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投資情報 | エヌビディアの“策略”?


量子コンピュータに寄せる期待


以下を想像してみてください。

 

      • 薬の発見が「何年」ではなく「数日」で行われる世界
      • 金融モデルが、驚くほど正確に市場の変化を予測する世界
      • 人工知能が、現在の限界を超えていく世界

これはSFではありません。

量子コンピュータにより期待できる世界なのです。

そして今、世界最大級の企業が「その時はもうすぐだ」と言って、真剣に投資を始めています。


計算された懐疑、フアン氏の180度転換


6か月前、エヌビディア (Nasdaq: NVDA) のCEO ジェンスン・フアン氏は、量子ブームコンピュータに冷や水を浴びせました。

「実用化には最低でも20年はかかる」と発言し、多くの投資家の期待を打ち砕いたのです。

その影響で、量子コンピュータ関連株は暴落。

1日で80億ドル(約1兆2,000億円)以上が吹き飛びました。

出所:Trading View

しかし今、私たちが問うべきはこれです。

「フアン氏は悲観的だったのか? それとも“策略家”だったのか?」

恐らく後者でしょう。

というのも、フアン氏の発言が変わったからです。

同氏は今、「量子コンピューティングは転換点に差し掛かっている」と発言し、エヌビディアは単なる口先ではなく、本格的なエコシステム構築に動き出しています。

量子コンピュータはまだ発展途上の技術ですが、初期投資家にはすでに大きなリターンがもたらされています。

例えば、、

      • Dウェイブ・クワンタム (NYSE: QBTS) :2022年後半から600%以上上昇
      • リゲッティ・コンピューティング (Nasdaq: RGTI) :786%上昇
      • イオンキュー (NYSE: IONQ) :1,163%のリターン、まさに「テンバガー(10倍株)」

2025年現在、ブームは一服していますが、根本的な成長ポテンシャルは依然として強力。

市場規模は現在17.9億ドルですが、2030年までに70.8億ドル、+295.5%に拡大する予測されています。

これは、政府支援、企業間提携、そして複数業界での需要増加に支えられると見られています。


エヌビディアの「見事な戦略」


では、なぜエヌビディアは見解を変えたのでしょうか?

答えは、静かに「量子の未来」へ布石を打っていたからです。

      • PsiQuantumという企業(100万量子ビットのコンピュータを2028年までに開発予定)への出資を交渉中
      • SandboxAQ(ポスト量子暗号技術)にも1億5,000万ドルの資金提供

どちらも、単なる「お試し投資」ではありません。

標準的な300mmの半導体プロセスを活用できる点が特に注目されています。

エヌビディアの狙いは、既存システムの置き換えではなく、GPU・量子・ソフトウェアを組み合わせた「ハイブリッド・スタック」の構築。

そのためにボストンに研究施設も建設中です。

つまり、フアン氏の「20年かかる」発言は、実は意図的なものだったのかもしれません。

 


【まとめ】慎重かつ魅力的な投資チャンス


量子コンピュータは、依然として不安定で複雑な分野です。

ですが、エヌビディアの動きは、注目すべき好機を示しています。

フアン氏の最初の懐疑、そして資金を本格投入した今の行動は、極めて計算された戦略に見えます。

私が学んだのは、こうような市場のキーパーソンが発言を変える時、注目する価値があるということ。

もし同氏が「量子は来る」と言うなら、私たちもその声に耳を傾けるべきかもしれません。

 

マシュー・カー

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Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

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