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アメリカ株の動向を見るうえで重要なポイントは?

今晩9月6日(金)は毎月恒例の米雇用統計発表日。

先月は、ハリケーンの一時要因もあり、予想を超える失業率の上昇や雇用者数の伸びの鈍化となり、株式市場が大きく下落する一因となりました。

現在も、来年の米国経済の行方、つまりリセッションに陥るのか、または成長鈍化するとしても底堅く推移しソフトランディングするのか、投資家の見方が分かれていることから、

景気や経済の動向を先読みする視点で、今回の雇用統計を見ていこうという市場参加者が多いです。

日本時間9月6日10時時点の市場予想平均は、

 

・非農業部門雇用者数が16万5千人増(前回は11万4千人増)

・失業率が4.2%(前回は4.3%)

・前年比平均賃金が3.7%増(前回は3.6%増)
 

となっています。

 
また、月央の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが決定されることが確実視されていますが、

近くFOMC前のブラックアウト期間(関係者がコメントできない期間)入りすることから、雇用統計後の連邦準備制度理事会(FRB)の要人コメントについても、ウォッチ項目として視野に入れておきたいところです。

先物市場が織り込む米国の利下げ幅については、現在のところ、来年7月まで合計で2%以上の利下げが織り込まれています。

そして、市場参加者の多くが、この利下げ幅については過剰であり、米国経済の底堅さや利下げ開始後のサポートを踏まえ、2%に至る利下げは不要になるという見通しを立てています。

国際政治経済のトリレンマ、すなわち、『国家主権と民主主義とグローバリゼーションの3つは同時に成り立たず、どれか一つは諦めなければならない』の観点からしても、

大統領選を控えアメリカファーストが叫ばれる中で、グローバリゼーションへの優先順位が下がり、輸入物価やコストの上昇を通じて、長期的なインフレの状況を後押しする環境となるかもしれません。

中長期的な金利政策の動向を見るうえで、頭の片隅に入れておきたいポイントの一つです。

 
また、来週の注目ポイントとしては、アップルの新製品発表イベントがあります。

同社はiPhone16を米国時間9月9日(日本時間10日未明)に発表することを予定しており、

新たに投入されるAI機能Apple Intelligenceが注目を集めています。

ユーザー達から好評を博すと、蓄積された端末買い替え需要が大きく掘り起こされることとなると期待されます。

そして、もう一つの注目ポイントは、大統領選に向けた、ハリス候補とトランプ候補のテレビ討論会。

ハリス候補がトランプ候補と対峙する初めての大きな機会ということで注目を集めていますが、ショーの要素も大きいです。

前回のバイデン大統領VSトランプ候補の討論会時と同様、相手の発言中に自分のマイクはオフにする(がやがやさせない)ことが決定されたようで、より一層、政策の骨格が語られる期待が高まりました。

両陣営とも選挙戦の決めてとなる隠し玉を持っていると考えられることから、先行きを見通すのは困難ですが、

仮にどちらが勝ったとしても、向かう方向性が同じ観点・投資テーマがありますので、その視点を軸に投資戦略を考えていくと良いと考えます。

 

日本でも自民党の総裁選に向けた動きが本格化しつつありますが、これまで導入された資産運用立国実現プランの流れは継続すると見ています。

日本の置かれた状況や将来の展望を踏まえ、不十分な投資環境を順次整備していくことは必須です。

個人投資家の投資機能を見ても、アメリカでは当たり前に提供されている機能が、日本の企業では実現できていないことがあり、歯がゆい状況が長く続いています。

その一つが、ネット証券による個別株のオプション取引ですが、

先日のメルマガでもお伝えしたウィブル証券による、日本での機能拡充やその狙いについて、日経CNBCが報じた内容は示唆に富んでいます。

(この取材の後、同CEOとがっつり、日本とアメリカの投資環境の違いや必要な機能についてお話ししてきました)

いずれにせよ、我々個人投資家は、今出来ることに注力するとともに、長く使える投資手法やスキルを得るために、グローバルスタンダードの投資スタイルを確立することを目指した方が効率的です。

民間企業が様々な社会課題を解決し、業績を伸ばすように、不足する投資環境も日進月歩で拡充・改善されていきます。

志村暢彦
 
 
追伸1

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追伸2

私からの情報発信力を充実させるため、今更ではありますが、noteを利用しはじめました。

まだきちんと投稿できておらず、ほぼ空の状態ですが、近く投稿を始め、投資家に寄り添う内容をお届けしていきたいと思っています。宜しければ、ご登録されてください。

志村暢彦note

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志村 暢彦

Oxford Club Japan チーフ・ストラテジスト 助言統括者。金融業界歴24年。業界経験としてはファンドマネージャーとしての期間が最も長い。2019年Oxford Clubチーフ・ストラテジストに就任。日ごろより、金融力は国力そのものであると考えおり、金融業界の心臓部や裏側で働き、政官財を含め、日本の金融の実態を見てきた経験をもとに、日本の金融リテラシー向上と、個人の理想的な資産形成の実現について、情報の収集と発信をしている。 著者の記事一覧 ≫

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