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投資情報 | 250億ドルのトレンドがウォール街を作り変える


4年ぶりのIPOブーム到来、共通点は「暗号資産」


2021年以来となる出来事が起こりました。

そしてそれは、ウォール街で最も待ち望まれていた反発に対する残された疑念をすべて打ち消したのです。

先週、米国の投資家たちは5日間で6件の新規株式公開(IPO)がありました。

そしてその全てが1億ドル以上を調達したのです。

これは2021年11月以来のこと。

この5日間で、これらの新規上場は合計44億ドルを調達しました。

そして今年に入ってから、伝統的なIPOによる資金調達額はすでに250億ドルを超え、4年前の記録に次ぐ史上2番目の規模となっています。

しかし注意深い人なら、今年最も話題を集めたIPOのいくつかに共通点があることに気づくでしょう…

それは全て「暗号資産関連企業」であるという点です。


ブロックチェーンのウォール街進出


  • ブリッシュ(NYSE: BLSH)
  • サークル(NYSE: CRCL)
  • イートロ(NASDAQ: ETOR)
  • エクソダス・ムーブメント(NYSE: EXOD)
  • フォールド・ホールディングス(NASDAQ: FLD)
  • ギャラクシー・デジタル(NASDAQ: GLXY)

 

さらに、トランプ大統領の息子2人が手掛けたアメリカン・ビットコイン (NASDAQ: ABTC) の上場。

これは特別買収目的会社(SPAC)を通じたもので、伝統的なIPOではなく、既に上場していた会社との合併を通じたものでした。

週を追うごとに上場する企業の数は増えており、その名前のリストは、ウォール街で最も熱い2つのトレンド──暗号資産とIPO──の衝突を如実に物語っています。

そして米国時間9月11日、フィギュア・テクノロジーズ (NASDAQ: FIGR) がこの流れに加わり、ブロックチェーン関連企業のリストにさらなる存在感を示しました

同社は住宅担保ローンの発行と検証のためにプロヴェナンス・ブロックチェーンを開発。

すでにモーゲージレンダー、つまり住宅ローンを顧客に貸し出す機関のうち、上位20社のうち10社がフィギュアの技術を利用しています。

そして、2025年6月30日までの12か月間で、2024年同期比ほぼ30%増となる60億ドルのローンを成立させました。

株価は初日の取引でIPO価格を44%上回ってスタート。

しかし金曜日には、さらにもうひとつ、暗号資産関連の新しい注目企業が華々しくIPOデビューを果たしました…


ウォール街に誕生した新たな二人の伝説


ウィンクルボス兄弟は、すでに伝説的存在です。

まず、彼らは2008年にマーク・ザッカーバーグとフェイスブックとの和解で得た6,500万ドルのうち、4,500万ドルをフェイスブックの株式で受け取りました。

そうです…

彼らは、自分たちのConnectUのアイデアやコードを盗んだハーバード時代の旧友、マーク・ザッカーバーグへ投資するという決断をしたのです。

フェイスブックが上場するのはその4年後でした。

しかし上場時、ウィンクルボス兄弟の4,500万ドル分の株式は、単に2倍や3倍になっただけではなく、10倍以上に爆発的に増えたのです。

次に、彼らは常識を覆す一手に出ました。

2013年、彼らは1,100万ドルを、当時「次の大きなもの」になると見込んだビットコイン (BTC) に投じたのです。

人々は彼らを狂っていると笑い、正気を失っていると見なし、巨大な金融詐欺に引っかかった被害者だとまで言いました。

しかし「ビットコイン兄弟」は世界初の暗号資産ビリオネアとなったのです。

そして米国時間12日、彼らは自身の暗号資産企業を上場させました。

それがジェミニ・スペース・ステーション (NASDAQ: GEMI) です。

ただしこれはマイニング企業でも、ほかのデジタル資産トレジャリー企業(DAT)でもありません。

ジェミニは、ウォール街で最も名誉あるグループの一員──暗号資産取引所なのです。

規模ではコインベース・グローバル(NASDAQ:COIN)やロビンフッド・マーケッツ(NASDAQ:HOOD)には及びません。

しかし、IPOを果たした暗号資産取引所はこれで3社目となりました。

そして初日の取引では株価が14%以上上昇。

しかもその前に、IPO価格は当初の17〜19ドルから24〜26ドルに引き上げられ、最終的には28ドルで決定されたのです。

伝説的な双子にとってのもう一つの勝利であり、激動のIPO週間を締めくくるにふさわしい出来事となりました。


【まとめ】2021年以来の最大の上昇率


今年、私たちが目撃しているもうひとつの傾向があります。

そしてそれもまた、2021年以来の現象

新規上場株がシャンパンのコルクのように弾けているのです。

  • ブリッシュ — IPOで84%上昇
  • サークル — 上場初日に168.5%急騰
  • フィギュアとジェミニ — 一時二桁の上昇

2025年前半6か月間におけるIPO初日の平均上昇率は27.5%。

これは2021年に記録された29.2%にわずかに届かない程度です。

そしてこれは、2024年のIPO初日の平均上昇率のほぼ2倍にあたります。

しかしこの流れはまだ終わっていません。

米国で新たな規制の承認が下りたことで、さらなる暗号資産関連企業の上場への道が開かれました。

そして2025年の最終四半期には、まるでゴールドラッシュのようにIPOが殺到すると見込まれています。

実際、先週のような「5日間で6件」というような週が、今後さらに5回も訪れる可能性があるのです。

ですから、2025年のさらなる波乱に備えましょう…

暗号資産関連のIPOがその先頭に立つことになるのです。

 

マシュー・カー

〜編集部〜

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Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

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