トレンド投資

不安定な市場では株を手放すべき?

これは同僚のレベッカの話です。

先日、彼女が叔父と投資について話していた時、
叔父が次のようなことを言いました。

「市場は乱高下が続いている。予期せぬ出来事のリスクを避けるために、
いますぐ株を手放して、利益を確定させるつもりだ」

彼女は「それは間違っている」と感じたようです。

なぜなら、市場の調整の後、株価は回復するはずだと考えているからです。

なので彼女は、
「その投資先の企業の経営が安定しているならば、
株を手放さずに持ち続けるべき」だと言いました。

では、
叔父の
「不安定な市場では、持ち株を売って利益を確定させるべき」
という主張と、

彼女の
「不安定な市場でも、すぐに株を売ることなく持ち続けるべき」
という主張、

どちらが正しいのでしょうか?

 

投資は自分がやりたいようにするべき?


実はレベッカの主張と叔父の主張、
どちらも正しいと言えます。

なぜならば、
投資をする本人の様々な事情によって、
「どの程度までリスクを許すか?」
が変わってくるからです。

例えば、「株を売るべきでない」と言うレベッカは、
まだ若い社会人です。

ですので、リスクは比較的高いものの、
成長率の高い投資を長期間行なっています。

仮に市場の調整が起きたり、
本格的な弱気相場になったとしても、
老後の資産形成にはそこまで影響がないでしょう。

例え予期せぬ出来事が起きたとしても、
道に空いた落とし穴のようなものではなく、
一時的な衝撃程度のものになると思います。

一方で、レベッカの叔父は、60代半ばで退職間近でした。

市場の下落によって、長年積み上げてきた利益が一瞬で消えてしまう可能性もありますし、
その利益を取り戻す時間が十分にあるとは言い切れません。

おそらく、彼はそのリスクを重く見ているのでしょう。

ですので、投資先は配当を安定して出す銘柄や、債券などを含んだ
リスクが低いものが望ましいのかもしれません。

つまり、どちらの場合でも、
自分が許せるリスクの度合いにあった投資スタイルを取ることができていれば、
それが正解なのです。

 

リスクを最小限に抑える方法


許せるリスクの度合いが低かったら、
ほとんど利益を狙えないような、抑え目の投資しかできないのか?
と言うわけではありません。

ありのままのリスクを受け止めるのではなく、
できる限り抑えるための方法があります。

その中で、
私がおすすめしているものの1つがトレーリングストップです。

トレーリングストップとは、
ある銘柄を購入後、直近の最高値が一定の水準を下回ったら、
自動的に売却するというもの。

これを「25%下回ったら売却する」と設定するのです。
例えばある銘柄を100ドルで買った場合。

その後、それが75ドルを下回ってしまった、
つまり25%下落した時、それは売却となります。
そうすると、損失は25ドル、つまり投資金額の4分の1で済みます。

この方法の良いところは、
「もしかしたらこの後、上がるかもしれないから売りたくない…」
といった感情に振り回されることなく、
「損切り」をでき、損失を抑えられるところにあります。

投資が「感情」に左右されると、
投資家にとって、良くない結果に繋がることが非常に多いです。

そういった「感情」を事前に定めた投資ルールによって、
排除することができると、
25%という数字以上にリスクを抑えることができると思います。

 

市場と向き合うために


リスクを恐れる気持ちはわかります。

しかし、市場から離れるのは得策ではないと思います。

どんなリスクがあるのか?
どんなリスクまでなら許せるのか?

を考えた上で、安全策を講じるべきなのです。

「雨が降るかもしれない」と言って家から出ないのではなく、
「雨が降っても大丈夫」なように、傘を持ち歩きましょう。

それがあなたの長期的な資産形成に繋がると思います。

ハイリターンを願って。

 

~編集部コメント~

トレーリングストップを利用すれば
リスクできるだけ抑えながら、
安心して長期的に資産形成ができますね。

そんな長期投資をする上で、
おすすめの投資先をこちらで紹介しています…

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Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

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