OxfordClubマガジントレンド投資投資情報

投資情報 | 市場の震源地となり続ける男


45%暴落、874%急騰


どんな時代にも、
市場を一言で揺らしてしまう人物がいます。

そして今、その存在になっているのが、
エヌビディア (Nasdaq: NVDA) のCE、 ジェンスン・フアン氏です。

出所:©︎NVIDIA Taiwan(2016)/CC-BY-2.0

 

黒いレザージャケットで登場する同CEOは、
ある一言で巨額の利益を生み、
また別の一言では、市場を混乱させてしまう力を持っています。

そして彼は、またしても市場をざわつかせました。

およそ1年前、彼は量子コンピューティングについて、
「実用化はまだ数十年先だ」
と、あっさりコメントしました。

すると、そのわずか数時間後、

  • D-ウェーブ・クオンタム (NYSE: QBTS) 
  • イオンキュー (NYSE: IONQ)
  • リゲッティ・コンピューティング (Nasdaq: RGTI)

の株価は、1日で最大45%も暴落したのです。

多くのメディアは、ここでこう書きました。

「量子株は終わった」と。

しかし、そこには決定的に見落とされた事実がありました。

実はこれらの銘柄は、
「終わった」と言われたあと、
数カ月で最大874%も上昇していたのです。

そして今、彼は再び、
市場に同じような衝撃を与えました。

しかし今回は、
量子コンピューティングではありません。


市場を揺らした一言


2026年のCESにおいて、彼はエヌビディアの次世代チップ「Rubin」について、こう明かしました。

「このチップは、超低温を必要としない水冷方式を採用しています」

すると、このたった一言で、
市場から数十億ドル規模の価値が一気に消えたのです。

 

  • キャリア・グローバル (NYSE: CARR)
  • ジョンソン・コントロールズ・インターナショナル (NYSE: JCI)
  • モーディーン・マニュファクチャリング (NYSE: MOD)
  • トレイン・テクノロジーズ (NYSE: TT)

 

これらの冷却関連株は、
昼前には大きく売り込まれました。

市場の反応は、驚くほど早いものでした。

ただ、この展開を見て、
「見たことがある」と感じた投資家も少なくありません。

まず、一言で不安が広がり、
次に、大衆が一斉に売り、
そして最後に、
冷静な一部の投資家だけが、その動きを利用する。

これが、いつものパターンです。

そして今、その流れが
また静かに始まっています。

ですが、ここで現実的な話もしておきましょう。

データセンターの冷却関連支出は、
2030年までに500億ドルを超えると予測されています。

また、Vera Rubin世代のチップが
実際に本格出荷されるのは2026年後半です。

出所:NVIDIA HP

 

もしフアン氏の言う通りの性能が実現すれば、
確かに、冷却業界にとっては
短期的な逆風になる可能性があります。

それでも正直なところ、
足元の株価の下落は、行き過ぎに見える部分もあります。

そしてもう一つ。

CESで大きな話題をさらったこのニュースの裏で、
ほとんどの投資家が見逃している、別のことがあります。

実はそれこそが、
2026年に注目すべき「本命のトレンド」なのです。


2026年の「キーワード」


今年、
一部の賢い投資家だけが静かに注目している言葉があります。それが、インファレンス(推論)。学習済みのAIモデルが、
新しい未知のデータを受け取り、
それに基づいて、
  • 予測
  • 判断
  • 応答

などを生成するプロセスのことです。

そしてウォール街の多くは、
まだこの変化に本気で目を向けていません。

しかし、業界の内部の人間は分かっています。

この変化が、
AIハードウェア業界で最初の本格的な主導権争いを
引き起こしていることを。

そしてフアン氏は、
すでに最初の手を打っています。

彼は、ほとんど知られていなかったチップ企業Groqを、
200億ドル(約3兆円)で買収しました。

※1ドル=150円換算

 

出所:日本経済新聞

 

覚えておいてください。

これは、
エヌビディアにとって過去最大規模の買収です。

しかも、わずか3か月前の評価額に対して、
およそ3倍の価格を支払っています。

このGroqという企業は、
アルファベット (Nasdaq: GOOGL) 初のTPU(AI専用チップ)を設計した人物によって
立ち上げられました。

つまり、
エヌビディアのAIと真正面から競合する発想を生んだ設計者です

では、なぜそこまでしてこの企業を手に入れたのでしょうか。

理由はシンプルです。

インファレンスは、2026年末までに
AI向けHBM(高帯域幅メモリ)の約3分の1を消費すると
見られているからです。

つまり、ここを押さえる者が、
次のトレンドだけでなく、
AI全体の流れを支配するということです。

思い出してください。

2025年、市場の主役はHBMでした。

  • サンディスク (Nasdaq: SNDK)
  • シーゲイト・テクノロジー (Nasdaq: STX)
  • ウエスタンデジタル (Nasdaq: WDC)
  • マイクロン・テクノロジー (Nasdaq: MU)

これらの銘柄は、
市場でもっとも強いパフォーマンスを見せた企業でした。

そして彼自身も、
2026年はメモリがAIの鍵になると語っています。

ただし、ここが重要です。

彼のGroq買収は、
成長のための一手ではありません。

これは、
エヌビディアという帝国を守るための行動です。

そして、その意味に市場が気づく頃には、
すでに動き終わっている可能性があります。

エヌビディアは、
単にチップを作っている企業ではありません。

市場に不安を生み、
古い前提を壊し、
新しい流れを作り出しています。

そしてそのたびに、
考えるのが早い投資家だけに、チャンスが生まれる。

混乱の中に踏み込んで、
人々が状況を理解する前に動く。

それが、いつもの構図です。


【まとめ】GPUからインファレンスへ


次の「フアン地震」は、
すでに始まっています。

そして今回は、
彼が「何を作るのか」ではなく、
「何を崩したか」が注目され、
そこに資金が集まっています。

GPUの時代から、インファレンスの時代へ。

2026年、
市場の主役が入れ替わる瞬間に、
備えが始まっているのです。

 

マシュー・カー

〜編集部〜

マシューのXアカウントはこちら

以下のQRコードから、スマートフォンで簡単にアカウントをご覧いただけます。

 

P.S.

今回の記事はいかがでしたか?

あなたの資産形成に少しでもお役立ていただければ幸いです。

Oxford クラブでは、このような記事を33万人のメールマガジン会員様に毎日無料でお届けしております。

公式サイトからでも1週間にお届けする7つの記事のうち4つはお読みいただけますが、3つはメールマガジン会員様に宛てたものとなっております。

毎日2分メールをお読みになるだけで、少しずつ米国株による資産形成のコツを身に付けていただけるでしょう。

『米国Oxford クラブのNo.1ストラテジストアレックス・グリーンが教える人生を変えるたった一つの銘柄』

20年前にアップル、アマゾン、エヌビディアを見つけ出したアレックスが選ぶ 7つの銘柄
次のマグニフィセント・セブン

→メルマガ登録で無料プレゼント

Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

関連する記事

Back to top button