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動き出した日本の金融政策 米国市場はどう見る?

今週は日銀が大方の予想どおり、利上げに転じました。

もともと、最低でも0.5%程度は(複数回にまたがって)利上げしておくのが望ましいということで、

将来の利上げや国債買い入れの減額が確実視されていましたので、内容にサプライズは無いのですが、

利上げ発表を受けて、為替市場ではドル円が下落(円高ドル安方向にシフト)しました。

この動きもある意味、想定内という方も多いのではないでしょうか。

また、米国では、連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長からは、9月の利下げが示唆されるコメントがなされました。

利下げが9月なのか11月なのか、おそらくFRB内でも意見が分かれているのだと想定されますが、利下げするという事実自体には変化ありません。

(大統領選の動向からも、さほど影響を受けません)

昨日1日には、英国(イングランド銀行)が0.25%の利下げを実施しました。4年5か月ぶりの利下げです。(ECBは6月に利下げ実施済みです)

欧米各国の利下げと日銀の利上げ。

投資家としても、適切に対応していきたいところですよね。

また、本日2日は、毎月恒例の米国雇用統計が発表されます。

今週の株式市場では、雇用関連で芳しくない統計数値の発表が続いたので、ある程度、雇用環境が鈍化しているということが織り込まれています。

6月以降、メディアをはじめエコノミストからは、サーム・ルールという基準について取り上げられています。

サーム・ルールとは、『失業率の直近3か月平均値が、直近1年間の最低値よりも0.5%を超えて上回る場合、景気後退に陥る可能性が高まる』というアノマリー(過去の経験則)です。

(元FRBエコノミストのクローディア・サーム氏が提唱したということです)

先月7月に発表された失業率は4.1%でしたが、

その時点での期近3か月平均値が4.0%(7月が4.1、6月が4.0、5月が3.9)で、

期近12か月最低値が、3.5%(昨年8月発表値)だったので、

先月時点ではサーム・ルールに抵触していました。

本日発表の雇用統計において、仮に失業率が4.1%となると(事前の市場予想平均値は4.1%)、

直近3か月平均値は4.07%となります。(6月発表値が4.0%で、7月発表値が4.1%です)

そして、直近12か月の最低値は3.7%(昨年11月〜今年1月発表値)なので、このアノマリーからすると、一旦点灯しかけた景気後退サインがリセットされることになる、ということかもしれません。

もし昨年8月のものを使う、ということであれば依然としてサーム・ルール抵触となりますが、来月には、リセットされる可能性の方が高いです。

いずれにせよ、現在の米国金融政策は、従来よりも柔軟、かつフォワードルッキングを意識していると感じるので、

先行き、仮に一時的に景気後退に陥る兆候が出たとしても、政策的には打つ手があるし、

投資家は、その兆候をもって、株式投資を全面的に取りやめる必要性は低いのではないかと考えます。

 

現在の株式市場において、投資家は景気後退への懸念を意識しすぎるよりも、高い期待値を背負って買われ過ぎた銘柄の反動を意識された方が、将来のリターン確保に繋がると考えます。

今週は半導体指数(SOX指数)が大きく調整。

もちろん、中には長期的な成長余地を背景に、下げたところが買い時となる銘柄も含まれていることでしょう。

市場全体が上か下か。またはドル円為替市場が上か下か。

という視点のみで捉えてしまうと、しばらくはやりにくい展開となるかもしれません。

ただ分散投資はもちろんのこと、投資の手法やデリバティブ取引の活用など、投資スキルによって乗り切っていくと、リターンの積み上げについて魅力的なものが見つかるのではないでしょうか。

なお、本日20時からは、私のLINEグループに登録されている方を対象としたウェビナーを開催します。

金曜夜ということで、かしこまらず、幅広いご質問に回答していけたらと思っています!

(投資助言サービスの関係から、個別銘柄には触れませんのでご了承下さい)

それでは皆さま、良い週末をお過ごしください!
 

志村暢彦
 

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志村 暢彦

Oxford Club Japan チーフ・ストラテジスト 助言統括者。金融業界歴24年。業界経験としてはファンドマネージャーとしての期間が最も長い。2019年Oxford Clubチーフ・ストラテジストに就任。日ごろより、金融力は国力そのものであると考えおり、金融業界の心臓部や裏側で働き、政官財を含め、日本の金融の実態を見てきた経験をもとに、日本の金融リテラシー向上と、個人の理想的な資産形成の実現について、情報の収集と発信をしている。 著者の記事一覧 ≫

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