投資情報

“情報洪水”に溺れる投資家たち

世界は巨大なある問題に直面しています。

それは悪化の一途をたどっていくでしょう。

これは私が話をする投資家たちからよく聞く話です。

私は、彼らがこの問題についていけないことを嘆くのを聞いていました。

彼らのポートフォリオには500以上のポジションがあります。

そして、彼らはヘッジファンドなどの、プロの投資家ではなく個人投資家です。

彼らは老後のために投資をしているか、あるいはすでに引退しているはず…

しかし、彼らの “黄金時代 “と貴重な時間は、1分1秒、1銘柄ずつ奪われているのです。

彼らの日常は取引アラート、記事、調査メモに目を通し、問題を理解しようとすることに費やされています。

しかし、私はこれは本来あるべき姿ではないと思っているのです。

そのような情報全てが、あなたを「より良い」、あるいは「より多くの情報に精通した」投資家にするかどうかは議論する必要があるでしょう。

むしろ、その逆かもしれません…

 

ホースから水を飲むようなもの

1990年代、私がまだ株価をチェックするために新聞を見ていた頃、その日の見出しは「情報スーパーハイウェイ」でした。

明らかに、今日では笑ってしまうほどの時代遅れの言葉です。

今となっては、古風な未来像を揶揄して使われているに過ぎません。

しかし、当時の私たちは、この新しいデータと通信の高速経路が世界を変えると熱狂していたのです。

実際、その通りになりました。
私たちは、毎秒28キロバイトという「驚異的な」速度で、この「情報スーパーハイウェイ」を駆け抜けたのです。

今日、私たちのスマートフォンは毎秒460MB以上で動作していますが、1990年代は、1秒あたり0.028MBでした。

情報へのアクセス速度はますます速くなっているのです。

同時に、情報源も増え続けています。

1970年、未来学者のアルビン・トフラーは、著書『フューチャー・ショック』の中で「情報過多」という概念を広めました。

それは、インターネットが登場する前、そして今日のようにデータが大量に押し寄せるようになる前に書かれたものです。

実際、過去2年間で、私たちは過去5,000年の人類の歴史よりも多くのデータを作成しました。

私たちはデータに溢れた世界に生きているのです。

一方、ダニエル・レヴィティン博士のような神経科学者は、私たちの脳はまだ現代社会に対応できるように進化していないと指摘しています。

少なくとも、私たちが毎日毎秒浴びている情報の洪水には対応できていないと…

その全てを処理するのは大変ですし、ましてやその意味を理解しようとするのはより難しいでしょう。

その結果、私たちは分析麻痺に苦しむことになります。

そして、“データ・スモッグ”で窒息してしまうのです。

 

“煙”で窒息する人々

1990年代の「情報スーパーハイウェイ」時代に、「データ・スモッグ」という概念が登場しました。

ジャーナリストで作家のデビッド・シェンクが1997年にこのようなことを書きました。

「かつては希少でキャビアのように珍重されていた情報は、今では豊富にあり、ジャガイモのように当たり前のものとなっている」

そしてその結果、事実と虚構を区別することが難しくなったのです。

今日、私たちは「ポスト・トゥルース」、「フェイクニュース」、「ディープフェイク」といった言葉に惑わされています。

情報が多ければ多いほど、良いとは限らないのです。

実際、情報が多すぎることが判断を誤らせるという研究結果もあります。

銀行の融資担当者を対象にした研究によると、情報が多すぎると意思決定に時間がかかることが分かったのです。

また、倒産を予測する精度も低いといったデータが出ています。

他の研究では、情報過多のために投資家が資産配分に苦しむことが分かっています

そのため、「何をすべきかわからない」、だから「だから何もしない」といった状態になっているのです。

あるいは、自分に合っていないポートフォリオを作ってしまっています。

米国証券取引委員会でさえ、投資家の情報過多を問題視しています。

投資家は自分のニーズに合ったデータを見つけることが難しくなっているのです。

伝説の投資家の一人ピーター・リンチの有名な言葉に、「調査なしに投資をするのは、カードを見ないでスタッドポーカーをしているようなものだ」というものがあります。

問題なのは、投資先を選ぶような複雑な決断を下すとき、私たちはしばしば、より多くの情報を得る必要があると考えていることです。

しかし、実際のところ、情報が多すぎるのも少なすぎるのと同じくらい危険なのです。

多くの投資家が直面する最大のハードルは、十分な調査や情報が本当に必要なものなのか?を理解することでしょう。

データに圧倒されそうになったら、一歩引いて、信頼できる情報源に頼ることが大切かもしれませんね。

マシュー・カー

 

〜編集部〜

来月、7月中旬頃にマシューさんの新しい動画を公開予定です。

この動画では、最近エヌビディアを筆頭にAIブームが盛り上がる中で、そのAIブームを妨げる可能性がある“ある問題”について取り上げています。

そして、マシューさんはこの問題を解決する企業が7月中に絶好の投資チャンスが来ると考えているんです。

ぜひ、動画の公開を楽しみにお待ちください!

 

P.S.

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Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

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