投資情報

ラジオ出演します

4 – 6月期の決算発表が本格化しつつある米国株式市場。

市場では、「下期の成長鈍化を企業業績がしっかり織り込む必要がある」というエコノミストたちの意見が沢山きかれますが、

株価はその成長鈍化を織り込む形で、過度な金利引き上げを懸念する声が後退し、結果として、ショートカバー(空売りの買戻し)が優勢な展開となっています。

個人投資家による取引高も増えているようで、少しずつリスク選好的な投資が増えている感覚を受けています。

先月、テレビ東京系列で、銀行・証券をはじめとする金融市場関係の視聴者もとても多い「モーサテ」に出演した際に、

「市場が織り込むという視点にたつと、インフレへの対応はいよいよ最終コーナー」

「フォーモ(FOMO:Fear of Missed Opportunity=機会損失の恐怖)といって、買い場を逃す恐怖を感じる投資家が7月8月から増えていく」という見通しについて説明しましたが、

現状ではそのような相場展開になっていると思います。

 

一般に株価は、「株価に織り込まれていない好材料」「市場に広く認識される」ようになると、大きく上昇する傾向にあります。

もし好材料があったとしても、株価に織り込み済みであれば遅いですし、

市場に広く認識されないままであれば、「自分だけの買いストーリー」となりかねません。

その意味もあり、「株価が市場(Mr. Market)の何を織り込んでいるのか」という視点が大切で、それを把握する感度をあげるためには、市場関連のニュースをみるのも一つの有効な施策となります。

テレビであれば「モーサテ」、新聞であれば「ウォールストリートジャーナル」などがあげられますが、ラジオでも金融市場の情報が取得できます。

例えば、ラジオNIKKEIさんの「おはようマーケット」などがあげられまして、私も7月26日(火)に電話出演させて頂く予定です。

 

バイデン政権のインフレ対策の一環としての、サウジアラビア訪問(皇太子と会談)による増産要請は、大きな成果なく、市場の失望を誘いました。

情報に詳しい筋からは、交渉過程での不備(武器供与制限の緩和に触れなかった点)などが指摘されています。

サウジはロシアへの配慮もあるのでしょうし、9月前の増産については含みも残っているのでしょうから、インフレ対策はこのまま進み、秋の中間選挙における争点は、インフレ対策よりも、

成長鈍化や景気後退(リセッション)への対応、止まっているインフラ法案の再考、および新たな産業育成に関するリーダーシップが争点になってくるでしょう。

支持率の低いバイデン政権に対し、共和党ではデサンティス氏を支持する声が高まっています。

大統領選を通じて、新たな産業や雇用が生み出され、成長を後押しする仕組みが構築されている点が米国の特徴なので、要注目です。

 

志村 暢彦

 

追伸
Oxfordクラブでは、配当投資にフォーカスしたインカム・レターと、成長株にフォーカスしたキャピタル・レターをご用意して、それぞれ長期目線での投資アイデアをご案内しています。マクロファンダメンタルズの状況を見据え、『米国の今』について経験豊富なストラテジストが分析した内容も掲載しています。

志村 暢彦

Oxford Club Japan チーフ・ストラテジスト 助言統括者。金融業界歴24年。業界経験としてはファンドマネージャーとしての期間が最も長い。2019年Oxford Clubチーフ・ストラテジストに就任。日ごろより、金融力は国力そのものであると考えおり、金融業界の心臓部や裏側で働き、政官財を含め、日本の金融の実態を見てきた経験をもとに、日本の金融リテラシー向上と、個人の理想的な資産形成の実現について、情報の収集と発信をしている。 著者の記事一覧 ≫

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