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ダウ指数40,000乗せ

4月下旬から、米国の株式市場の堅調地合いが継続しています。

5月16日(木)の日中(米国時間)には、ダウ工業株30種平均(ダウ指数)が一時、40,000ドル台乗せています。

背景として、15日(水)の消費者物価指数(CPI)を受けてインフレの軟着陸への期待が高まったことや、

ダウ指数に組み入れられているウォルマート (NYSE: WMT) が好決算を発表し、通期予想値を引き上げたことを受けて株価上昇したことなどが挙げられます。

ウォルマートの好調な決算には、堅調な個人消費が継続していることが影響していると見られますが、

一方、日本では16日に発表した国内総生産(GDP)において、個人消費が15年ぶりに4四半期連続でマイナスとなったと、各社から報じられています。

日本の個人消費が低迷している理由として、物価高などが挙げられているようですが、米国でも物価高は続いているので、他の理由に目を向ける必要があるかもしれません。

例えば、先進国38か国が加盟する国際機関で、世界各国のシンクタンク的な役割を担う経済協力開発機構(OECD)のページでは、以下の平均賃金データを確認することが出来ます。
 

出所:OECD

※ 左軸のkというのは1000のことで、例えば40kは4万ドルを意味します
 
また、提供されている時系列データを基にOECD平均と、日米の賃金の推移を比較すると次のようになります。
 

出所:OECDデータを基に筆者編集

 
上がらない賃金が日本の消費低迷に寄与している側面があるのではないか、と見られます。

(もちろん、高齢化に伴う消費意欲の減退や、良いものが安く買えるようになっているなど、他の要因もあるのでしょうけれど)

ということで、我々個人は、会社からの給料に頼りっきりになるのでなく、投資によるリターンを増やし、将来の備えに回す(複利投資する)必要性が増しているのではないかと考えます。

私のこのメルマガをお読み頂いている人からすると当たり前の発想かもしれませんが、未だ日本にはびこる旧来の常識にしばられ、際には一歩踏み出せていない方が多数いると思います。

所得や消費の二極化の進展が叫ばれますが、投資リテラシーの二極化も進んでいるはずです。

日本では新NISAの導入をはじめ、制度対応によって、投資を促進する風潮が形成されつつあります。

ただ、掲げる視点や目標設定は良いのだけれど、実際どうしたら良いのだろう、と悩まれる方は多いです。

これは当たり前といいますか、政府や提供される制度は、ソリューションまでは提供していません

ですから、投資の初級の方々こそ、具体的に何をどうしたら良いのか、リスクを抑えながら、継続的にコツコツとリターンを貯めて、将来への投資に回すスキルを身に付けることをお勧めしています。

何事も最初が肝心です。

長期的なサポートを頼る際の視点としては、『顧客資産の運用実務経験があるか』、『長期間色々な視点で揉まれ磨かれた、世界のスタンダードと言える投資理論を理解しているか』、『リーマンショックなど、大きな株価ショックを乗り切ってきたか』などを参考にされると良いかもしれません。

志村暢彦

 

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志村 暢彦

Oxford Club Japan チーフ・ストラテジスト 助言統括者。金融業界歴24年。業界経験としてはファンドマネージャーとしての期間が最も長い。2019年Oxford Clubチーフ・ストラテジストに就任。日ごろより、金融力は国力そのものであると考えおり、金融業界の心臓部や裏側で働き、政官財を含め、日本の金融の実態を見てきた経験をもとに、日本の金融リテラシー向上と、個人の理想的な資産形成の実現について、情報の収集と発信をしている。 著者の記事一覧 ≫

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