トレンド投資

2月は“逆サイクル株”に注意?

アメリカで最も人気があるスポーツの一つ、アメリカンフットボールのビックイベントが2月11日(日)に実施されます。

スーパーボールです。

この日はアメリカ中が熱狂する日ではありますが、同時に”悪名高い”日とも言えるでしょう。

なぜなら、

・飲み過ぎ
・食べ過ぎ
・企業の広告が大量に出る

といった日でもあるからです。

しかし、これは企業、地方自治体、投資家にとってもチャンスと言える日かもしれません。

 

スーパーボールの開催は“宝くじ”の当選?

今年のスーパーボールLVIIIはネバダ州ラスベガスのアレジアント・スタジアムで開催されます。

地方自治体にとってスーパーボールの開催は、「宝くじに当たるようなもの」と言ってもいいでしょう。

なぜなら、開催された場所に大きな経済効果をもたらすことになるからです。

例えば、昨年のスーパーボール(スーパーボールLVII)はアリゾナ州グレンデールのステートファーム・スタジアムで開催されました。

このとき、同州には10万人の来訪者があり、13億ドルの経済活動をもたらしたのです。

出所:アリゾナカーディナルスHP

そしてアリゾナのGDPに7億2000万ドル以上プラスの効果をもたらしました。

これは前回2015年のスーパーボール開催時に比べて40%の増加です。

しかし、これは州単位の経済効果にすぎません。

スーパーボールは全米で放映されるイベントであり、スーパーボールLVIIは全米の60%、約2億人が視聴しました。

出所:NFL

このようなテレビの視聴者数の増加は、テレビ広告の需要増加に繋がります。

そして、今年のスーパーボールでは、30秒のCMを流すのに700万ドル(約10億)もかかると言われているのです。

これにより、広告関連の企業が売上が伸びることになります。

それだけではありません。

多くの人たちは試合を観戦しながら、美味しいものを食べたり、飲んだりして楽しむことになります。

そのため、飲料、食品の需要が伸びることになるのです。

これにより、一見、飲料、商品関連の企業の業績が良くなりそうなのですが…

実は注意しなければいけないことがあるのです。

 

ビックイベント時の罠

スーパーボール・サンデーは11月の感謝祭に次いでアメリカで2番目に大きな食の祝日です。

試合中、4800万人のアメリカ人がテイクアウト注文をすると言われています。

そして、そのうちの60%がピザを注文するというデータも出ているのです。

そのため、ドミノ(NYSE: DPZ)やパパ・ジョンズ・インターナショナル(Nasdaq: PZZA)のようなチェーン店にとって、この日は重要な営業日となります。

そして、ほとんどの地元ピザ店は、スーパーボール期間中に売上が倍増するのです。

これだけ見ると、2月はピザ企業の株価が上昇するかのように見えますが、ここで注意が必要です。

これを見てください。

これは、パパ・ジョンズ・インターナショナルの2002年から2023年における2月の株価上昇率を表した図。

これを見ると、2月に株価がプラスに上昇したのは過去12年で3回だけ。

また、ドミノ・ピザは過去5年間のうち4年間、2月は株価がマイナスになっていたのです。

つまり、ピザは食べられていますが、それが株価上昇につながっていないということ。

そして、ピザだけではありません。

アメリカ人はこの試合中に1億ポンド以上の手羽先を消費すると言われています。

今年は14億5000万本の手羽先が消費される見込みがあるのです。

これを見ると、手羽先を販売するウイングストップ(Nasdaq: WING)株にとっても2月はチャンスの月と言えるかもしれません。

しかし、これを見てください。

これを見ると、2006年から2023年の過去8年間で2月に株価が上昇したのは2回だけだったのです。

また、飲み物はどうでしょうか?

例えば、ピザや手羽先に良く合うビール。

アメリカ人はスーパーボールのお祭り期間中、13億ドル分のビールを消費すると言われています。

最も人気のあるビールは、アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABI)のバドライトとバドワイザー。

コンステレーション・ブランズ(NYSE: STZ)のコロナ、ボストンビール(NYSE: SAM)のサムアル・アダムスといったビールです。

この中でボストンビールは、スーパーボールの翌週に第4四半期決算を発表します。

そして、過去決算後の株価の動きを見てみると…

この通り、2009年以来、第4四半期決算後に株価がプラスに上昇したのは、たったの2回だけだったのです。

このように、あるイベントが実施されるときには、飲料や食べ物が多く消費されますが、それが必ずしも株価にプラスの効果をもたらすわけではないということですね。

季節性、サイクルを利用した投資は、一定の時期に株価が上昇する銘柄を見つけ出すヒントになります。

ただ、今日ご紹介した事例のように、毎年実施されるイベント時に必ずしも株価がプラスに働くとは限らないのです。

そのため、表面的な部分だけ見て、季節性やサイクルを判断するのではなく、

・イベントが実施された時の売上はどうだったのか?
・それに伴って過去、株価は上昇していたのか?

といった部分を見ていくことが大切ですね。

マシュー・カー

P.S.

〜編集部〜

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Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

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