1兆ドルのギフトを もたらす「３か月」

私たちの農場に雪が降っています。

丘の上に位置し、なだらかな渓谷と小川が眼下に広がるこの農場は、西洋の一年で最もお祝いムードが高まる冬休みを迎えるにあたり、絵に描いたような美しい光景です。

年の最後の3か月間は、クリスマス、ハヌカ（ユダヤ教の新年のお祭り）、クワンザ（アフリカ系アメリカ人の間で祝われる行事）のお祭りで占められます。

そして、20年ぶりに、クリスマスとハヌカの初日が同じ日になります。

過去100年間で、このようなことが起こったのは4回だけでした。

すでにカレンダー上で最も重要な週が、さらに重要になるということです。

10月末のハロウィーンが終わると同時に、クリスマス装飾が施され、全米の店舗ではボビー・ピケットの「ザ・モンスター・マッシュ」がストップし、代わりにマライア・キャリーの「All I Want for Christmas is You」が繰り返し大音量で流れ始めます。

世界中の子供たちがサンタクロースの到着を心待ちにしているように、ウォール街もまた同じです。

1兆ドル近いギフト

さて、私はすでに以前ここでホリデーシーズンの消費の規模の大きさを取り上げました。

全米小売業協会（NRF）は、2024年の米国のホリデーシーズンの売上高が9,795億ドルから9,890億ドルになると予測しています。

そして、ホリデーショッピングシーズンは、11月の最後の週である感謝祭の売上高が合計で過去最高の411億ドルとなり、好調な滑り出しを見せました。

これは、推定1億9,700万人の米国人が最新のギフトの特売品を狙って財布の紐を緩めたことが要因です。

しかし、小売業者にとってさらに明るい材料となったのは、米国商務省が11月の小売売上高が0.7%増の7,246億ドルになったと発表したことです。

これは2023年と比較して3.8%の増加となります。

何よりも、今年の小売売上高にはサイバーマンデー（感謝祭翌日の月曜日で、米国最大のオンラインショッピングの日）が含まれていません。

これは、セールが12月に開催されたためです。

サイバーマンデーの売上高は、133億ドルという記録を達成しました。

つまり、サンタクロースは今シーズン、何百万もの米国の家庭に順調にプレゼントを届けているようです。

しかし、サンタクロースは毎年、投資家にも少しばかりのプレゼントを届けています。

サンタクロースラリー

クリスマスやハヌカを越えて、今週はもう一つの恒例イベントが始まります。

サンタクロースラリーです。

これは半世紀以上も前から続く市場の現象です。

現代の「シーズナル取引」の父の一人であり、『Stock Trader’s Almanac』の創刊者であるエール・ハーシュ氏は、1970年代にこの傾向を特定しました。

彼が発見したのは、12月の最後の5営業日と1月の最初の2営業日に、S&P500種株式指数が著しいパフォーマンスを達成していたことでした。

実際、この期間に米国株式指数は平均1.3%上昇し、70%以上の確率でプラスのリターンを記録しています。

過去22年間を見ると、S&P500がこの期間に下落して終わったのはわずか5回だけ。

プラスになった確率は77.3%です！

これは、全ての投資家が受け取れる贈り物と言えるでしょう。

そして、この年は多くの場合、ホリデーシーズンに多くの喜びがもたらされることを意味します。

さらに、上記のチャートから史上最悪のクリスマス・イブの取引と大恐慌以来、市場にとって最悪の12月の1つとなった2018年12月を終えるにあたり、サンタクロースラリーが功を奏したことが分かります。

確かに、その期間の利益は2018年12月の痛手を完全に相殺するには十分ではありませんでした。

しかし、2019年の足がかりとなり、米国株式は28%上昇しました。

これは今週念頭に置いておくべきことです。
 

今週は祝日により短縮された取引週となります。

米国市場はクリスマスイブの12月24日（火）午後1時に早々と閉場します。

そして12月25日（水）はクリスマス当日で、市場は完全に休場となります。

しかし、サンタクロースラリーは投資家にとって2024年を締めくくる利益をもたらしてくれるでしょう。

マシュー・カー

〜編集部〜

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