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【利下げサイクル】 これは株式市場上昇のサイン?

先週1月10日金曜日、米国市場は急落しました。

この下落は、ロサンゼルス山火事による数百万人の生活への打撃や保険会社(ユナイテッドヘルス事件の影響)とは何の関係もありません。

またトランプ次期大統領が、米国が引き継ぐべきだと言っている国々の数が増加していることとも何の関係もありません。

そして、2025年に米国で初の「鳥インフルエンザ」による死亡者が出るというニュースが出たこととも関係ありません

ある“良いニュース”があったことが原因です。

なぜ、良いニュースなのに株式市場が急落したのでしょうか?

それは、このニュースが“悪いニュース”でもあったからです。

 

良いニュースは悪いニュース?

12月、米国の雇用主は25万6,000人の雇用を追加しました。

これは、エコノミストの予想16万人を上回る数字です。

これにより米国の失業率は4.1%に低下し、時間給は0.3%上昇しました。

これは、一般の米国人にとっては素晴らしいニュースと言えるでしょう。

米国の完全雇用は、長い間4%に近いかそれ以下であると考えられてきました。

しかし、このニュースを受けてハイテク株は2%以上急落し、ダウ工業株30種平均とS&P500種株価指数は下落しました。

これは市場が聞きたくない“良いニュース”の典型です。

なぜなら、これは連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを停止せざるを得なくなることを意味するからです。

一般的に利下げは経済や企業にとって良い面が多いと言えます。

なぜなら、企業が銀行からお金を借り入れる際の利子が少なくて済むからです

利子が少なくて済むということはそれだけお金が借りやすくなるため、企業はお金を借りて設備投資などを増やそうとします。

それにより経済が良い方向に向かう傾向があるのです。

一方、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は米国の中央銀行は2025年の利下げをより慎重なペースで行うと主張しています。

簡単に言うと、直近では利下げをしない可能性が高くなったということです。

12月の雇用統計は非常に良好で、米国債10年物の利回りは4.8%まで上昇しました。

これは2023年以来の高水準です。

雇用が増え経済が比較的好調なことから、パウエル議長は利下げすることを踏み留まっていると言えるでしょう。

これにより1月29日に開催される次回の連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBが利下げを行う可能性はほぼなくなってしまいました。

 

市場でもFRBが今月中に利下げを行う可能性は3%以下と見られています。

また、5月までに0.25ポイントの利下げが行われる確率は33.6%にまで低下。

しかし、先週の金曜日に見られたような短期の市場価格の再評価は、あくまでもその時点での状況に過ぎないことを念頭に置いてください。

投資家は将来に目を向ける必要があります。

 

テクノロジー業界が待ち望む利下げ

9月にFRBが現在の金利引き下げサイクルを開始した際、私は投資家に対してFRBの金利決定と市場への影響をほぼ50年間にわたってまとめたチャートを公開しました。

そして、これがナスダックのハイテク株のパフォーマンスにどのような影響を与えたかをお伝えしたものです。

私が発見したことは次の通りです。

 

ナスダックは過去10回の利下げサイクルのうち7回で上昇しています。

もちろん、過去4回のうち3回は市場が暴落していますが、それは緊急事態だったためです。

ドットコムバブルの崩壊、世界金融危機、そして新型コロナウイルス感染症による米国経済の低迷です。

しかし全体的には、1980年以降の利下げサイクルにおけるハイテク株の平均上昇率は7.67%です。

さて、2024年9月18日に現在の利上げサイクルが始まって以来、ハイテク株は好調に推移しています。

*出所:Yahooファイナンス

 

しかし、まだ上昇余地があると私は考えているのです。

2023年から、私は投資家に対して、日中の値動きや日々の値動きに一喜一憂することをやめるよう強く主張し始めました。

今日の取引終了時、明日、あるいは来週や来月のナスダックの値動きに焦点を当てるべきではありません。

私たちが注目すべきは、1年後、2年後の市場がどうなっているかということです。

私たちは金利引き下げサイクルの真っ只中にいます。

これは、まだ完全に終わったわけではありません。

時折、小休止があるかもしれませんが、歴史が何を期待すべきかを教えてくれます。

乱気流はありますが、このサイクルの間、株式は概ね上昇します。

そして、それは投資家の今後の自信につながるはずです。

マシュー・カー

 

〜編集部〜

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Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

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