トレンド投資

“サイバーセキュリティー”サイクル

現在、世界はデジタル化されています。

今まであった実店舗は減少してきているのです。

例えば、2023年10月、米国で家電やPCを販売するベスト・バイ(NSYE: BBY)は、
物理なメディアの販売終了を発表しました。

CDやブルーレイ、DVDが並んでいた列が2024年には姿を消すことになります。

しかし、これはデジタル化の“最初の犠牲者”に過ぎません。

2000年には米国に8,000以上の実店舗がありましたが、
現在は4,194店舗に減少しました。

この傾向は世界中で繰り返されています。

日本も例外ではありません。

例えば、日本のATMはこのように急速に減少しています。

 
クレジットカードやApple Pay、Venmo、CashApp、PayPalなどのアプリがあれば、
ATMは必要ありませんよね。

同時に、投資などあらゆる取引もアプリを通じて行われるようになりました。

投資家がブローカーへ電話を通じて株を買うことは、
過去のものとなりつつあります。

これらの変化は表面的には便利かもしれませんが、
その裏である危険が増大しているのです。

というのも私たちのデータのほとんどは今、
クラウド上で管理されています。

誰でも知れるようなデータから、機密性の高い金融情報までもです…

実際、大手コンサル会社のマッキンゼーによると、
2025年までにサイバー攻撃による被害額は
年間10兆5000億ドルを超える見込みです。

これは2015年に比べて300%の増加。

さらに、新たな“武器”が登場しました。

人工知能(AI)です。

Trustpairのレポートによると、2023年には83%の企業が
サイバー詐欺の標的になっていました。

そして、詐欺師たちはChatGPTの力を利用して
フィッシング・テキスト・メッセージを作成したり、
ウェブサイトに侵入していたのです。

AIを駆使した詐欺は急速に進化しています。

自動化され、より良く、より速く、
そしてますます効果的になっているのです。

このような脅威に備えのない企業は、
かつてないほど脆弱になっています。

そんな中、これらの攻撃から身を守るために、
企業は2028年までにサイバーセキュリティ・サービスと
ソリューションに年間2,735億ドルを費やす見込みだと言われています。

そして、ここに“あるサイクル”を組み合わせることで、
私たち投資家が利益を得られる可能性があるのです。

 

87%の確率で利益を得られる可能性

2月7日、フォーティネット(Nasdaq: FTNT) の株価が、
第4四半期決算により9.5%も急騰しました。

しかし、これは2つの重要な理由から、
驚くに値しない数値と言えるでしょう。

①サイバーセキュリティ部門の業績アップ

まず、サイバーセキュリティ企業の業績は、
ウォール街の予想を大幅に上回りました。

売上高は2桁の伸びで142億ドル。

第4四半期、フォーティネットの
セキュリティ・オペレーションの請求額は44%増加しました。

同社が開発したFortiGateにより、同社は世界最大の
ファイアウォール・ベンダー*になりました。

*ファイアウォールとはあらかじめ設定しておいたルールに従って、
通してはいけないデータを止める機能のことを指します。それを販売する企業のこと。

また、AIと機械学習を用いて40以上の製品に、
高度なサイバーセキュリティ機能を提供しています。

また、FortiSIEMとFortiSOAR製品で利用可能なFortiAIサービスにより、
ジェネレーティブAIの開発にも取り組んでいます。

将来的にはさらに多くの製品に展開される予定です。

②第4四半期の収益向上

次に、第4四半期のフォーティネット収益は、
歴史的に見ても最高のものでした。

私が日本の投資家の皆さんに情報提供をしている
Oxford “サイクル” アラートでは、

「C.A.S.H.システム」というシステムを使って、
トレンドの力を利用しています。

これは数十社の上場企業の株価の最高と最低の月を追跡し、
株を保有するのに最適な決算発表時期を特定することもできるのです。

例えば、フォーティネットの過去15回の
第4四半期決算発表を調べてみると…

フォーティネットの株価は12回上昇しています。

そして、今回の決算発表時には6.1%の上昇を記録していたのです。

 
同社は上場以来、第4四半期決算時に、
株価がマイナスになったのは過去15回中
たった2回だけでした。

つまり、約87%の確率でリターンを得るチャンスが
あったということです。

今、サイバーセキュリティの需要が高まっている中、
同社はAIの力を活用し、増大するサイバー犯罪の脅威と戦っています。

そして、お伝えした通り、
同社は過去の第4四半期決算発表時に
株価が上昇する可能性が高いのです。

⚫︎サイバーセキュリティーといった大きなトレンド
⚫︎企業が個別に持つトレンド(第4四半期決算の株価の上昇)

これらを組み合わせることで、
より大きなリターンを狙うことができるのです。

デジタル化が進む中、
私たちは大切なデータは危険にさらされています。

これらから、自分の身を守ることはもちろん大切でしょう。

ただ、同時に私たち投資家は、
ここから利益を得られる方法を見つけ、
うまく活用していきたいですね。

マシュー・カー

P.S.

〜編集部〜

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Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

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