今週は米国のみならず、 日本でも注目度の高い経済イベントの一つ、 米国の政策金利の発表がありました。
連邦公開市場委員会(FOMC)は、事前の予想通り、 政策金利の据え置きを決定 。 現状の高い金利が現状では維持されることが発表されました。
同時に、3か月に一度示される、 FOMCメンバーによる長期予想(ドットプロット)も発表。
利下げ予想の中央値について、前回3月時点では、年内3回( 計0.75%)となっていましたが、今回6月では年内1回(0. 25%)と示されました 。
利下げ想定の回数低下は、今年のインフレ率( PCEコア価格上昇率)予想が2.8%に引き上げられた ことが影 響しています。(前回3月は2.6%)
今年の実質GDP成長率(2.1%)と失業率(4.0%) の予想値については3月のものが引き継がれています。
今の状況を踏まえると、 今後は11月の会合における利下げの確率が上がっていくのではな いかと想定されます。
根強いインフレですが、粘着質に長期化しているので、ある意味、 社会でも受け入れられている(致し方ないと思われている) 風潮が強くなっています。
賃金が上昇していること、 リセッションを回避できていることも一因でしょう。
先週、ECB(欧州中央銀行)は4年ぶりに利下げ(0.25%) しましたし、カナダ中銀も利下げ(0.25%)した ので、 米国の高金利が際立つ形となっています。
今年利上げが想定される日本ではありますが、 円安傾向のトレンド変換には至らず、食糧・ エネルギー自給率の低い日本にとっては、 苦しい状況が続いています 。
日本での人気が非常に高いアップル製品をはじめ、 海外製品を日本で購入するハードルも上がる一方です。
生成AI・汎用AI(AGI) の実社会への応用はますます広がりを見せる過渡期 にありますが、 日本社会において、より多くの半導体を導入したり、また、 急増するデータセンター向け電力需要に応えるためのコストも年々 上がります。
企業はコスト上昇下でも利益を上げるため、 サービスレベルを落としたり、課金ポイントが細かくするなど、 不断の工夫が求められています。
これは半導体などのハード面に限らず、 サービス企業全般にも見られます。
例えば、私が良く使っている全米最大規模のホテルグループである マリオット・インターナショナル (Nasdaq: MAR) でも、駐車場に課金したり、朝食への課金対象者を増やしたり、 朝食の質自体を落としたり、ルームサービスを簡略化したりと、 なりふり構わない対応が見られます。
(対応内容や有料・無料の別は各ホテルによって異なります)
ということで、我々が、 長きにわたって快適な暮らしを享受するためには、インフレ社会に 対応し、世界で(日本国外を中心に) 利益を上げている企業に投資し、 投資からのリターンを享受する仕組みを個人が構築することが効率 的 だと考えます。
株式投資の格言に、『人の行く裏に道あり花の山 』とあるとおり、 大勢に従い、追随しているだけでは、 リターン獲得の継続に向けては、多くの困難に直面しがちです。
むしろ少数派の考え方を持つ人に有利な側面が強いといえます。
(マクロ経済の状況を見るときには、多数派・ 市場参加者の考え方や趨勢を把握しますが、 あくまでこれは追随するためではなく、 出し抜くための取組みの一つです。)
人と人は違って当たり前 。
もしあなたがこれまでの人生において、人と違った考え方・ 価値観を持っていたことで、会社や学校などの組織に許容されず、 心を痛めることがあったり、 世の中の常識と戦い傷ついたりしたことがあったとしても、 株式投資においては、 そういった経験や資質を糧にすることが出来ると思っています。
志村暢彦
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