投資家はエヌビディアだけに注目すべきなのか?

アヴェンタドール
ディアブロ
フラカン
イスレロ
レヴェントン
これらは(ランボルギーニのモデルと同様に)伝説的な闘牛の名前です。
しかし、2023年と2024年には、投資家たちは自分たちの“雄牛”で大儲けしています。
人工知能(AI)です。
AIは今後10年間で世界経済に15兆7,000億ドルのインパクトを与えると予測されています。
私たちの生活全てに影響を与えるからです。
そして、すでに私たちの生活に影響を与え始めています。
AIという「2つの小さな文字」が引き金となり、2年近くにわたって強気派が走り続けてきたのです。
そしてその間、市場は形を変えてきました。
ゲーム株から市場のメガキャップへ
2019年度のエヌビディア (Nasdaq: NVDA) の年間売上高は117億2,000万ドルでした。
そして、その収益の半分以上はPCとゲーム機向けGPUによるもだったのです。
わずか5年前、同社の命運はビデオゲームと暗号資産マイニングにかかっていました。
2024年5 – 7月期、エヌビディアのゲームとPCの売上は29億ドルでしたが、これは2019年5 – 7月期の決算発表から22.9%の増加です。
しかし、四半期の総収入が300億ドルだったのを見ると、ごく一部の収益と言えるでしょう。
そして、300億ドルは同社にとって記録的な数字であり、1年前から122%の増加です。
全てはこの2つの小さな文字のおかげと言えます。
データセンター向けにAIチップを供給するエヌビディアのデータセンター部門は、四半期収益が過去5年間で3,360%増加しています。
そして今日、その事業の大部分はAIに依存しているのです。

2019年、エヌビディアは半導体業界で売上高は16位、2020年には10位でした。
しかし、現在は時価総額の大きさでは最大の半導体企業です。
1999年にIPOして以来、株価は272,754%上昇しています。
そのうち2,759%は過去5年間に上昇したものです。
同社の2.9兆ドルの価値は、第2位のチップメーカーである台湾積体電路製造【TSMC】 (NYSE: TSM) の2倍以上。
実際、エヌビディアの時価総額は、次に続く半導体企業10社の合計よりも大きいのです。
そしてこの巨大企業は現在、GPU市場の88%を支配しています。
つまり、そのライバルであるアナログ・デバイセズ (Nasdaq: ADI) 、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ (Nasdaq: AMD)、ブロードコム (Nasdaq: AVGO) 、インテル (Nasdaq: INTC)、マイクロン・テクノロジー (Nasdaq: MU) などは、その残りを奪い合うことになります。
エヌビディアは今や、同社がくしゃみをすると市場が風邪をひくほど大きな企業になりました。
ナスダック100の構成銘柄の8.16%を占め、第2位です。
また、S&P500種株価指数では第3位の構成銘柄であり、同指数の6.15%を占めています。
ウォール街はエヌビディアを虎視眈々と狙っており、その成功に夢と希望を託しているのです。
しかし、ある問題があるのも事実。
それは、半導体需要に追いつけていないことです。
ウェドブッシュ証券のアナリストは先週、投資家向けのメモに 「AI GPUの需要は、現時点ではエヌビディアの供給をはるかに上回っている」と主張しました。
エヌビディアの最新チップであるBlackwellは、設計上の欠陥による生産遅れに苦しんでいるのです。
一方、Hopperチップはまだ売れています。
そして、ハイパースケーラ*は今後2年間で、インフラを拡張するために5,000億ドルを費やすと予測されています。
これは来年のエヌビディアの売上高の2倍以上の金額です。
一方、JPモルガンによると、アマゾン (Nasdaq: AMZN)、アルファベット (Nasdaq: GOOGL)、メタ・プラットフォームズ (Nasdaq: META)、マイクロソフト (Nasdaq: MSFT)は、2024年末までにAIに1,850億ドルを費やすと予測されています。
投資家は、エヌビディアだけでその需要を満たすことができると考えていますが、間違いと言えるでしょう。
同社が支配的なプレーヤーであることに変わりはありません。
しかし、他の企業(業界リーダーに追いつこうと競争している競合他社)が市場シェアを獲得するチャンスはあります。
エヌビディアが永遠に市場の90%近くを支配することはできないでしょう。
また、今後同社がその市場シェアを維持するために値下げをし、利幅が削られることも考えられます。
あるいは、顧客はライバルの名前に目を向け始めるでしょう。
エヌビディアは、かつてないほど強気な企業です。
この5年間だけでなく、過去20年間もです。
今後ひどい転落に見舞われると信じるのは愚かなことかもしれません。
ただ、同社の熱狂的なペースの裏で地歩を固めている半導体企業が無いと考えないのも、同様に愚かなことと言えるでしょう。
マシュー・カー
〜編集部〜
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