トレンド投資

私が下落局面で株を買う理由

投資家たちは必死に株式を売ろうとしています。
なぜなら、株価の下落が止まらなかったからです。

また、主要な金融メディアは、投資家に次々とネガティブな見出しを掲げて、安全な投資をするように呼びかけています。
当然のことですが、安全な投資先というものはありません。

下落は一旦落ち着いたようにも見えますが、まだ油断はできないでしょう。

しかし、このような状況の中で、相場が改善する兆しが見えてきたかもしれません。
 

周りに流されてはいけない


非営利団体 AAII(アメリカ個人投資家協会)による、
「AAIIセンチメント調査」というものがあります。

これは、会員の投資家たちに「6か月後に株価は上がるかどうか?」という質問をし、
その結果をまとめたものです。

市場が今後、「強気相場(株価の継続的な上昇局面)」になるのか?
それとも「弱気相場(株価の継続的な下落局面」になるのか?
の見通しを示すものの1つと言えるでしょう。

そして、今年4月末のこのセンチメント調査では、
なんと投資家たちの59%が「弱気」、つまり「株価は下がる」と答えたのです。

これは、1年ぶりの高水準です。

その後、「弱気」な投資家の割合は低下し、およそ50%に下がりました。

しかし、これはいまだに多くの投資家が6ヶ月後の相場は下落すると考えているということで、
これまでの調査における平均値30.5%を大きく上回っています。

次のグラフは、この「弱気」な投資家が全体に占める割合の推移を表したものです。

AAⅡセンチメント調査における弱気の割合

「弱気」な投資家の割合、つまり弱気相場の見通しは、
2022年に入ってから、既に5回も50%を超えていることがわかるでしょう。

今年の値動きを見れば、これは当然のことだと思います。

まさに投資家の多くが将来を悲観している、「極端」な状況と言えます。

しかし、過去のトレンドからみると、これは利益を得るチャンスになりうるのです。
 

その見通しは正しいのか?


「投資の神様」とも言われる、ウォーレン・バフェット氏の有名な言葉があります。

「他人が恐れているときは貪欲に、他人が貪欲なときは恐れを抱け」

これは、「安く買って高く売る」逆張り戦略のことを表しています。

そして、この言葉のように、私は常に極端な悲観論、
あるいは楽観論を「逆張り」指標として見てきました。

実際、これは過去のデータから読み取れる傾向です。

2020年3月から5月までの期間の、AAIIセンチメント調査を見てみましょう。

そうすると、12回の調査のうち、6回で50%を上回り、
残り6回はいずれもおよそ42%だったことがわかります。

つまり、投資家たちは「弱気」を予想していました。

しかし、今年、株価が乱高下するまで、S&P500種株価指数は上昇し、
史上最高値を次々と更新していました。

つまり、この予想は間違っていたと言えます。

また、2018年12月27日には、
センチメント調査における「弱気」の割合は50%を超えました。

しかし、2019年6月27日までの半年間で、
S&P500種株価指数は17.5%上昇。

そして、2013年4月11日にも、
この「弱気」の割合は50%を超えていましたが、
2013年10月11日までに、
S&P500種株価指数は6.5%上昇しました。

さらに、金融危機に見舞われていた、2009 年2月から3月の期間。

「弱気」の割合は数週間50%を超えていて、
3月5日には、過去最高の70.3%を記録しています。

ところが、その6ヵ月後、市場は41.7%上昇しました。
そして、それが史上最長の強気相場の始まりとなったのです。

このように「極端」な予想が市場に現れているとき、
その予想は外れ、逆の結果になっていることがわかります。

さて、現在の話に戻りましょう。

2月24日における「弱気」の割合は53.7%で、2020年以来の高い水準でした。

確かに現在の市場を見ると下落傾向は続いています。

しかし、過去のデータを見てみると、
このまま下がり続けるとは言えないことがわかります。
 

では今、どう投資をするべきか?


弱気相場の予想が強まったとしても、悲観する必要はありません。

群集心理に惑わされてパニックに陥いらないようにしてください。

むしろ、投資家心理が極端に落ち込んだときこそ、
格安になった優良銘柄を探すときなのです。

また、過去のデータを見てみると、
現在のように悲観的な見方が増えているときは、
今後26週間のS&P500種株価指数の上昇率の中央値は約7.1%です。

そして、その後1年間の上昇率の中央値は約17.9%となっています。

つまり、悲観的な予想通りにはならないことが多々あるということです。

このように長期的な視点を持つことを忘れないでください。
そうすれば、あなたの投資も上手くいくと信じています。

ハイリターンを願って。

 

~編集部コメント~

長期的な視点を持って、投資をすることは大切です。

例えば、株価が大きく下がったからといって、
すぐに売ってしまうようなことは避けたほうがいいでしょう。

しかし、頭では分かっていても、
株価の上下は気になってしまうかもしれませんね。

そんなあなたにおすすめなのは配当投資。

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Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

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