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日本での解禁を待つ人が多いサービス

 

7 – 9月期の決算発表が終盤に差し掛かりつつあります。11月8日までに、S&P500種構成企業のうち、およそ420社が決算を発表済みです。

7 – 9月期の決算の特徴としては、全体として、売上高が事前の市場想定を下回るケースが、通常の四半期より多いです。

(証券・資産運用業界においては、売上高のことを“トップライン”、実績が想定を下回るケースを“ミス”(Miss)すると表現します。よって売上高が事前の想定を下回った時は、“トップラインをミスした”と表現されます)

想定よりも高インフレが継続し、個人消費に影響していることなども背景として挙げられ、10月から勃発したイスラエル・ガザ紛争を受けて10 – 12月期の見通しも立ちにくい企業が増えたことも保守的な決算発表の増加に繋がっていると見られます。

そんななか、私がサンフランシスコでサービスを多用している企業の一つ、配車サービスを提供するウーバー・テクノロジーズ (NYSE: UBER) が今週決算を発表しましたが、他の多くの銘柄同様に、トップラインをミスしました。

ただ、配車サービスの取扱高や調整後の利益が事前の予想を上回ったことを好感し、決算発表後に株価は上昇しました。

ウーバーは配車サービスの先駆者で、乗客の安全面をはじめとする各種課題やドライバー・宅配人の労働問題などを乗り越え、シェアリングエコノミーの時流に乗り、配車サービス業界を切り拓いてきたと言え、同業のリフト社同様に、今後の高い収益成長が期待されています。

 

スマートフォンのアプリを使って、サービス提供する同社のサービスは、慣れるととても便利で、仕事やプライベートでのちょっとした移動が多かったり、時短も踏まえフードデリバリーを多用する愛用者が増えています。

何がそんなに便利なのかというと、

・手軽なタクシーとしてすぐ呼べる

・料金はタクシーほど高くない(需要と供給を踏まえて変動する)

・行先は事前に登録済みなので、道を説明できずとも現地に辿り着ける

・呼ぶ時点で料金が明示されているので、万一遠回りされたとしても料金は変わらない

・誰がドライバーなのか、事前に確認でき、従来の乗客の評価点も分かる

などがあげられます。

 

日本でタクシーに乗って、

・ドライバーが道を知らないうえ、自分も乗客としてうまく説明できない

・タクシーのナビの性能が悪く、最適な道が出ない

・結果的に遠回りされても泣き寝入りすることが多い

・クレジットカードでの支払いを拒否される

・車内のタバコ臭が強い

・深夜に乗車拒否にあう

といった経験をされた方であれば、ウーバーやリフトが提供する“ライドシェア”の魅力にひかれるのではないでしょうか?

 

また、都市部でもタクシーがあまり来ない土地や時間帯は多いです。

気軽に呼べ(予約もでき)、例えば子供や両親の送迎に活用する働くパパさんママさんが増える、とか、ちょっとそこまで買い物に行きやすくなる高齢者が増える、ということで需要が喚起されることが想定されますし、

気軽に収益をかせげるマイカー保有の高齢者も増え、労働機会の増加につながると想定されます。

(既存タクシーはライドシェアサービスも展開すれば良いので、相対的には、拡大する需要の恩恵を受けるのではないかと想定されます)

 

さらに、インバウンドで日本に観光にくる外国人は、当たり前に、ウーバーやリフト(アジアではグラブ、欧州ではその他アプリ)を使いこなしていますし、お世辞にも日本のタクシードライバーの方々の大半が流暢に英語で会話できる状況には無いと思いますので、

日本でも長年議論されている“ライドシェア”解禁ですが、引き続き検討が進むと良いと思っています。

実際、私ももはや、ウーバーやリフト無しの生活が考えられませんし、マレーシアや他のアジア諸国でも同様に、グラブ無しの生活が考えられません。

フードデリバリーの選択肢が増えた結果、飲食店の閉店が相次ぎ社会問題となったという議論はあまり耳にしないので、配車サービスも同様に、社会のニーズの変化を捉えることで、成長産業として認知されるなど、前向きなポイントに着目があたると良いですね。

 

もともとウーバーは、宇宙開発やバイオ産業、半導体産業のように、巨額投資によって開発がすすめられるような先進技術をもとにサービス設計されていませんでした。

乱暴にいえば、スマートフォンの“位置情報アプリ”と“販売マッチング的なアプリ”のサービスが、“かけ合わされた”だけ。

(もちろん、裏ではその普及に向けて血のにじむ努力がなされたわけですが、技術面では既存のものを活用したといえます)

生成AIや難病治療などに向けて先進技術の開発は続きますが、イノベーションはふとした着眼点からも生まれますし、それによって救われる人は多く、社会課題の解決にも繋がります。

 

この“かけあわせ”型のイノベーション創出は今後も多く出てくるでしょうし、私自身もアンテナ高く、社会や企業の動向に注目をしていきたいと思っています。

なお、今後の個人の資産形成の実践においても、“かけ合わせ”の視点がより一層重要になってくると考えています。

何のかけ合わせかといいますと、“銘柄” × “投資手法”です。

格差が進む現代社会においては、インデックスに投資するよりも、勝ち組企業を個別に選別していくと良いと考えますし、

投資手法についても、従来行っていた現物株への投資だけでなく、“リスクを低減しつつリターンを着実にあげていくためのデリバティブ取引”を知っておいて損はないと考えます。

投資手法については、現在発売されている最新号の週刊ダイヤモンド誌でも取り上げて頂いた「オプション取引」が日本でも本格始動!あなたにもできる“万能”投資術』の内容が一例として挙げられますが、それだけにとどまらず、投資の目的や資金量、経験などによってもっと幅を出していくことが可能です。

銘柄の選別の視点については、Oxfordクラブでご案内している内容なども踏まえ、ご自身の型を構築していただければ長期的な成果に繋がりやすいと考えます。

 

志村暢彦

 
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志村 暢彦

Oxford Club Japan チーフ・ストラテジスト 助言統括者。金融業界歴24年。業界経験としてはファンドマネージャーとしての期間が最も長い。2019年Oxford Clubチーフ・ストラテジストに就任。日ごろより、金融力は国力そのものであると考えおり、金融業界の心臓部や裏側で働き、政官財を含め、日本の金融の実態を見てきた経験をもとに、日本の金融リテラシー向上と、個人の理想的な資産形成の実現について、情報の収集と発信をしている。 著者の記事一覧 ≫

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