トレンド投資

【3つのワナ】これを知らずに投資をすると…

「市場は常に正しい」

これは株式市場における格言です。

市場は予想外の動きをすることがありますが、
これは市場が間違った動きをしているのではなく、
投資家の判断が間違っているというもの。

実際、それを裏付けるように、
平均的な投資家たちの投資成績は、
主要なインデックス指標*を上回ることがほとんどできていません。

*S&P500種株価指数やダウ工業株30種といった、
市場の動きの指標とされることが多い指数。

むしろ、ついていくのがやっとであったり、
大幅に下回っているのです。

例えば、平均的な投資家の成績とS&P500種株価指数を比較したものが、
次のグラフです。

年数経過で見る投資家の成績

このように、S&P500種株価指数のパフォーマンスが
一般的な投資家を上回っていることがわかります。

なぜ、平均的な投資家たちの成績は振るわないのでしょうか?

それは、
手数料や税金が高すぎるから…ではなく、
リターンを得るための情報が不足しているから…でもなく、
もちろん市場が不正に操作されているから…でもありません。

原因は投資家自身にあるのです。

 

投資家のリターンを妨げる3つの原因


平均的な投資家の成績不振の原因は、
次の3つに分類できます。

投資家の成績不振の理由

まず、円グラフ左側の2つからお話しします。

1.投資に利用可能な資金がない

十分な投資資金がないことが、
成績不振の理由の4分の1を占めています。

しかしこれはただの「言い訳」である場合が多いです。

もちろん、長期的に投資をしていく中で、
ずっと不十分な資金のままでは、上手くいかないでしょう。

そして、資金不足を根本的に改善しようとしない場合、
一気に資金を増やそうと、
短期的でリスクの高い取引にのめり込んでしまうかもしれません。

すると、損をしてさらに資金を減らしてしまう場合すらあります。

では、そもそもなぜ資金が不十分なのでしょうか?

多くの場合、出費が多すぎることがその理由です。
つまり、生活水準が収入に合っていないのです。

ですので、まずは自分に合った適切な生活水準を保つ必要があります。

他人が何をしているのかを気にせず、
必要以上の出費を抑えましょう。

そして、小額からでも、
投資を少しずつ長期的視点で取り組めば、
投資資金を徐々に増やすことを狙えます。

2.資金を他の目的に使う必要がある

こちらも平均的な投資家が
成績不振に陥る原因の4分の1を占めています。

これは
「他に使うかもしれない資金で投資をしてしまっている」
ということです。

例えば、
・子どもの教育費
・家具家電の買い替え資金
・引っ越しの費用
などが挙げられるでしょう。

このような必要資金を投資に回した結果、
短期間でその資金が必要となるタイミングが来てしまい、
急いで株を売り、資金を取り戻します。

そうすると、

・株価が下がっているタイミングで買い増すチャンスを逃す
・短期で銘柄を手放すことで今後得られたかもしれないリターンを逃す
・必要以上に手数料や税金を払うことになる
といったことになりかねません。

そのために、
「今後1年以内に必要な資金を投資に使わないこと」が大切でしょう。

3.心理的要因

心理的要因は、
平均的な投資家が成績不振に陥る原因の半分を占めています。

なぜこれほどまで大きな影響を及ぼすのでしょうか?

それは人間である以上、避けては通れない、
心理学的なものだからです。

その1つは損失回避性。

人は複数の条件を提示された時、
「損をする」と感じる方を避ける傾向があるというもの。

例えば、
「1万円を無条件でもらえる」
「2万円を50%の確率でもらえる」
という条件を提示された場合を考えてみましょう。

どちらも、「お金をもらえるか?もらえないか?」という内容のため、
現在の所持金が減ることはありません。
つまり、損はしないはずです。

しかし、
「2万円を50%の確率でもらえる」場合は
50%の確率で「お金をもらえない」=「損をする」
と考えて、これを避ける、

もしくは
「1万円を無条件でもらえる」機会を逃すことを
「損」と捉えることから、
1つ目の「1万円を無条件でもらえる」を選ぶ傾向にあるのです。

これは株式投資において、
主に「損切り」のタイミングに悪影響を与えます。

なぜなら、損切りは購入した株価より低い株価で銘柄を売ります。

つまり、確実に「損」をしてしまうため、
損切りをするべきタイミングでも、それをためらってしまいます。

そして、結果としてより株価が下落したタイミングで、
耐えきれずに損切りをし、
大きく資産を減らしてしまいます。

あるいは、上がる見込みのない銘柄を
低い株価で塩漬けにしてしまったりするのです。

もう1つの心理的要因が、群集心理です。

投資の場合、これはパニック売りをしたり、
上昇する株価を追いかけたりする行動のことを指します。

これは投資家が陥りやすい
「高値で買って、安値で売る」
という非合理的な失敗に繋がります。

そして、
「損失回避性」と「群衆心理」
この2つが、投資家が市場平均より下回る成績しか出せない、
主な心理的要因なのです。

そして、これらは投資家の心理サイクルを作り出します。

投資家の心理サイクル

この図は株価の上下と、投資家の心理状態を表したもの。

これをみると、
投資家が「強い高揚感」を抱いているときは、
「最大の投資リスク」が生じているタイミングです。

また、投資家が「落胆」や「絶望」を感じているときは、
「最大の投資機会」が訪れています。

つまり、投資のチャンスや投資をするべきではないタイミングと
投資家の心理状態がかけ離れていることがわかります。

こうして、投資家は失敗をし、
市場平均に負けてしまうのです。

ですから、投資をする際には、
この図を忘れないでください。

これは、心理的要因によって、
投資を失敗してしまうことを防ぐ助けになるでしょう。

マシュー

 

~編集部コメント~

投資家の心理サイクルをはじめとした、

「投資家が失敗する3つの理由」
を理解したあなたは、投資を始める準備ができたと言えるでしょう。

では、具体的にどのように投資をするといいのか?

おすすめなのは配当金で資産形成を狙う
「配当投資」です。

配当を出す銘柄を持ってさえいれば、
配当金を定期的にもらえますから、
基本的には、一度買ったら持ったままです。

つまり、定期的な配当収入があり、
株価を頻繁に気にする必要が少ないのです。

ですから、
株価が下がり焦って売ってしまう…

といったことも避けることができるかもしれません。
そんな配当投資で、
あなたも投資への第一歩を踏み出してみませんか?

→配当投資の方法を知る

Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

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