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注目のFOMCの結果とシリコンバレー

今、米国シリコンバレーに来ています。

世界的なハイテク企業群の創業地として有名な場所ですが、現在もなお、伸び盛りの企業が生まれ、育っています。

膝元にあるスタンフォード大は杉並区と同じほどの広さを誇り、闊達な議論と潤沢な人材、資金などを背景に、アカデミックな領域をリードするとともに、新たな技術やサービスを生み出す素地を備えています。

シリコンバレー

今回、関係各所と会話するなかで改めて、社会課題を解決したり、サービスを進化させるためのイノベーションを生み出す底力やその源泉について、思考を深めてきました。

内容の一部は折に触れ、ご紹介していきたいと思いますが、全般的にも是非、Oxfordクラブにおけるニュースレターや投資助言コンテンツの中で、活かしていくつもりです。

足もとの不透明要因はまだ残っていますし、利上げも続きますが、改めて長期的に成長することが期待される企業への投資がより一層必要となる展開となると想定しています。

そして、日本にいるとつい、成長市場に目を向けるよりも、目先のネガティブなこと・些細なことにも目が向きがちになってしまうかもしれませんが、目線を遠くに置くなかで、自身の将来や成長、および資産の成長について取り組むことには、大きな意義があると考えます。

さて、日本時間5日の未明に、注目の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合結果が発表されました。

内容としては、

◉0.5%の政策金利(フェデラルファンドレート)引き上げ。全会一致。2000年以来の上昇幅。
◉6月から連邦準備制度理事会(FRB)が保有する米国債と住宅ローン担保証券(MBS)の縮小を開始。

ということでしたが、株式市場はこれを受けて上昇。一方で、ボラティリティインデックス(VIX)は下落しています。

これらの動きの背景として、今後の利上げ幅について、2会合で同様とすることが示唆された、市場が嫌気するであろう0.75%の引き上げを積極的には検討しない方針であることが好感された点が、相場上昇要因としてあげられます。

先週のメルマガにおいて、不透明要因が重なり、市場の変動幅(ボラティリティ)が上昇していることが株価の重石となっている点について触れましたが、その不透明要因が一つ取れたという点が支えとなっています。

もちろん、株式市場が今後一本調子で上昇し続けると見るよりも、今後も、ポジティブな要因とネガティブな要因が入り混じりながら、個別色が強まる展開が継続すると見た方が、理論的な環境下にありますが、

足もとでは、市場全体に覆いかぶさっている不透明要因については徐々に薄れていくという見方が一般的です。

 

株式投資を始めて日が浅いときは、今後上がるのか、下がるのかどっちなのだろう、とか、市場全体が上がるなら買いたい、下がるなら買いたい、という“ゼロイチ”の議論にあてはめて考えてしまう方も多いと思います。

でも、株式市場は人が作るものですから、“ゼロイチ”で極論すると見落としてしまう点も出てきます。

今年は、“真理は中庸にあり”という視点で、株式市場を捉えて頂いた方が良い結果が生まれると見ています。

そして、市場全体というよりも、個別色に着目し、“こういった企業は投資家から選好されやすい/選好されにくい”、という視点で捉えると、結果として市場で何が起こっているのかをより一層理解しやすい年になると見ています。

良い投資を。

志村 暢彦

追伸
Oxfordクラブでは、配当投資にフォーカスしたインカム・レターと、成長株にフォーカスしたキャピタル・レターをご用意して、それぞれ長期目線での投資アイデアをご案内しています。世界の状況を見据え、『米国の今』について経験豊富なストラテジストが分析した内容も掲載しています。

志村 暢彦

Oxford Club Japan チーフ・ストラテジスト 助言統括者。金融業界歴24年。業界経験としてはファンドマネージャーとしての期間が最も長い。2019年Oxford Clubチーフ・ストラテジストに就任。日ごろより、金融力は国力そのものであると考えおり、金融業界の心臓部や裏側で働き、政官財を含め、日本の金融の実態を見てきた経験をもとに、日本の金融リテラシー向上と、個人の理想的な資産形成の実現について、情報の収集と発信をしている。 著者の記事一覧 ≫

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