トレンド投資

投資家が陥る”情報の罠”とは?

2022年は激動の年と言えるでしょう。

米国市場に関することだけを見ても、
株価の暴落、止まらないインフレ、金利の大幅な引き上げなど…

このような目の前で次々と起きていることを眺めていると、
この流れについていけるのか不安になるかもしれません。

では、そのような時はどうすればいいのでしょうか?

あなたは手当たり次第、経済雑誌を読み漁り、
ネット記事に目を通し、できる限り情報を手に入れるべきなのでしょうか?

私はそうは思いません。

なぜなら、時代に付いていこうと奮闘している間に、
1分・1秒とあなたの時間が失われていくからです。

そして何よりも、情報さえあれば、
今よりも投資家として成長、成功できるとは限らないのです。

 

1990年代、私たちは株の情報を新聞から得ていました。

まだインターネット黎明期であったため、
「インターネット」という言葉の目新しさによって、
見出しによくその名前が出ていたことを覚えています。

当時は、そのインターネットによるデータ通信が世界を変える
という期待が持たれていました。

しかし、当時の通信速度は毎秒28KBほど。

現代のスマートフォンが毎秒60MBですから、
当時と比べると、およそ2,142倍となっています。

これを考えると、現代の私たちは情報を得るにあたって、
新聞よりもリアルタイムに、そしてアクセスするスピードも
圧倒的に速くなっていることが改めて分かります。

つまり得られる情報量も圧倒的に多くなっているということです。

ここで考えるべきなのが「情報過多」という概念です。

これは、多すぎる情報によって、必要な情報が埋もれてしまい、
それが意思決定や情報処理に悪影響を与えるというもの。

この概念は、1970年代に書かれた、
アメリカの作家「アルビン・トフラー」の著書
「未来の衝撃」によって一般的に広まりました。

このことに関連して、神経医学博士のダニエル・リーバイティンは
「人間の脳は、近代社会に適応できるほどは進化していない」
と指摘しています。

実際、毎日秒刻みで供給される情報を理解し、
処理することは不可能でしょう。

このことに関して、ジャーナリストであり、
作家のデイビット・シェンクはこう言っています。

「かつては珍しく、キャビアのように重宝されていた情報も、
今は豊富にあり、まるでポテトのように珍しくないのものだと思われている」

そしてこのように情報量が膨大になった結果、
得られる情報が、

「信じるに値するものなのか?」
「自分に今必要なものなのか?」

を判断することが難しくなっているのです。

そして、この「情報過多」という概念は当然、
投資にも当てはまります。

 

投資家の場合、情報量が多いと、
資産配分の仕方に対して混乱してしまう
傾向にあるという研究結果があります。

何をするべきかわからないので、何もできないか、
自分に適していない投資の手法を選んでしまいかねません。

実は、投資家が置かれているこのような状態を、
米国証券取引委員会(SEC)も重く受け止めていました。

2013年、SECの委員長であるメアリー・ジョー・ホワイトは、
「膨大な情報が企業の決算報告書に掲載されているため、
投資家が必要な情報を見つけにくくなっている」
と指摘しています。

しかし、投資家たちの反応は逆でした。

投資家たちは、もっと情報が欲しがっているのです。

確かに複雑な決定をするとき、
より良い判断に繋げるために必要なのは、
情報量であると感じる時はあります。

しかし、実際には
情報が多すぎることは、情報がないのと同じくらい危険だと思います。

あなたもぜひ、自分が受け取る情報の質や量について、
考えてみてください。

マシュー

 

~編集部コメント~

質が良く、量も適度な、
投資の情報はどこから得ればいいのでしょうか?

それはどんな投資の手法があなたに合っているのか?
という点でも変わってきます。

もし、あなたが
「毎日忙しくて、市場の様子をチェックしていられない…」
「頻繁に株を売り買いしたくない…」
「株価の上下を気にして、不安になりたくない…」
と思っているのなら…

「配当金」に重点を置いた投資が合っているかもしれません。

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Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

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