投資情報

首脳会談inサンフランシスコ。懐疑の中で育つものは?

 
今週、サンフランシスコではアジア太平洋経済協力会議(APEC)が開催されています。

普段はホームレス問題が目につく市内ですが、開催中、街の中心部は綺麗になっています。

(出所:筆者撮影)

 

一方で、警備の届きにくいところでデモなども行われていて、アメリカの多様性を感じます。

APECに関連し、私は所属先(スタンフォード大学)の関係もあり、いくつかの閣僚シンポジウム・フォーラムに招待頂いています。

サンフランシスコは、市の中心的な機能を有している(サンフランシスコ連銀もある)シティと、グーグル、アップル、メタ(フェイスブック)、インテル、エヌビディアをはじめとする著名なIT企業の本社が集積するベイエリアが隣接していて、APECは基本的にシティで開催されています。

シティに本社のあるIT企業も多く存在しますが(例えば先週のメルマガで触れたウーバー・テクノロジーズの本社もシティに位置します)、ひときわ存在感の大きいのはセールスフォース (NYSE: CRM) です。

セールスフォースは、クラウドベースのCRM(Customer relationship management : 顧客管理)のシステムをはじめとして世界15万社以上にサービス提供している、同分野では世界No.1の企業であるといっても過言ではありません。

ビジネスの場でも多く利用されるSlackを開発したスラック・テクノロジーズも同社傘下です。

サンフランシスコの小さなアパートで働いていた4人の創業者によって、1999年に生み出されたセールスフォースですが、短期間で飛躍的な成長を遂げ、今では本社ビルのセールスフォース・タワーも街のシンボルの一つとなっています。

 
セールスフォースは今回のAPEC開催にも協力しておられ、日本から出席した上川外務大臣が出席したシンポジウムもセールスフォース・タワーで開催されました。(大臣の講演は英語で行われ、通訳無しで会が進行されていました!)

会場からの眺め。

(出所:筆者撮影)

余談ですが、中央右上に浮かんでみえる小さな島は、脱出不可能な監獄として有名なアルカトラズ島です。見た目では泳げそうな距離にありますが、強い寒流の関係で困難だそうです。

今は観光名所となっていますが、当時は映画ゴッドファーザーで有名なアル・カポネ氏も投獄されていましたし、監獄閉鎖後には先住民が占拠した歴史もあります。

(出所:筆者撮影)

 

話を本題に戻しまして、当地金曜には、私の所属先の主催による岸田首相と韓国の尹大統領の座談会が開催されます。(重要な気づきがあればもちろん後日レポートします!)
先端技術分野の協力やイノベーション創出に向けて、建設的な機会となると良いです。

 

さて、11月の米国株式市場は上昇しています。

政策当局を悩ませてきた高インフレについて、雇用統計や消費者物価指数(CPI)などの重要指標を受けて改善の兆しが見えたことを好感していることが背景にあります。

ただ、市場の反応は拙速すぎる面があり、米10年国債金利は大きく低下。せっかく良い感じで改善してきた逆イールド(2年国債金利が10年国債金利を上回る状態)の状況が悪化しています。

インフレを巡る状況が正常化するまでにはまだ時間を要すると見られることから、今の株式市場の回復についても、一本調子で進むというよりは、一進一退を繰り返すという前提で投資銘柄の保有割合を調整頂くと良いのではないでしょうか?

いずれにせよ、株式指数全体で見て、上がる下がるという議論をするよりも、目線を一歩先に進めて、個別株を選別的に保有するための、選別ポイントの確認や業種・銘柄特性・国の分散の実践について検討を進めた方が、将来の投資リターン向上に繋がると考えます。

イスラエル・ガザ紛争の終着点は見えませんし、来年11月5日に実施される米大統領選の行方も不透明ですが、今回のAPECに絡めて、米中首脳会談も実施され対話は継続されています。

株式市場の有名な格言の一つに『強気相場は、悲観の中に生まれ、懐疑の中に育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく』というものがあります。

景気動向や地政学リスクの継続、ハイパーグローバリゼーションの終焉懸念をはじめ、不透明要因は消えませんが、懐疑の中にいるのはむしろ健全な状態と捉えて、引き続き資産形成に取り組まれると良いのではないでしょうか?

銘柄の選別の視点については、Oxfordクラブでご案内している内容なども踏まえ、ご自身の型を構築することで、長期的な成果に繋がりやすいと考えます。

 

志村暢彦

 
追伸1

米国株を中心とした長期資産形成においては、

配当投資にフォーカスした『インカム・レター』と、

成長株にフォーカスした『キャピタル・レター』において、

グローバルな視点で銘柄アイデアをご案内しています。

 
追伸2

拙著は、個別株オプション取引を活用する視点でも記しています。米ドルでの収入を増やすことが可能となるので、円安が進むなかにおける投資戦略としても意味があると考えています。ダイヤモンドオンラインでは11月11日号に寄稿した内容も紹介されています。

 

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志村 暢彦

Oxford Club Japan チーフ・ストラテジスト 助言統括者。金融業界歴24年。業界経験としてはファンドマネージャーとしての期間が最も長い。2019年Oxford Clubチーフ・ストラテジストに就任。日ごろより、金融力は国力そのものであると考えおり、金融業界の心臓部や裏側で働き、政官財を含め、日本の金融の実態を見てきた経験をもとに、日本の金融リテラシー向上と、個人の理想的な資産形成の実現について、情報の収集と発信をしている。 著者の記事一覧 ≫

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