投資情報

FOMCを受けて、どう動きますか?

志村です。こんにちは。

日本はようやくコロナ後が見えてきましたね。
実施されているまん延防止等重点措置が21日で終了し、無事、経済・社会活動が再開されたらと思っています。

海外への渡航もしやすくなり(隔離が無くなり)、とても嬉しいです!(早速マレーシアと米国に出る予定です)

先日コロナワクチン3回目を打ちましたが、2回目より副作用が少なかったです(2回目は結構な発熱をしたので)。リオープンに向けて前向きな気持ちでワクチンを打ったのが良かったのかもしれません^^

さて、今週は世界が注目するイベントと言ってよい、米国の連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されました。

事前アナウンスされていたとおり、0.25%の利上げが決定され、2年間続いたコロナ禍の実質ゼロ金利政策から脱却することとなりました。

今回は、3か月に一回示されるFOMCメンバーによる経済見通し(Summary of Economic Projection 略してSEP)において、

2022年の実質GDP成長率が4.0%から2.8%へと前回12月の値から下方修正されたのに対し、インフレ見通し(個人消費支出デフレータ)が4.3%と前回の2.6%から上方修正された点が注目ポイントでした。

また、投資家が注目している2年金利と10年金利の差(長短スプレッドとかイールドカーブとも言います)について、瞬間的にマイナスになった点も注目に値します。

通常であれば、長期金利が短期金利より高いのが正常な状況なのですが、金利引き上げ局面において短期金利が上がる一方で、長期の成長見通しが引き下げられ長期金利が低下し、いわゆる「逆イールド」の状態に少しの間、なりました。

逆イールドが発生すると、その後にリセッション(景気後退)が来ることがあるということで、政策当局としては今後、長期の成長率改善をどのように実現していくのか、頭を悩ませることになります。

個人投資家の皆さんの多くは、経済評論家ではありませんので、評論家(エコノミスト)がいう、FOMCの解説だけを聞いてもピンとこないかもしれません。

はい、それで良いと思います。

でも、投資については、長期的な戦略を確認しつづけることが必要ですから、FOMCを受けて、米国においてどのような政策がとられ、株式市場にどのような影響があるのか、というところまで想いを馳せることは重要だと思っています。

なので、経済新聞やテレビをみてエコノミストの言っていることだけを聞いて終わりにするのではなく、
「で、それをうけて自分の投資は何をすべきで何をすべきでないのだろうということについてのイメージは持って頂きたいと思っています。

結果的にイメージがあっていたとか間違っていたとかいう結果の部分が大切なのではなく、結果に至る過程の部分が実はとても重要です。

結果を常に当て続けられる人はいないですが、過程において投資家の取るべき行動や原理原則を貫いた結果、資産形成で結果を残した人は多いと思います。

金融の世界では、再現性とかレジリエンスと言ったりしますが、再現性を意識して投資家のスキルを高めることが、すなわち「金融リテラシーを高めること」といっても良いかもしれません。

僕も、「暗号資産で一発当てました(その後もう一発を狙って当初の利益の大半を失いました。税金だけはしっかりと最初の利益に対してがっぽりもっていかれました)」、という投資家が次にまた一発大きいのをあてることをサポートすることよりも、

「再現性ある投資、金融リテラシーを高めたい」というあなたの、長期投資による資産形成の実現をサポートしていくことを常に心がけています。

話を戻しまして、今回のFOMCを受けて、投資家は何をしたら良いかというアイディア出しについて、改めて米国の政策運営の相対的な健全さが浮き彫りになったことは認識してもらいたいです。

ロシアによるウクライナ侵攻後の世界の株式市場ですが、2月24日以降3月16日までの各国の株価指数(円貨建て)を比較すると、S&P500種株価指数が日本やドイツ・フランスなどと比べて最もパフォーマンスが良く、また下落したときの幅も小さいです。

ウクライナに近い欧州各国の株価指数が下落するのは分かりますが、日米の株価比較で、日本の変動幅が米国よりも大きい状況は今回も同様です(悲しいです)。

相対的に健全な米国市場においては、常に新陳代謝があります。
成長株から割安株へ、とか、金融相場から業績相場へなどです。

指数全体に投資するのも良いですが、一歩踏み込んで、個別の業種や銘柄特性、個別株に着目することも、長期的に使える金融リテラシーを得る重要なステップと言えます。

シナリオが想定とはずれても(戦争がどのような状況となるのか誰も分かりません)、大きな痛手を負わないよう、分散投資するなど、投資行動のうえで守った方が良いルールもあります。

特定の業種や銘柄の推奨については、ライセンス(投資助言の許認可)が必要となるので、その状況も踏まえ、メディアからの情報の取捨選択をされると良いと考えます。

そして、短期と長期のストーリーをうまく整理して組み合わせることで、より早く目標に到達するシナリオを描けるかもしれません。

 

志村 暢彦


追伸
Oxfordクラブでは、配当投資にフォーカスしたインカム・レターと、成長株にフォーカスしたキャピタル・レターをご用意して、それぞれ長期目線での投資アイデアをご案内しています。マクロファンダメンタルズの状況を見据え、『米国の今』について経験豊富なストラテジストが分析した内容も掲載しています。

志村 暢彦

Oxford Club Japan チーフ・ストラテジスト 助言統括者。金融業界歴24年。業界経験としてはファンドマネージャーとしての期間が最も長い。2019年Oxford Clubチーフ・ストラテジストに就任。日ごろより、金融力は国力そのものであると考えおり、金融業界の心臓部や裏側で働き、政官財を含め、日本の金融の実態を見てきた経験をもとに、日本の金融リテラシー向上と、個人の理想的な資産形成の実現について、情報の収集と発信をしている。 著者の記事一覧 ≫

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