでしょうか?それが…上手く貯金を増やしている一部の人だけが運用している「米国株」です。

さらに金融庁が約5500本のうち「わずか1%」しか…

そして、他にも金融庁は2018年1月からスタートした「積立NISA」に該当する日本の株式投資信託約5500本を対象に、スクリーニングを行ったと『捨てられる銀行2非産運用』(講談社現代新書)に書かれています。その引用がこちらです。

2017年3月、金融庁内部で、18年1月からスタートする「積立NISA」に該当する商品のスクリーニングを試験的に行った。信託報酬や運用形態など、複数の条件で選定したところ、日本の株式投信約5500本のうち50本程度しか適合商品がなかった。わずか1%だ。

( 『捨てられる銀行2非産運用』(講談社現代新書)p280)

ちなみに、同書に『一方、米国で販売される上位10本の投信のうち債券型を除く、株式投信7本をスクリーニングしたところ、5本が適合したという。』とも書かれています。

つまり、それだけ日本の投資信託は厳しい状況だということでしょう。

これは運用のレベル差なのか原因は分かりません。しかしながら、これが日本の投資信託の現状であることは間違いないでしょう。「プロが運用するから…」と安心してお金を託しても、思ったようにならないのが日本の投資信託の現実なのです。


いかがでしたか?
少しでもこのアメリカの強い株が「いいな」と思ったら1株からでもいいので買ってみてください。(アメリカの株は日本と違って1株から買うことができます。)

ちなみに…このブログで紹介している株はもちろんいいのですが、それよりもたくさんの配当を出す企業ばかりを集めて、毎月レポートしてくれて…「買い」「売り」の具体的なアクションをあなたへお届けする、「Oxford インカム・レター」はこちらからお試しすることができます。

Oxford インカム・レターをお試しする

これは、10年間平均で12%の複利成長…6年で資産2倍を狙う「配当投資」戦略です。私たちOxford クラブが軸にしている「資産形成ピラミッド」の第一段目に当たる保守的な投資のポートフォリオです。

もし、「これから資産形成をやってみようとは思っているけど、何から始めたらいいかわからない…」と思ったら、お試ししてみてください。30日間返金保証付きなので安心してお試し購読できます。

Oxford Club Japan(オックスフォードクラブ・ジャパン)

The Oxford Clubの正式日本版サービスとして、「投資元本に触らずに配当だけで生活できるようになる」「更に大きな富を築く」を目的に、本場米国の個人投資家向けの情報を日本の投資家向けにお届けしています。
Back to top button