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待望!? この7月から可能になるサービス

突然ですが、「信用取引」という言葉を聞いたことがありますか?

ベテラン投資家の中には、

「良く知っている」 「使っている」
「過去に利益を上げた」 「むしろ損失が拡大した」

という方もおられると思います。

ただ、このメルマガでは初級投資家にも読みやすくお伝えしていきたいので、改めてご説明します。

「信用取引」をウィキペディアで調べると以下のように説明されています(抜粋)。

「金融用語の一つで、株取引において、現金や金融商品を委託保証金(いたくほしょうきん、英: margin)と呼ばれる担保として差し入れて、証券会社より借り入れて株の売買を行う投資手法のこと」

何のことか分かりにくいですよね。

簡潔に言うと、「証拠金として証券会社に預けている資金を効率的に活用するための制度で、例えば100万円預託している場合には、実際には200万円とか300万円預け入れている感覚で投資をすることができる手法」を指します。

誤解を恐れずもっと簡単にいうと、資金を有効活用したい投資家が、自身の投資判断が合っていた際に、「投資の利益を2倍3倍にすることが可能となる制度」です。
(逆の場合も然りで、もし投資判断が違っていた場合は損失が2倍3倍となり得ます。)

具体的に、実際の資金の何倍の取引が可能なのか、については、対象となる商品(例えば株式)や証券会社の種類等によって変わってきます。

 

この信用取引ですが、本来保有している以上の資金がある体裁で行われるため、通常の現物取引よりもリスクが高いものとみなされます。

よって、投資家保護の観点から、当局による規制の対象となっています。

これまで日本株については、長く提供されてきたサービスですが、近年注目を集めている外国株取引については、提供されていませんでした。

が、各所からの要望を受け、この7月から、日本の証券会社でも、「米国株の信用取引サービス」が解禁され、順次提供開始される状況になっています。

投資の裾野拡大の一例です。

あなたはこの信用取引、活用されますか?

 

もし活用される場合は、利益が現物株の2倍になるかもしれないが、損失となった場合にも2倍となるかもしれない、ということを理解しておく必要があります(証拠金率が2倍の場合)。

この「損失となった場合」への備えがポイントになってきますよね。

投資家としては、逆指値の発想を活用するなどして、「最大の損失額」を管理していくと良いと考えます。

なお、日本株と異なり米国株は個別株のオプション取引も活発に行われていて、オプション取引を活用することで、「最大の損失額」の管理が容易になります。
(オプションを購入した場合は、その購入費用を超える損失を負うことはありません

また、商品の仕組み上、価格は現物株よりも大きく動くため、利益が出るときも早いです。

取引開始にあたっては基本的な事項を理解しておく必要がありますが、一度理解してしまえば、「使える」便利な手法です。

実際、米国では多くのミレニアル世代の投資家が使いこなしており、コロナ禍でも取引高が大きく伸びました。

信用取引とオプション、どちらも初級投資家を含むすべての方にお勧めするものではありませんが、それぞれの特徴を踏まえて使い分けされると良いと思います。

そして何より、軸とすべきは、対象となる現物株そのものへの見方、投資の意思決定となります。

資産形成については、ピラミッドを形成するかの如く、まずは保守的で長期的な視点の投資をベースにどっしりと固め、そのベースのうえに、余力の範囲内で値動きの大きな取引に取り組まれることを、Oxfordクラブではお勧めしています。

良い投資を。

 

志村 暢彦

 

追伸
Oxfordクラブでは、配当投資にフォーカスしたインカム・レターと、成長株にフォーカスしたキャピタル・レターをご用意して、それぞれ長期目線での投資アイデアをご案内しています。マクロファンダメンタルズの状況を見据え、『米国の今』について経験豊富なストラテジストが分析した内容も掲載しています。

志村 暢彦

Oxford Club Japan チーフ・ストラテジスト 助言統括者。金融業界歴24年。業界経験としてはファンドマネージャーとしての期間が最も長い。2019年Oxford Clubチーフ・ストラテジストに就任。日ごろより、金融力は国力そのものであると考えおり、金融業界の心臓部や裏側で働き、政官財を含め、日本の金融の実態を見てきた経験をもとに、日本の金融リテラシー向上と、個人の理想的な資産形成の実現について、情報の収集と発信をしている。 著者の記事一覧 ≫

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