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【集団思考のワナ】なぜ、投資家は間違うのか?

投資において最も重要な指標の1つは最も誤解され、誤用されている指標の1つです。

投資家が利用できるツールは無数にあり、それらの利用頻度はかつてないほど高まっています。

しかし、ツールの使い方を誤ると、悪い結果を生んでしまうのです。

そこで今日は、ウォール街で最も重要な指標の一つであると私が考えるものをご紹介します。

残念なことにあまりにも多くの投資家がそのデータを誤って利用し、損失を出してしまっているのです…
 

群衆の狂気


米国個人投資家協会(AAII)は毎週、投資家が今後6か月間の市場についてどのように感じているかというアンケートを実施しています。

投資家には次の3つの選択肢が与えられます。

✔︎強気:6ヵ月後の市場はさらに上昇すると考える
✔︎中立:今後6ヶ月、市場の方向性に変化はないと考える
✔︎弱気:6ヵ月後の市場は下落すると考える

AAII投資センチメント調査は、米国の投資家が最も注目し利用する指標の一つです。

なぜなら、市場の現在の感情的な部分を反映しているからです。

この3週間、私たちは信じられないほど大きな変化を目の当たりにしてきました

実際、4月24日以降、6か月後の市場見通しを強気とする投資家の割合は32.1%から40.8%に上昇。

一方、弱気な見通しを持つ投資家の割合は33.9%から23.8%に減少したのです。

素人や経験の浅い投資家なら、このデータを見て高揚感を覚えるでしょう。

しかし、AAII投資センチメント調査やCNN恐怖と貪欲指数、あるいはその他の感情に左右される指標を見るとき、ほとんどの投資家が間違えてしまいます。

これらは逆張り指標であることを理解していないからです。

米国の詩人、チャールズ・ブコウスキーはこんなことを言っています。

「群衆が行くところならどこへでも反対方向に走れ。群衆は常に間違っている」

そしてこの考えは、ウォール街のプロのトレーダー、銘柄選びの達人、経営者、そして史上最も裕福な投資家も知っておくべきことでしょう。

なぜなら、小心者はいわゆる「群れ」になりやすいからです。

彼らは一緒に集まり、「集団思考」という“偽りの考え”に安堵します。

周りの投資家のことしか見ていないため、手遅れになるまで災難や好機を見つけられないことが多いのです。

一方、投資家の大多数があることを信じているとき、賢い投資家はその反対に賭けるのです。

ウォーレン・バフェット氏もこんなことを言っています。

「他人が貪欲なときは恐れ、他人が恐れているときは貪欲であれ」

このことを念頭に置くと、AAII投資家センチメント調査を私たちはどのように捉えればいいのでしょうか?
 

強気の指標に要注意


先週の強気センチメント40.8%は、画期的な数字でした。

強気センチメントが過去の平均値である37.5%を上回ったのは、過去27週間で26回目となります。

しかし、調査結果は極端な局面で最もよく活用されことに注意しなければいけません。

どういうことか、お見せしましょう。

S&P500の52週高値は5,264.85。

これは3月28日に記録されました。

同じ週、AAII投資家センチメント調査の強気センチメントは50%でした。

では、その後どうなったでしょう?

指数は3月28日から4月18日まで4.5%以上急落したのです。

12月14日と12月21日の週にも、AAII投資家センチメント調査で50%を超える数値が出ました。

そして、S&P500種株価指数はその後、2度の急ピークに見舞われ、その後下落したのです。

注意すべきは、50%以上の数値が出るのはかなり稀だということ。

50%以上の数値が出た場合は注意が必要と言えるでしょう。

2023年1月以降、50%以上の強気相場は5回あり、そのうち4回は12月以降に発生しています。

これらは、弱気の逆張り指標でもあることを覚えておいてほしいのです。

S&P500の52週安値は4,103.78。

これは2023年10月27日に記録されています。

そして、11月2日の週、AAII投資家センチメント調査の弱気センチメントは50.28%でした。

その後の動きを見てみましょう。

S&P500種指数は2023年11月2日から2024年3月28日まで24%上昇。

それ以前の50%以上の弱気指数が出たのは、2022年12月22日の週でした。

その後6か月間の市場のパフォーマンスは以下の通りです。

S&P500は13%上昇したのです。

これらの結果を見ると、群衆の考えと市場の動きが逆になっていることが分かるでしょう。

私はこのような投資哲学を持っています。

✔︎群れを追うのではなく、群れをリードせよ
✔︎安値よりも高値で買うことを恐れよ
✔︎トレンドに逆らってはならない

もしあなたの投資アイデアがテレビ局や主流金融メディアの影響を受けているとしたら、それはもう手遅れかもしれません。

大多数の投資家が強気、あるいは弱気になっているなら、風向きが変わるのに備えるのが一番でしょう。

バフェット氏や他の投資家たちは、そうして何十億も稼いできました。

AAII投資家センチメント調査から目を離さないでください。

今日お見せしたように正しく使えば、ウォール街で最も強力な指標の一つになります。

 

マシュー・カー
 

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Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

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