トレンド投資

私が考える2024年最大のトレンドとは?

1年はとても長い。

投資家にとっては、1年が一生に思えることもあるでしょう。

その間に市場は暴落したり反発したりすることもあります。

幸運がもたらされることもあれば、失われることもあるでしょう。

ただ、私たちは、1年というのはあくまで「1年であること」を理解しなければなりません。

たとえ日々、暗い出来事が起きても、その中に存在するすべてのチャンスを認識することが大切です。

その日こそ、最高の買い物が見つかる日なのですから…

 

世界に衝撃を与えた10日間

202211月、暗号資産の世界は10日間の混乱に揺れていました。

FTXとクオンツ・トレーディング会社であるアラメダ・リサーチが破綻したのです。

CEOのサム・バンクマン・フリード氏は、かつて天才的で暗号資産の申し子と賞賛されていましたが、数十億ドル規模の詐欺計画が明るみに出たため退任しました。

この騒動によってビットコインの価格は15,599ドルまで急落。

その1年前、ビットコインは史上最高値の68,789ドルを記録していました。

*出所:ヤフーファイナンス

ビットコインに投資していた人たちは、12カ月間で77%減という痛手を負ったのです。

しかし、FTXの影響はそれだけに留まりませんでした。

この“伝染病”は、暗号資産の貸し手であるBlockFiCelsiusGenesis GlobalVoyager Digitalにも広がったのです。

これらの金融機関は、FTXAlamedaへの無担保融資が原因で、破産清算と法的手続きを受けることになりました。

そして、その4ヵ月後の2023年3月、シルバーゲート・キャピタル、シリコンバレー銀行、シグネチャー銀行が破綻。

当時、後者2行は米国史上2番目と3番目に大きな銀行破綻でした。

そして、他の金融機関の銀行取引停止によって、さらに広がることが懸念されていたのです。

こうして「2023年の地方銀行危機」が誕生しました。

*出所:Kellogg Insight

しかし、地方銀行は生き残りました。

暗号資産についても同様です。

FTXの破綻から15カ月経過しましたが、この暗号資産は再び活気を取り戻しています。

ただ、この動きが「本物なのか?」は確認する必要があるでしょう。

 

2023年の暗号資産の動き

2023年に最もパフォーマンスの良かった暗号資産はビットコインでした。

価格は16,547ドルから42,265ドルへ上昇したのです。

これは155.4%の上昇。

FTX、アラメダ・リサーチ、地方銀行の破綻後、ビットコイン価格が急落したため、この時はかつてない「買い場」だったと言えるでしょう。

ただ、暗号資産の上昇はまだ息切れしていません。

私は2024年に、ビットコインはS&P500の上昇率を3倍上回ると予想しているのです。

実際、暗号資産はすでに年初来で23%以上上昇しています。

202112月以来初めて50,000ドルの壁を突破したのです。

そして、2024年1月11日、米証券取引委員会(SEC)はビットコイン上場投資信託(ETF)の上場を承認しました。

この動きによって、機関投資家が暗号資産市場に参入する道が開かれたのです。

この10年間、彼らは暗号資産から締め出されてきました。

ただ、道が開かれた今、何百億ドルもの資金が、暗号資産市場に流れる可能性があるのです。

すでに、これらのビットコインETFは現在692,939コインを所有しています。

これは現存する全てのビットコインの3.5%にあたります。

*出所:ビジネスインサイダー

また、投資家がこれらのETFに資金を投入していることも確認されているのです。

iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)とフィデリティ・ワイズ・オリジン・ビットコインETF(FBTC)には、合わせて80億6000万ドルの資金が流入しています。

これらは1年前にはなかった需要です。

また、業界の古株であるカナダのグレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)は230億ドル以上のビットコインを保有しています。

このファンドは全ビットコインの2.2%を管理し、ニューヨーク証券取引所に上場したばかりです。

それだけではありません。

テスラ (Nasdaq: TSLA)クリーンスパーク(Nasdaq: CLSK)メルカドリブレ (Nasdaq: MELI)のような上場企業が所有するビットコインが28万枚以上保有しています。

また民間企業の中で、最大のビットコイン所有者はマイクロストラテジー(Nasdaq: MSTR)で、19万コインを所有しているのです。

民間企業全体では477000ビットコインを保有していると言われています。

また、米国、中国、ドイツ、エルサルバドルなどの国々は、50万ビットコイン以上所有していると言われているのです。

今までは個人投資や民間企業が暗号資産市場を支えてきた状態でしたが…

今後は ウォール街を中心として金融機関も参入してくることでしょう。

これは今年の暗号資産の上昇に拍車をかけることになります。

2023年、私は投資家へビットコインが25,000ドルを下回るたびに買うようおすすめしてきました。

実際、今になって暗号資産は上昇し始めています。

しかし、この上昇はまだまだこれからだと私は考えているのです。

ぜひ、このトレンドに乗ってみてはいかがでしょうか。

 

マシュー・カー

 

P.S.

〜編集部〜

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Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

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