投資情報

資産所得倍増プラン

株式市場の不透明感が残り、変動幅の大きな展開が続いています。

もしあなたが、投資家としてどう行動したら良いのだろう?と経済ニュースに目をやると、

「高インフレの封じ込めがバイデン政権の『経済における最優先課題』で更なる利上げが必要だ」とか、
「企業業績予想には一段の引き下げ余地がある」といったような、

保守的なコメントが目に入ってきがちで、逆に不安が高まりやすい局面と思います。

その不安な気持ちは良く分かるつもりです。

悲観的な内容のニュースの方が人の目を引き、視聴率・購読率が上がりやすいいため、こういう地合いでは、必要以上に不安を煽る文字が飛び交いがちです。

もしあなたが、その情報の渦で不安に苛まれているとしたら、せめて必要以上の不安心理を取り除いて頂くと良いと考えますし、出来ることならそのお手伝いをしたいです。

下落している最中に買うことはリスクを取ることを意味するため、特にリスク回避的な思考の強い日本においては、それを逆手に取った(人の目につくことを最大限の目的とした)メディア発信が増えるかもしれませんが、

長期間にわたる株式投資において、下落相場は買いのタイミングというのは万国共通の理解ですし、多くの成功した投資家はそれを実践してきました。

どんな天才投資家であっても、狙って底値で買い続けることは出来ないので、途中に多少の損がでる可能性があることを覚悟しつつ、その損失以上の利益を狙うことを信じて行うのが投資であるという割り切りも、本質的には大切と考えます。

 

年金制度や人口動態の推移などを踏まえると、多くの人にとって自身による資産形成の取組みは避けては通れないものです。

そのうえで株式による資産形成の必要性が日本で叫ばれて久しい状況にありますが、依然として株式投資への取組み割合は諸外国と比べて低いままです。

そんな中、岸田首相が「インベスト・イン・岸田」と述べた講演が、先月ロンドンで行われました。

もともとはニューヨーク証券取引所(NYSE)においてスピーチしたいという希望があるなかで、
(安倍首相は2013年にNYSEで「バイ・マイ・アベノミクス」とスピーチしました)

今年はバイデン大統領が来日することに伴い岸田首相の訪米機会が無いこともあり、ロンドンのシティ(金融街)にて行われた、という背景のようです。

このスピーチを機に、当初は株価への関心が低いと言われた岸田政権が「資産所得倍増プラン」を掲げ、その実行に向けて、舵を切ったと言えるので、その意味では重要な契機になったと考えます。

株式投資について「やるべきか、やらざるべきか」ではなく、「どうやるべきか」(やらないという選択肢は徐々に限定的になっていく)という視点を持って世の中のニュースをご覧になると、新しい何かが目に留まるのではないかと考えます。

 

「資産所得倍増プラン」に向けて、岸田政権下では少額投資非課税制度(NISA)の改革などが盛り込まれるでしょうし、一方で、具体的に「米国株で」という視点は出てきにくいと思われます(日本における施策なので)。

しかし、具体的に「米国株」を中心としたグローバル株を活用して実践することが資産所得倍増の近道となってきたことは、過去の株価推移をみると分かります。

この記事の冒頭に書いたとおり、金融政策や株式市場の不透明感の強い現在ですが、「危機は進化を生んだ」として、過去の危機到来時に生まれた企業やイノベーションについて説明する情報番組も一部には存在します。

例えば、テレビ東京系列のモーニングサテライトでは、日本敗戦後の1946年にはソニーが創業され、ITバブル崩壊後の2001年にはアマゾンが黒字化、リーマンショック時以降では、2008年にエアビーアンドビー(Airbnb)が、2010年にUBERが生まれたといった内容を紹介していました。

今回のコロナショックとアフターコロナのインフレ問題を経て、新しい時代に即した企業やサービスが浸透することが期待されます。

星の王子さまを著作したサンテグジュペリの言葉 「本当に大切な物ほど目に見えない」 という言葉が頭をよぎる局面があるかもしれませんが、前を向いて取組みを継続する先に答えがあると考えます。

時代の変革に即した対応をして社会の課題を解決していく中心となるのは、リスクを取り事業運営に取り組む企業です。

私自身も、2000年以降に何度もあった経済危機を乗り越えた経験を糧にしつつも、先入観を持たずに成長余地の高い銘柄を探し、情報提供の質を高めて、あなたの資産所得倍増プランの実践のお役に立てるような努力を継続します。

良い投資を。

 

志村 暢彦
 

追伸
Oxfordクラブでは、配当投資にフォーカスしたインカム・レターと、成長株にフォーカスしたキャピタル・レターをご用意して、それぞれ長期目線での投資アイデアをご案内しています。マクロファンダメンタルズの状況を見据え、『米国の今』について経験豊富なストラテジストが分析した内容も掲載しています。

志村 暢彦

Oxford Club Japan チーフ・ストラテジスト 助言統括者。金融業界歴24年。業界経験としてはファンドマネージャーとしての期間が最も長い。2019年Oxford Clubチーフ・ストラテジストに就任。日ごろより、金融力は国力そのものであると考えおり、金融業界の心臓部や裏側で働き、政官財を含め、日本の金融の実態を見てきた経験をもとに、日本の金融リテラシー向上と、個人の理想的な資産形成の実現について、情報の収集と発信をしている。 著者の記事一覧 ≫

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