この配当利回り5%株は連続配当73年目に突入するか?
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この記事のポイント
- 連続して配当を出し続けている公益事業会社は多い
- そのほとんどはフリーキャッシュフローがマイナスなので要注意
- そのほとんどはフリーキャッシュフローがマイナスなので要注意
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米国の公益事業会社の中には、連続して配当を出し続けている会社がたくさんあります。
例えば、電力大手のデューク・エナジー(NYSE:DUK)は、1983年の配当開始以来36年間配当を出しています。
世界最大規模の再生可能エネルギー会社であるネクステラ・エナジー(NYSE:NEE)も、同じく36年間連続配当の会社です。
このため、これらの公益事業会社の株は配当投資家の間で人気となっています。
でも残念ながら、私のシステムに選ばれる公益事業会社はそう多くはありません。
あなたもご存知の通り、私のシステムにおいて最も重要な指標はフリーキャッシュフローです。
公益事業会社の多くは連続して配当を出していますが、フリーキャッシュフローの観点からは配当投資不適格なのです。
至近10年間でみると、ネクステラ・エナジーはフリーキャッシュフローがプラスになった年はありません。
デューク・エナジーも2014年だけがプラスでしたが、残りの9年間は全てマイナスです。
このように、多くの公益事業会社は、何年(場合によっては何十年)にもわたって持続的な配当を行っているにもかかわらず、フリーキャッシュフローはほとんどプラスになっていません。
ここで、ある疑問が生じます。
フリーキャッシュフロー、つまり使える手持ちのお金がないのに、どうして毎年配当を出すことができるのか?ということです。
米国の電力やガスなどの公益事業会社は多額のキャッシュフローを得ています。
そして、彼らの製品(電力やガスなど)には様々な規制があるため、毎年のキャッシュフローの額はある程度予測可能です(現在のパンデミックを除きますが)。
ある程度の収益が予測されるのであれば、あらかじめフリーキャッシュフローを産み出す計画を立てて実行するのも容易なように思えます。
しかし、電力やガスを供給するためには、大規模な修繕費用や運営費がかかります。
合衆国や州政府の環境基準などが見直しになれば、それに対応するための新たな設備投資も必要になります。
これらの設備投資額が非常に多額なため、キャッシュフローが流出してしまい、通常はフリーキャッシュフローを生み出すことが出来ないのです。
では、株主に支払われる配当はどこから捻出してくるのでしょうか?
実は、彼らの配当金は借入によって保たれているのです。これこそが、彼らが長年、配当を維持できる理由なのです。
彼らの大規模な設備投資は長期投資です。回収に時間がかかるために、毎年多額の借入を行っています。
それと同時に、資本を安定に維持するために、借入金の一部を使って株主に配当を支払い続けているのです。
長年、このようなことが行われてきているので、彼らは今後も配当を出し続けることができるかもしれません。
しかし、私のシステムは保守的です。何か問題が起こる前に警告するよう設計されています。
フリーキャッシュフローがマイナスになった企業は、格付けが下がるのです。
そんな公益事業会社の中でも、私のシステムが最も高い評価をつけている企業の一つにサザン・カンパニー(NYSE:SO)があります。
サザン・カンパニーはアトランタを拠点とする電力・天然ガス供給会社で、19年連続で毎年増配している優良株です。
同社は1948年以来、毎年配当を維持または増配しています。
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サザン・カンパニーが配当を始めた年は、最初に米国野球殿堂入りを果たした5人の中の1人であるベーブ・ルースが亡くなった年です。昔懐かしいLPレコード(33回転盤)が発売された年でもあります。
あなたはLPレコードを知っていますか?私はいまだに高校時代に買ったLPレコードを持っています。
もう72年も前からですよ。そんな昔から、サザン・カンパニーは毎年、配当を出し続けているのですから凄いことです!
サザン・カンパニーの経営陣は、配当金を確保するのに十分な流動性を持っていると述べており、72年の歴史に終止符を打つ気はなさそうです。
サザン・カンパニーの至近10年間のフリーキャッシュフローは、2015年から3年間は年間を通してマイナスでしたが、その他は全てプラスです。
さらに、2020年には32.5億ドルのフリーキャッシュフローを生み出すことが予想されています。
現在、サザン・カンパニーの配当性向は、まだ少し高すぎると考えられますが、同社は約26.8億ドルの配当金を支払う可能性があります。
(注)配当性向とは、その期の純利益(税引後利益)の中から、配当金をどのくらい支払っているかをパーセンテージで表したもの。例えば、配当性向が100%の場合には、純利益を全て配当として株主に還元したことになります。サザン・カンパニーの2020年第1四半期の配当性向は80.12%です。
ウォール・ストリートが予測する32.5億ドルのフリーキャッシュフローが、2020年の約26.8億ドルの配当金をカバーすることになります。
サザン・カンパニーは、今年は1株当たり2.56ドルを株主に支払う可能性があります。これは、現在の株価に対して約5%の配当利回りになります。
サザン・カンパニーの配当金の安全性評価は決して高くはありませんが、私のシステムによると、公益事業会社の中で最も高い評価を得ているのがサザン・カンパニーです。
サザン・カンパニーの経営陣は、2020年が連続配当73年目の年になるよう全力を尽くすでしょう。
サザン・カンパニー
配当金安全性評価:C
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良い投資を。
マーク
いかがでしたか?
少しでもこのアメリカの強い株が「いいな」と思ったら1株からでもいいので買ってみてください。(アメリカの株は日本と違って1株から買うことができます。)
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