投資情報

上がっても下がっても 利益を狙う投資法(後編)

3月3日です。

ひな祭りですねー、と同僚と話したところ、『ちらし寿司』ですね、という返答がありました!

調べて初めて知ったのですが、どうやら、3月3日はちらし寿司の日でもあるそうで。

五目やばらなど、ちらしの種類はいくつかありますが、コンセプトは一緒で、様々なネタを一つの器に混ぜて食す、ということ。幕の内弁当的な発想といい、日本人は狭いところにうまく配分し、華やかにするのが得意ですよね。芸術の域です。

この“ちらしの粋”みたいな発想は、資産形成における投資銘柄の分散(ポートフォリオの概念)にも通ずるところがあるのではないか、と思います。

(余談ですが、弁当は“Bento”というメニューとして英語化されている側面があり、アジア圏や欧米のフードコートでもBentoというメニューを見かけることが多いです。Mangaにならぶ日本発の文化ですね)

さて、株式市場は2月を終えました。

S&P500種株価指数は、1月にプラス6.2%と上昇し、2月はマイナス2.6%と下落。

1月は市場参加者による金利想定が楽観に傾き、2月は悲観に傾いたことが背景にあります。

根っこの問題はインフレ関連指標。労働者不足で、消費者物価指数(CPI)のサービスインフレが高止まりしているとか、個人消費支出(PCE)デフレーターが事前の想定を上回ったということが起因しています。

が、今年から投票権を持つようになった連邦公開市場委員会(FOMC)のメンバーによる政策金利予想(ドットプロット)が3月会合で示される頃には、

楽観でも悲観でもない、適温予想になっているという想定がメインシナリオで良いのではないかと考えています。

過度なタカ派(金利引き上げに積極的な姿勢)は、米国経済を必要以上に減速させてしまう(オーバーキルの)可能性がある一方で、『金利引き締め=即、根っこの労働需給が緩和する』とは繋がりにくい側面があります。

つまり、トータルで見てインフレ対策としての安易な利上げは最適な解決策ではないというエコノミストの意見には耳を傾ける価値があると思っています。

現在は、昨年来行ってきた異例の金融引き締め政策の効果を確認するフェーズにあり、その効果が表れるか否かの答えを出すには時期尚早でしょうし、

市場が今年いっぱいは利下げが無い(金利が高止まりする)と織り込んだ点は、むしろ長期的な株式投資においては健全な状況に見えます。

株式市場はまだまだ乱気流の中といいますか、いずれにせよ利上げは年央まで続くとみられるなかで、

今のうちに、将来の株価成長を期待できるような銘柄群をピックアップし、割安に推移していると感じるタイミングを見計らい、

『今だ!』 と思うタイミングですぐに入れる準備をしていただくことをお勧めします!

 

将来の株価成長を期待できる銘柄群の条件として、

  • 株価の推移(下落してきた)
  • 景気後退の影響を受けにくい
  • 業績見通しが良い(これから引き上げられる想定ができる)

というポイントで見て、有望銘柄を判断していくと良いと考えます、というお話を

2月27日(月)のテレビ東京 Newsモーニングサテライト(通称モーサテ)と番組終了後のネット配信プログラム『プレミアム』にでさせて頂きました。

また、番組終了時には、拙著のご紹介を頂きました。ホームページでは視聴者プレゼント企画も案内されています。
本にご興味をお持ちの方は、是非ご応募を検討ください!

なお、大事なポイントなのですが、新聞やテレビでエコノミストらによる『株は下がる』という見通しを、そこかしこで目にするようになったとき、あなたはどう思いますか?

『やばい・・・売らなきゃ』でしょうか?

私が日頃やり取りさせて頂く長期投資家達は、

売らなきゃ、というよりも、『良し、買いのチャンスが訪れるぞ』という発想で、アンテナの感度が一段高められることが大半です。

というのも、弱気なベア相場は、勝ち組長期投資家たちにとって、『良い仕込み時』ともいえる側面があるから。

ウォーレン・バフェット氏も危機が訪れる度に同様の趣旨のことを言っていますし、どうせ買うものが決まっていて、いつか買うなら、大底ではなくとも、安い時に買えたらいいですよね!

なので、仮にエコノミストらが一般的なメディアで悲観的なことを言っていたとしても、決して暗いムードになって受け止めるよりも、むしろポジティブに捉えて発想するという視点があると良いのではないでしょか?

有名な格言『人の行く裏に道あり花の山』のとおりです。

また、そうなるために何ができるか、という発想で投資行動に取り組んで頂くことをお勧めしています。

 

ベア相場を良い投資タイミングと捉えることが出来れば、勝ち組長期投資家へ一歩近づきます。

そして、一定の期間(例えば2か月間など)、

『株価が下がった時に、下がった価格で安く買う』ことを約束することで、

約束が成立したと同時に『現金を受領』しつつ、

『狙った株価まで下がらなければ、株を買わない』といった取引を行うことが可能です。

世界をまたにかけて業績成長することが期待できる著名なグローバル成長企業や、

何十年も増配を継続してきたグローバル優良企業を対象として、

『一定期間内に希望する価格まで下落したら買う。今すぐ現金を受領するし、下落しなかったとしてもそれは受取ったまま』という、ニーズの合致する人にとっては、とても都合の良い取引が可能です。

日本では一般的には知られていませんが、こういった取引(『オプション取引』と言われています)は決して怪しいものではなく、米国ではいたって普通の取引形態といえます。(要は知っているかいないかだけです。例えば、東証のページでも同様の概念について紹介されています)

この手法であれば、株式市場が下落していても、現金を受領しリターンを上げることが可能です。

また、すでに100株単位で保有している銘柄があれば、その銘柄が、一定期間(例えば2カ月程度)、今よりも10%~20%程度上昇したときに、その価格で売却することを約束するかわりに、今すぐ現金を受領する(上昇しなかったとしても現金は返さないし、株は保有したまま)という取引も可能です。

長期保有目的で持っている銘柄だけれども、一本調子であがるというよりは、上昇と下落を繰り返すことが想定される、という類の銘柄の場合は、

ある程度上がったところで売り、下がったところでまた買うことが出来れば、リターンが上げやすいです。

この取引のポイントは、上昇と下落の度に現物株の売買を必ずするというのではなく、

『上がったら売る』『けれども上がらなければ売らないが、現金はしっかりもらう』

という点にあります。

株式市場は乱気流の中にいて、いつ上がるのか、いつ下がるのか、短期的には判断がつきにくい状況にありますが、そういうときを含め、有効な局面が多い戦略といえます。

『下がれば買い』 『上がれば売り』 を実践する。
けれど、それが叶わなかったとしても、返済不要の現金を即座に受領することができるので、繰り返すことで、下げ相場であっても上げ相場であっても、リターンが累積していきます。

もちろん、これらは資金に余裕を持ったうえで行うもので、実際に現物株の売買が発生することを想定し(そうなったとしても慌てないような状況で)取引すべきです。

ですが、諸々の条件がクリアされ、売りたい・買いたいのニーズと合致するのであれば、現物株の売買の収益底上げを狙うことが可能です。

案ずるより産むが易し というと言い過ぎでしょうか・・

非常にざっくりと書いてしまいましたが、当該戦略については拙著でも触れていますし、また適宜解説動画をお届けしていけたらと思っています。

もしまだご存じない方は、あくまで投資の選択肢として知っておくだけでも、損はないと思っています。

志村 暢彦

 

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志村 暢彦

Oxford Club Japan チーフ・ストラテジスト 助言統括者。金融業界歴24年。業界経験としてはファンドマネージャーとしての期間が最も長い。2019年Oxford Clubチーフ・ストラテジストに就任。日ごろより、金融力は国力そのものであると考えおり、金融業界の心臓部や裏側で働き、政官財を含め、日本の金融の実態を見てきた経験をもとに、日本の金融リテラシー向上と、個人の理想的な資産形成の実現について、情報の収集と発信をしている。 著者の記事一覧 ≫

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