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3人のOxford クラブ・ストラテジストが予測する大統領選挙の行方

市場は不確実性を嫌い、不確実性はボラティリティを生みます。

残念なことに、米国大統領選挙の年は不確実性とドラマに支配されるのです。

この1ヶ月間、米国人は大統領候補に関わる2つのドラマチックな出来事に直面しました。

一つは、7月13日のドナルド・トランプ前大統領暗殺未遂事件です。

もう一つは、7月21日に現職のジョー・バイデン大統領が再選を断念したこと。

さて、私は12月の時点で2024年は激動の年になることを覚悟するよ投資家に警告していました

これは選挙イヤーとしては普通のことなのです。

しかし私でさえ、これから何が起こるかを予測することはできませんでした。

そこで、私は長年の友人であり同僚でもある2人の人物と対談し、2024年のこれまでの市場について彼らの見解を聞いたのです。

 

バイデンはサプライズ無し


バイデンは、再選キャンペーンを断念した4人目の現職大統領です。

最後の2人は1968年のリンドン・ジョンソンと1952年のハリー・トルーマン。

両者とも、バイデンと同じように高齢と体調不良のために選挙戦を終えました

しかし、現大統領の決断は驚きでなかったと言えるでしょう。

Oxford クラブのチーフ・インベストメント・ストラテジストで、「Oxford キャピタル・レター」、「Oxford “CEO” アラート」、「Oxford モメンタム・アラート」の編集者であるアレクサンダー・グリーンは「彼が降板せざるを得なくなるのではないか」と予測していました。

さて、読者の中には気づいていない人もいるかもしれませんが、Oxford クラブのチーフ・インカム・ストラテジストであり、「Oxford インカム・レター」と「Oxford “Xデー” ストラテジー」の編集者であるマーク・リクテンフェルドは、1月にこの出来事を予測していたのです。

Oxfordインカム・レターの読者に向けた「2024年10大予測」の中で、彼はバイデンかトランプのどちらかが選挙前に選挙戦を中断すると書きました。

「どちらかが11月の投票に残るかもしれないが、両方がそうなるとは思わない。候補者たちは若い男性ではないし、健康上の問題は年を取れば取るほど起こるものだ」と。

バイデン陣営からの公式発表は21日日曜日に行われました。

そして、月曜日の米国市場はナスダックが1.58%上昇したのです。

しかし、マークは私に別の予測を伝えていました。

先週の引けも正確に予測していたのです。

マークは「そろそろ市場は一息つく時期だろうと」言ってきました。

「特に厄介な調整になるとは言っていない。しかし、長い間かなり好調に推移してきた。あらゆる指標で非常に買われすぎている。だから、一息ついてもまったく不思議ではない」と。

そして、先週の月曜日の上昇後、ナスダックは5.4%下落し木曜日には安値をつけました。

では、投資家は選挙当日までに何が起こると予想すべきなのでしょうか?

米連邦準備制度理事会(FRB)が9月に利下げを行う可能性は非常に高いです。

その一方で、企業収益はほぼ予想を上回っており、個人消費も好調な状況。

つまり、少なくとも米国では、良好な経済背景があるということなのです。

世界的に見ると、もう少し低迷しています。

しかし、米国では技術革新が進み、ビジネス環境も良好であるため、株式の見通しは依然として強いと言えるでしょう。

マークはもう少し慎重でこんなことを言っています。

「大統領選挙の年の第3四半期は通常、特に好調な四半期ではない。必ずしもひどい四半期というわけではない。しかし、通常は弱い四半期の一つだ。そして、アメリカでは大統領選挙の年の四半期のうちで最も弱い四半期だと思う」。

これは事実です。

インベスコQQQ ETF  (Nasdaq: QQQ)は過去6回の米大統領選のうち3回、9月に下落しています。

そして10月のQQQは過去6回の大統領選のうち5回、下落して終わっているのです。

これは選挙日が近づけば近づくほど、不安が高まるからでしょう。

だからといって、今が逃げ時というわけではありません。

 

政治とポートフォリオ


政治的な動機による投資判断は、災いをもたらす可能性があります。

私は読者に、「自分の政治的信念」に基づいてポートフォリオを運用するのは間違いだと言っています

例えば、誰もがヒラリー・クリントンが勝つと思っていた2016年にドナルド・トランプが勝ったことはいい例でしょう。

一方、政治的要因が投資チャンスを生む可能性もあるのです。

例えば、米国では銃器株は選挙の年の短期売買として人気があります。

それは銃器の扱いが政治的要因に左右されやすいからです。

民主党は規制強化を求める傾向があり、共和党は合衆国憲法修正第2条の 「武器を持つ権利 」を支持します。

だから、民主党が政権を取ると、銃株の株価は急騰する可能性が高いのです。

これは銃が取り上げられたり、入手が制限されたりすることを恐れて、銃器の販売が急増することによるものです。

実際、2012年11月6日のバラク・オバマ大統領の勝利を受けて、スターム・ルガー (NYSE: RGR) の株価は翌日5.9%急騰しました。

そして選挙日の終値から11月末までに30%上昇したのです。

2016年11月9日にはトランプ大統領の予想外の勝利を受けて、スターム・ルガーの株価は14.4%暴落しました。

その後4日間で26.2%暴落したのです。

また、どの政党がホワイトハウスを制するかによって、特定のセクターの業績が良くなることも浮き彫りになりました。

選挙後、11月に何が起こるかによって、市場が大きく左右されるのは明らかです。

例えば、トランプが勝利すると仮定すれば(トランプは現在、有力候補です)、石油業界が非常にうまくいくと予想できます。

それに、小型株と金融もそうでしょう。

2016年はまさにそうでした。

これらのセクターは非常に好調だったのです。

そして、2016年11月から2017年11月までにラッセル2000は26.8%上昇しました。

ファイナンシャル・セレクト・セクターSPDR ETF  (NYSE: XLF) は同じ期間に34.8%急騰。

エなじー・セレクト・セクターSPDR ETF (NYSE: XLE) は2016年11月だけで7.67%上昇したのです。

しかし、政治関連の投資にはブレーキをかけ、ファンダメンタルズにこだわるべきです。

選挙で誰が勝つかという予想に基づいてポートフォリオを運用するのは、まだ無理がある」とアレックスも言っています。

しかし、誰が勝とうとも、インフレ率の低下、金利の引き下げ、堅調な個人消費の継続、予想を上回る企業収益が見られると思います。

 

マシュー・カー

 

〜編集部〜

半導体大手エヌビディアのファンCEOが、

「これは自動車と同じぐらい普及する。そして、100年後にあらゆる生活の場面に登場するのはあたり前になっている」

と発言している分野。

これは、半導体でもなければ、AIでもありません。

一体、何の分野なのでしょうか?

そして、この市場の重要なイベントが本日7月24日に実施される予定なのですが…

→続きを見る

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Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

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