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調整中の株式市場 今年は個別銘柄の選別が重要か

こんにちは。

サンフランシスコに来てから自家醸造ビール(友人作)とカリフォルニアワインの摂取回数が増えた私ですが、

先日は、かねてより企画していた、焼酎飲み比べを実施しました。

焼酎のお好きな人であれば、3Mという呼び名を聞かれたことがあると思います。

(3Mと聞いて、ティッカーMMMを連想された貴方、素晴らしいです^^)

名門ブランドの魔王、村尾、森伊蔵です。(入手困難ということでも有名です)

今回はこれらに、紫芋の正木を加え、4Mそろい踏みでの飲み比べをしました。

 

同時に比べると、すっきり、キリッと、ふんわりなど、それぞれ違った特徴があり、どれも素晴らしかったです。素敵な夜となりました。

食事(すき焼き)をふるまってくださったのは、かつての職場の同僚で、今は、ベンチャー投資をしたり、疾患予測のAIモデルに関するスタンフォード大学との共同研究牽引している人です。

私が外国株式運用室にて、年金・投信向けにグローバル株のアクティブ運用をしていた頃も含め、かれこれ20年以上のお付き合いとなります。
 
 
グローバル株のアクティブ運用というのは、企業の経営陣や広報の人に取材したり、投資銀行のアナリスト陣と話したり、市場全体を調査するなどして、個別銘柄を選定したうえで、リスクを一定の範囲に抑えながらリターンを狙う運用を指します。

当時のベンチマークの多くは、MSCI-KOKUSAIでした。

KOKUSAIの部分はそのまま『コクサイ』と読みます。内容としては、日本を除く先進国に上場する大・中型株約1,250銘柄程度で構成されていて、感覚として、市場の時価総額の85%程度をカバーしている感じです。

ポイントとしては、MSCIの先進国株指数から日本を除いたものだ、ということですね。

日本の年金や投信では、日本株のみを扱うファンドを設定することが多く、外国株について扱う時には、あえて日本株を除いたものを保有する方が好ましい(無駄がなく、管理しやすい)ということで、機関投資家においてはこのKOKUSAIを使うことが一般的です

今年、新NISAのスタートもあり、日本ではオルカンという言葉が広まりました。MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスです。

これは、先進国株指数に、新興国を加えた全世界株が投資対象となります。

私からすると、隔世の感でして。外国株式やグローバル株に関する資産運用の世界では、MSCIといえば、KOKUSAIを示すことが多く、それが一般的な用語だったのですが、今では、オルカンの認知が広まったせいなのか、MSCIというとむしろ『あいつわかってないな、オルカンて言えよ、素人か!』と誤解されてしまうほどです。

(僭越ながら、資産運用のプロとしてグローバル株の運用実務に携わって24年目。機関投資家における為替・債券・デリバティブのオペレーションや、時価会計、市場・リスク管理システム設計の経歴を含めると、28年目となります。今でも現役でグローバル株運用の世界に首を突っ込んでいるつもりです!)

私はカタカナ文字を何でも間でも略す風潮が苦手なため、オール・カントリーをオルカンと略すことに違和感があるといえばあるのですが、

今後は個人投資家の皆さんや報道に合わせ、オルカンという用語も使っていくようにしようと思っています。
 
 
さて、先月まで好調が持続していた米国株ですが、今月は軟調が続いています。

私が、市場全体のムードや波を感じるためにご案内することの多いCNN恐怖貪欲指数も低下していますが、これをご覧いただくと、市場はときに調整するものだ、と改めてご理解いただけると思います。

(画面、中ほどの

 
をクリックしてTimelineの方にして頂くと、1年間の推移を確認できます)

今年、金融政策の転換点を迎える公算の米国ですが、インフレVS利下げの構図を踏まえ、昨年より、株式市場は平時とは違う視点で動きがちです。

つまり、景気が良い → 利下げするとインフレがぶり返す → 利下げ見通しが後退 → 株価が下がるという循環です。

各国の政府・中央銀行のシンクタンク的な役割を果たす国際通貨基金(IMF)は、今週4月16日に、米国、および世界の成長率見通しを上方修正しています。

私はこちらに住んで、米国の状況を俯瞰してみていますが、インフレは粘着質だし、社会構造の変化の影響についても感じます。

景気が良いと株価が下がる、という構図について、最近投資を始めた投資家はやや困惑するかもしれませんが、今年は大統領選がありますし、地政学リスクは燻っていますし、市場の金利は正常ではない(短期金利が長期金利を上回る逆イールドの状況が続いている)ことを踏まえ、そういうものだ、と認識して頂くと良いと思っています。

また、いつ想定外の事象が起こるかもしれないということで、とくに、投信や現物株への投資についてなるべく含み損を抱えたくない気持ちの強い投資家や、やや短期的な(1-2か月の)目線でローリングさせつつ、コツコツとリターンを積み上げていきたい投資家には、それを実現するための『低リスク・コツコツ投資』も可能です。

これは資金効率やリスクの分散を踏まえると、個別株を前提とした方がより大きなメリットを享受しやすいので、引き続きグローバル株、特に個別銘柄に関するアンテナを高くして頂くことをお勧めしています。

なお、証券や金融を手掛けるプロの大多数が見ているテレビ東京系列『Newsモーニングサテライト』(モーサテ)のセミナー4月26日(金)20時〜開催され、私もサンフランシスコからリモート出演します

またこの他にも、(このメルマガを配信している)APJ Media社からのご連絡を普段受取っておられる方に対して、緊急・限定開催のセミナーを開催する企画が進んでいます。後日あらためて、ご案内のメールをお送りさせて頂きますので、お待ちください!

志村暢彦
    

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志村 暢彦

Oxford Club Japan チーフ・ストラテジスト 助言統括者。金融業界歴24年。業界経験としてはファンドマネージャーとしての期間が最も長い。2019年Oxford Clubチーフ・ストラテジストに就任。日ごろより、金融力は国力そのものであると考えおり、金融業界の心臓部や裏側で働き、政官財を含め、日本の金融の実態を見てきた経験をもとに、日本の金融リテラシー向上と、個人の理想的な資産形成の実現について、情報の収集と発信をしている。 著者の記事一覧 ≫

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