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不透明要因が減少するなかでの株式市場下落

日本は季節の変わり目ですね。

沖縄では5月4日に梅雨入り。北海道の富良野ではスキー場が5月7日まで営業していた模様でした。

この多様性は日本の長所の一つで、四季があるのも素晴らしいと思います。
(私の拠点の一つがあるマレーシアには雨季と乾季しかありません。)

スキーといえば、この年になってもなお、初めてスキーに行く人と一緒になることがあります(特に、シンガポールの友人などは富裕層であっても未経験の場合が多かったりします)。

スキーの理論をお伝えする度に、株式投資で重要なことが僕の頭をよぎります。
(職業病かもしれません^^;)

人並にスキーが出来るようになる(山の上から下まで滑ってこれるようになる)ための理論としては、

  • 怖くとも、目線は遠く前を見据える(目線を足元に置かない。置くと転ぶ)
  • 怖くとも、体重は前側(谷側)に乗せる気持ちを持つ(体重を山側に乗せない。腰が引けると転ぶ)

というものがあります。

株式投資を通じた資産形成についても同様で、

  • 木を見ず、森を見る(近視眼的になると、結果的に相場の後追いになる)
  • リスクは削減したとしても、とり続ける(腰が引けると、後追いになる)

と良いと感じています。

5月に入って、株式市場が荒れていますが、こういうときこそ冷静に、プラスのアイデアを意識することが大切なのではないかと考えます。

 

5月に入ってからの株式市場の下落ですが、ロシア問題とそれに起因するコモディティ価格の上昇、継続するインフレ、予想以上に長引く中国のロックダウン、政策当局がいち早く正常化させたいと考えている金融政策(利上げと量的引き締め)などが影響していると考えられます。

が、それらはそもそも既に織り込まれていた内容も多く、なぜ5月に入ってから改めて相場に影響を及ぼしているのか、と思われる方も多いのではないでしょうか?

主要因の一つとしては、需給要因があると思われ、コロナ禍でいち早く株買いをしてきた米国の個人投資家が利益確定の売却をしているとか、目先買い手の存在が希薄ななかヘッジファンドが空売りを仕掛けると効きやすい市場環境にあるといった内容も影響していると考えられます。

ですが、長期投資家からすれば、良い買い場が訪れているという見え方もできるかもしれません。
不透明要因が減少していく中で、株価が下落しているということは、平時では買いにくい優良企業の株式を買いやすい状態になるということを意味します。

実際に、大手投資銀行の著名ストラテジストを中心に、買い妙味が高まってきていることが示唆されています。

まさに、有名な相場の格言である「人の行く裏に道あり花の山」が思い起こされる展開といえます。

株式市場の天底は取れない、買ってから下がることもあるし、売ってから上がることもある、という発想があれば、いつ、何を仕込むべきかというスタンスに傾く(前に体重を乗せる発想が出る)と考えます。

 

株式市場に覆いかぶさっていた不透明要因が減少する方向にあり、また、冒頭でお伝えした株式市場の問題である、

  • ロシア問題とそれに起因するコモディティ価格の上昇、
  • 継続するインフレ、
  • 予想以上に長引く中国のロックダウン、
  • 政策当局がいち早く正常化させたいと考えている金融政策(利上げと量的引き締め)

をベースとするのであれば、諸外国の株式市場との比較でむしろ、米国の強さが際立つ状況になっています。

一定の現金比率を有している場合は、優良銘柄を買い仕込む準備をしておくと良いのではないでしょうか?

足もとに目をやってデコボコが気になるという方も、目線を先に置き、真下にあるデコボコを柔軟性・恐怖心の克服によって吸収することができれば、結果として良い活動の状態が保たれると考えています。

株価が下がると気分が滅入るという方は多いはずですが、今年、厳しい期間を経験したあなたは、それを乗り越えることで次のステージに辿り着きやすくなると思います。

今後、インフレ鎮静化や政策金利引上げを実施した米国株式市場は、中国のロックダウン解除、コモディティの供給制約緩和などを経て、先進諸外国よりも高いリターンを出す環境が揃いつつあるという見方もあります。

ご自身の投資の勝ちパターンを見つけるという着眼点も大切です。

現状の株式市場からは良質な学びや気づきを得られる期間にあると考えます。

長期目線におけるプラスアイデアを探す視点で、Oxfordクラブのニュースレターを手に取って頂くと新しい気づきがあるかもしれません。

良い投資を。

志村 暢彦

追伸
Oxfordクラブでは、配当投資にフォーカスしたインカム・レターと、成長株にフォーカスしたキャピタル・レターをご用意して、それぞれ長期目線での投資アイデアをご案内しています。マクロファンダメンタルズの状況を見据え、『米国の今』について経験豊富なストラテジストが分析した内容も掲載しています。

志村 暢彦

Oxford Club Japan チーフ・ストラテジスト 助言統括者。金融業界歴24年。業界経験としてはファンドマネージャーとしての期間が最も長い。2019年Oxford Clubチーフ・ストラテジストに就任。日ごろより、金融力は国力そのものであると考えおり、金融業界の心臓部や裏側で働き、政官財を含め、日本の金融の実態を見てきた経験をもとに、日本の金融リテラシー向上と、個人の理想的な資産形成の実現について、情報の収集と発信をしている。 著者の記事一覧 ≫

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