投資情報

戦争相場。 世界の投資家はどう動くのか

ウクライナの件、完全にロシアが暴走しています。人命を軽く扱う暴挙で、本当に許せません。

戦争が生むのは悲劇のみです。一日も早く発展的な解決がなされることを切に望んでいます。

僕もウクライナ人とロシア人、双方に知人がおり、また現地で事業を営む友人がいるため、他人事ではないです。高度に進んだ今の資本主義社会、制裁も経済的な側面からなされますが、それで苦しむのもロシアの普通の人々(特に社会的な弱者)です。ウクライナの人々が苦しんでいることにも心が痛いです。

自分にできることは何かを改めて考え、国際社会における貢献が少しでも出来るよう、行動に移していきたいと考えています。

また、今回のウクライナの件は全世界的に報道されていますが、報道には出ない紛争は世界に数多くあります。

金融(および金融リテラシー)が社会課題を解決するために、どういった切り口・視点があるのかについても考え、発展させることで、戦争のない世界の実現に一歩でも近づけたらと考えます。

お金・資産形成の成功がゴールでなく、「個人の幸せやより良い社会の実現のために、手段として資産形成を成功させる」という発想もより一層大切になってくると思います。

株式市場に目を移すと、引き続き変動幅の大きな展開が続いていますが、過去の経験則からすると、砲撃開始は、買戻しの底値探しのきっかけとなってきました。

相場の格言に、「Sell the rumour, Buy the fact」というものがあります。

日本語では「噂で売って、事実で買え」という意味で、好材料や悪材料の雰囲気が出たときに相場は先取りする形で動き、事実が出たらその先取りポジションが解消される、という趣旨です。

今回のケースでは、実際の戦争が起きることに備え、リスク回避で売られてきたので、戦争が起きたという事実をもってして、(戦争が終結することを先取りする形で)買戻しをする、という動きが一部では見られました。

今回の件の終結までには、少し時間を要するとみるのが一部の情報筋の見方ですが、さらに売りこんでいくという動きは主流とはなりにくいというのが、現時点でのメインシナリオと見られます。

なお、今回の件を受けて、金や原油価格が上昇しています。バランス型のポートフォリオをお持ちの方は、市場全体が下落するなかでも、その下落を相殺する形となっていることでしょう。

バランス型のポートフォリオの考え方については、APJ Media社から先月末に発刊された「バケーション投資戦略」いう本に、記載されています。

投資戦略の立て方・考え方について、ベテランの米国人ストラテジストで、Oxford キャピタル・レターの執筆者でもあるアレックス・グリーン氏が説明しています。

彼は米国が経済的にも苦境にあった1980年代から業界に身をおき、活躍してきたストラテジストですので、幾度となく訪れる危機を乗り越えるためのベースとなる考え方を知るために適した本であると考えます。

また、日本の方々の投資行動については、1月15日発売の週刊ダイヤモンド「ニッポン沈没 日本を見捨てる富裕層」の中で、2か所、僕の記事を掲載頂いています。

Part 1:日本を見捨てる富裕層 マネーの「海外流出」加速 の中の
「ホームバイアス低下で進む日本株離れ 富裕層の海外投資先とは?」
の部分と、
Part 3:富裕層「世界標準」の運用術 日本株を見捨てる理由 の中の
「米国株だけじゃない! 世界を先取る ボーダレス投資の八大鉄則」
の部分です。

長期的な視点での資産形成で成果を上げ、お金を有効に活用する良心ある投資家が一人でも多く生まれたら幸いです。そういう方々を、サポートしていけたらと考えています。

志村 暢彦


追伸
Oxfordクラブでは、配当投資にフォーカスしたインカム・レターと、成長株にフォーカスしたキャピタル・レターをご用意して、それぞれ長期目線での投資アイデアをご案内しています。マクロファンダメンタルズの状況を見据え、『米国の今』について経験豊富なストラテジストが分析した内容も掲載しています。

志村 暢彦

Oxford Club Japan チーフ・ストラテジスト 助言統括者。金融業界歴24年。業界経験としてはファンドマネージャーとしての期間が最も長い。2019年Oxford Clubチーフ・ストラテジストに就任。日ごろより、金融力は国力そのものであると考えおり、金融業界の心臓部や裏側で働き、政官財を含め、日本の金融の実態を見てきた経験をもとに、日本の金融リテラシー向上と、個人の理想的な資産形成の実現について、情報の収集と発信をしている。 著者の記事一覧 ≫

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