投資情報

構造変化する世界経済。個別銘柄への投資は?

 

今週末は、いよいよジャクソンホール会議(世界の中央銀行首脳が集まる経済シンポジウム)。

今後の見通しを方向付けるかもしれない重要イベントで特に、パウエル議長の講演に世界の注目が集まっています。

経済・金融を扱うテレビ番組のトップの一つ、テレビ東京系列『モーサテ』でも、目下、ジャクソンホールの展望について多く取り上げています。

私自身も今週火曜(8月22日)に番組と放送終了後のオンラインプログラム『プレミアム』に出演した際にジャクソンホール会議後の米国株の展望についてお話してきました。

今年のジャクソンホール会議のテーマは、『世界経済の構造変化』(Structural Shifts in the Global Economy)ということでインフレ環境やグローバリゼーションの状況を含め、これまでと異なる構造が定着するなかで何を是認して、何を是正するのか、投資家の視点で捉える機会となります。

米中の分断は進んでいますし、ロシア・ウクライナ問題に多くの兵士を送り込み、その後の反乱が話題となったワグネルの創設者の飛行機が墜落するというショッキングな事件も起きています。脱炭素化の流れは続き『グリーンフレーション』という概念もさらに浸透しています。

ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカで構成されるBRICSはその勢力を拡大するため、サウジやエジプト、イランなどを加えるという報道もなされています。

(2001年ごろ、BRICsという概念が大手投資銀行ゴールドマンサックスによって提唱されたときには南アフリカは入っていなかったのですが、いつのまにか小文字のsが大文字になって5か国構成になっていました)

ローバリゼーションやサプライチェーンの新潮流となるのか、また不動産不況が懸念される中国が緩和政策に踏み切りBRICSへの影響が大きくなるのか、今後も着目していきたいと思っています。

 

火曜日のモーサテではGARP戦略配当貴族指数についてもお話させて頂きました。

GARPは、Growth at Reasonable Priceの頭文字をとった造語で『グロース投資とバリュー投資の長所を取り入れた投資』に関する戦略の一つです。

PEGレシオといって、予想株価収益率(予想PER)を予想成長率で割って算出する値をもちいて活用されることも多いGARPですが、今回はグロース株を中心に上昇した7月までの相場付きに変化が見られ、とはいえ業績相場入りするまでにはもう少し宿題が残っている(インフレや金融政策の状況が不確かな状態の)なか、GARPを踏まえつつ、世界経済の構造変化からの恩恵を受けやすい企業を選別すると良いという見立てに基づいて発想しました。

配当貴族指数というのは、25年以上連続で増配する『配当貴族企業』で構成するS&P社による指数のことですが、この配当貴族の概念を踏まえて長年にわたって連続増配する企業のなかで10-12月期や来年の予想成長率が高い企業について、いくつかご紹介してきました。

なお、配当貴族指数とS&P500種株価指数の価格を比較すると以下のようになります。

(グロースからバリューへの動きとなるのか、またその中で注目すべき個別株は?という視点でご紹介したものです)
 

日配当貴族指数とS&P500種株価指数の価格を比較
出所:S&P、Bloombergのデータを基にOxfordクラブ作成

 

番組などで取り上げた銘柄は、Oxfordクラブでご案内しているような配当関連銘柄を主軸とする10-11-12戦略や、グロース株を選別する中で付加価値(アルファ)を期待できる企業を選別する戦略にフィットする内容といえるので、日頃、Oxford インカム・レターOxford キャピタル・レターをご愛読されている方には馴染みがある概念と言えるのではないでしょうか?

今の株式市場は指数だけを見て上だ下だと予想してインデックス投資するよりも一段下げて業種(セクター)ごとの価格推移や特徴、動向を踏まえたうえで、個別銘柄に落とし込んで投資していくと株価の上下を捉える確率が上がりやすい環境下にあるのではないかと考えます。

米国債の金利動向は比較的シンプルで、長期的には逆イールド(短期金利が長期金利を上回っている状況)が解消される方向に向かっていくと見られますし、長期的なインフレ目標である2%に到達するには大分時間を要すると見られます。

また、BRICSの動きを見てもハイパーグローバリゼーションは過去のものとして捉えた方が現実的と思えます。高いインフレ率を是認する環境になった時のことを想定して、長期の資産形成に反映できると良いですよね。

私は日本が好きですし、将来に希望を持てる国になったら良いと心の底から願っていますが、投資戦略については、希望・願望だけでは語らず、世界に目を向け、成長を継続する領域(銘柄群)に資金を多く配分した方が合理的であると感じます。

日本における個人投資家のグローバル株式への投資環境はどんどん充実しています。

証券会社のサービスもかつてとは比べものにならないほど進化しましたし、昨日は、ある大手ネット証券の重鎮と個別株オプション取引の取扱いについて話をしてきました。(活用についてご説明してきました。進むと良いと思っています。)

Oxfordクラブでは既に、個別株オプション取引を活用し、市場が下がっても利益を上げていく投資手法に取り組む方々が沢山います。そういった方々をはじめとして、皆様に有益な情報をお届けしていきたいです。

9月からはスタンフォード大学 客員研究員としての活動もスタートし、イノベーション・技術革新はもとより行動心理学・医学領域の最新動向を踏まえ、個人投資家の投資にどう反映すると良いのか、研究に着手します。

引き続きよろしくお願いします!

志村暢彦

 

・追伸1

米国株を中心とした長期資産形成においては、配当投資にフォーカスしたOxford インカム・レター
成長株にフォーカスしたOxford キャピタル・レターにおいて、グローバルな視点で銘柄アイデアをご案内しています。

・追伸2

拙著では米国の利下げ環境も見据えたうえで、ベア相場でも活用できる投資の概念についてご説明しています。BRICSの台頭や米国のみならずグローバル企業を選別する視点で記しています。

文字を見るのが辛い方には、audibleオーディオブックのご用意もあります。
 

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志村 暢彦

Oxford Club Japan チーフ・ストラテジスト 助言統括者。金融業界歴24年。業界経験としてはファンドマネージャーとしての期間が最も長い。2019年Oxford Clubチーフ・ストラテジストに就任。日ごろより、金融力は国力そのものであると考えおり、金融業界の心臓部や裏側で働き、政官財を含め、日本の金融の実態を見てきた経験をもとに、日本の金融リテラシー向上と、個人の理想的な資産形成の実現について、情報の収集と発信をしている。 著者の記事一覧 ≫

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