投資情報 | 中国が世界の問題に変貌した理由

トランプ関税と米中貿易戦争
4月、トランプ大統領は関税を大きく引き上げました。
その標的となったのは、長年の宿敵「中国」です。
両国は、世界で最も大きな経済大国同士。
「消費」で動く米国と、「生産」で動く中国。
理論上は、完璧な組み合わせでした。
実際、長い間この関係はうまく機能しており、米国は中国からほとんどのものを供給してもらっていたのです
しかしトランプ大統領は、中国からの供給を止め、
現在、米国は中国からの輸出品に、 平均で57.6%もの関税をかけています。
しかし、これで中国の勢いが少しでも鈍ったと思うなら、
米国に頼らずに記録更新
米国がいま苦しんでいるのは、中国からの“大量流入”
むしろこれに悩まされているのは米国を除く世界各国です。
高騰する関税、そして免税制度の終了によって、
中国製品は米国の店頭から姿を消しました。
その結果、世界の工場とも呼ぶべき中国は、米国以外のあらゆる市場に目を向けたのです。
そして、少なくとも今のところ、中国は“最後に笑う者”
なぜなら、中国は1兆2,
実際、対米輸出が先月だけで33%
しかも、5か月連続で二桁減少している中でです。
過去最高の黒字化を達成できた理由は、米国の巨大市場がなくても、
世界各国での輸入急増:
- インド
8月に過去最高の125億ドル分の中国製品を輸入 - アフリカ
コンテナ輸送量が26%増加し、記録更新が目前 - 東南アジア10か国
パンデミックのピーク時を超える23%の増加を記録 - 欧州連合(EU)
先月の中国からの輸入が10%増加
- インド
しかし、中国の影響力はこれだけにとどまりません。
たとえば、中国企業PDDが運営する「Temu」は、 米国市場から中南米市場へとターゲットを移しています。
その結果、Temuでは月間アクティブユーザー数が、
しかし、この成功の裏には、大きな代償がありました…。
成功の裏に潜むリスク
中国の輸出業者たちは、 海外に向けて荷物を次々と送り出し、
しかし、良いニュースはここまでです。
というのも、いま中国の製造業企業は利益を失いつつあるのです。
すでに年初から1.7%減少しており、
さらに、習近平国家主席が掲げる「反内巻き(anti-
状況を一段と悪化させています。
「価格を下げて競争に勝つ」という“底辺への競争”の戦略が、 過剰な競争と深刻な供給過多を生み出し、 在庫をさばくためにさらなる値下げを強いられるという悪循環に陥
このままでは、
一方で海外では、各国が中国からの「止まらない製品の大量流入」に疲弊し始めています。
各国の関税対応:
- ブラジル
2024年、「ダンピング(不当廉売)」※を防ぐため、中国製品に関税を導入 - インドネシア
かつて中国からの輸入品に200%の関税を課すと警告 - メキシコ
中国に対して関税を科す可能性を示唆
※外国市場で不当に安く売って相手国の産業を追い詰める行為
これに対し、中国は「考え直したほうがいい」と警告しています。
中国は、小さな国に対して強い影響力を持っています。
実際、中国は世界の半数の国にとって最大の貿易相手国なのです。
そのため、中国からの投資が欲しい国々は、
【まとめ】中国は「世界の問題」へ
少なくとも今のところ、
中国は「世界の問題」になっていると言えるでしょう。
米国向けだった大量の製品の“新たな行き先”
そのために中国は、競合を出し抜くためなら、
マシュー・カー
〜編集部〜
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