投資情報

企業決算と株価。経営陣が目指すものは?

 
株式市場では10 – 12月の決算発表が本格化しつつあります。

これまでのところ、終わった期(2023年10 – 12月)については、売上や利益が事前の市場予想を上回ったものの、2024年の業績については慎重(保守的)に見る、という企業が多く見られます。

2024年は米国のみならず、数十以上の国で首長選が予定されており、世界情勢がどうなっていくのか、予断を許さない状況が続いていきますので、慎重にみてもらうのは良いことですが、

これまで示していた業績予想値が引き下げられると、株価には下落圧力がかかります。

この『業績予想を保守的にしておいて、実績(発表)するときには予想を上回る』ことを目指す企業が多いのは、経営陣の報酬が業績に連動していることが多いこととも関係しています。

 

1 経営陣が業績を向上させたら、報酬をしっかりと受け取る。

2 報酬はストックオプション(一定の価格で自社株を買う権利)で付与されることも多く、株価の上昇が経営陣にとっても恩恵となる。

3 結果として、経営陣と株主の利害が一致する。

という構図があることで、米国株が日本株よりも株主フレンドリーな観点があると言うこともできるかもしれません。

一方で、短期的な(四半期ごとの)業績達成を意識するあまり、

意味が希薄に感じる自社株買い(資本を外部調達しての自社株買いなど)が行なわれたり、

企業の長期的な成長のための投資(すぐには効果があらわれにくいものの、サステナブルな企業成長にとっては大事な投資)が軽んじられるといった傾向も出る可能性があることから、

株主としては、その点も注意したうえで、株式保有していけると良いですね。

良い長期投資を行ないながら、短期的にもコツコツとビート(事前予想を上回る企業決算を発表)していく企業が安心して投資できる先、ということとなります。

株価にはしっかりと反映されるので、そういった企業の株価は往々にして同業他社よりも高い株価収益率(PER)となったりします。

(※PERについては、予想PERであっても、2年以上先の業績は織り込まないので、その観点からのメリット・デメリットがあります。機会があれば、改めてご説明したいと思います)

なので、PERは他社と比較するだけでなく、その企業の過去の推移との差・違いも見ていくことが大切と考えます。

 
株式市場では引き続き、インフレ動向への注目も高いままで、FRB高官の発言も依然として注目が高いままとなっています。

本日20日には、ミシガン大学が調査する消費者信頼感指数が発表されます。

先行きのインフレ動向を見るうえで、地区連銀や政策当局者も数値を確認しています。

同大学が発表する1年先の期待インフレ率の推移は以下のとおりで、直近ではようやく新型コロナ禍で大規模緩和政策がとられた前の状況に戻りました。

 

今年は米大統領選ということで、共和党からは『強いアメリカを目指す、アメリカを守る』といった視点で、強硬なプラン(昨年12月に出されたProject2025)をベースとした政策が示される可能性があります。

国際的な分断・対立が意識されるようになると、期待インフレ率の推移にも影響するでしょうから、そういったシナリオも踏まえつつ、個別株への投資の在り方(ポートフォリオの組み方)を検討していきたいと思っています。

志村暢彦

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志村 暢彦

Oxford Club Japan チーフ・ストラテジスト 助言統括者。金融業界歴24年。業界経験としてはファンドマネージャーとしての期間が最も長い。2019年Oxford Clubチーフ・ストラテジストに就任。日ごろより、金融力は国力そのものであると考えおり、金融業界の心臓部や裏側で働き、政官財を含め、日本の金融の実態を見てきた経験をもとに、日本の金融リテラシー向上と、個人の理想的な資産形成の実現について、情報の収集と発信をしている。 著者の記事一覧 ≫

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