トレンド投資

4年に一度の投資トレンドを逃すな!

私は「トレンドは味方」という本当にシンプルな考えに基づいて行動しています。

市場で今話題のトレンドだけでなく、試行錯誤された周期的なトレンドにも注目して、私自身のキャリアと富を築いてきました。そのようなトレンドは、毎年期待できるものです。

さて、私が4年に一度のペースで見込んでいる周期的なトレンドの一つが、パンデミックの影響で遅れていました。このトレンドはこれまで、洋服からスニーカー、さらには食品といった、あらゆるジャンルの盛り上がりを後押ししてきました。

この4年に一度やってくるトレンドは世界的な大規模イベント「オリンピック」で、延期されたにもかかわらず、投資家が注目すべき新たな好機を提供しています。なので、特に今後数週間でポートフォリオに少しでも輝きを加えたいと考えている方にとっては重要です。

202億ドルのスプリント


2018年に米国最高裁判所は、1992年に制定された「プロ・アマスポーツ保護法(PASPA)」(編集部注:スポート賭博を禁止する連邦法)を違憲と判決しました。

制定以来20年以上、PASPAによってスポーツベッティングは米国全土でほぼ違法とされていましたが、PASPAが廃止されたことで、過去20年間で最大となる賭博の拡大が実現しました。

現在、25の州で商業的な賭博が行われています。また、米国人の35%が、スポーツベッティングが合法の州に住んでいます。

スポーツベッティングが合法の州分布図

合法化は、ここから急速に拡大することが予想されます。

さて、昨年は伝統的なカジノがコロナの影響で閉鎖されたため、米国のゲーミング売上総額は減少しました。しかし、スポーツベッティングは約70%増の15億3,000万ドル、オンラインゲームの売上高は198.9%増の15億5,000万ドルと急増しました。

そして、今年はさらに売上高が伸びそうです。

米国におけるスポーツベッティングとigamingの月間売上高

現時点では、モバイルおよびオンラインゲーミング(iGaming)とスポーツベッティングは、米国の商業ゲーミング売上の12.5%を占めています。

iGamingは、基本的に国内すべての司法当局が売上を上げる方法を模索していることから、注目を集めています。

2021年の最初の5ヶ月間を通して、米国のゲーミング売上は202億1,000万ドルとなり、2019年に比べて13%増加しました。さらに、25の商業ゲーミング州のうち16州では、売上が2019年を上回っており、第1四半期(1 – 3月期)のゲーミング業界の売上は過去最高を記録しました。

人気のカタリスト(編集部注:株価変動を促す材料を指します)のおかげで、スポーツベッティングの売上が急騰するのを目の当たりにすることになりそうです。

2,270億ドルのマラソン


世界のカジノとオンライン賭博市場は2,270億ドル規模です。

そして、7月23日に開幕した東京オリンピック、これから始まるパラリンピックですが、実は、お祭り騒ぎや、国や好きな選手を応援することとは別に、別のストーリーも生まれていました。それは、パンデミックや政治とは全く関係のないものです。

東京オリンピックで賭けようとしていた米国人が少なくとも2,000万人いたのです。そして、これは全ての米国成人の約8%にあたります。

そのうちの約45%がバスケットボールに、次いで34%がサッカーに賭けようとしましたが、最も重要なことは、43%がオンラインで賭けを行うということです。

これは、ドラフト・キングズ(Nasdaq: DKNG)やペン・ナショナル・ゲーミング(Nasdaq: PENN)などにとって、絶好のチャンスです。

なぜならこの2社は、iGamingの分野で最大の存在感を示しているからです。

ドラフト・キングズは、もともとファンタジースポーツ(編集部注:実際にスポーツをするのではなく、自分の好きな選手を集めて架空のオリジナルチームを作るシュミレーションゲームのこと)のプラットフォームとしてスタートしました。しかし同社は、米国のオンラインスポーツベッティング市場、特に巨大なニュージャージー州の市場で、圧倒的なシェアを獲得しています。

現在、15の州でオンラインスポーツベッティングが合法化されていて、同社はそのうちの12州に進出しています。また、別の6つの州ではiGamingが合法化されていて、同社が進出しているのはそのうちの4州です。

ペン・ナショナル・ゲーミングは、19州で41のゲーミングおよびレース施設を所有、運営、または出資しています。また、5万台以上のゲーム機、1,300台のテーブルゲーム、8,800室のホテルを所有しています。

また、コロラド州、イリノイ州、インディアナ州、アイオワ州、ミシガン州、ミシシッピ州、ペンシルバニア州、ウェストバージニア州の施設では、ライブスポーツベッティングを提供しています。

さらに2020年、ペン・ナショナル・ゲーミングはバースツール・スポーツの株式36%を1億6,300万ドルで買収し、ゲームのデジタル化面に大きな影響を与えました。ペン・ナショナル・ゲーミングは、3年間でその出資比率を50%まで高めることで、バースツールのブランドやプラットフォームを、オンラインやリテールのスポーツベッティングやiGamingに活用することも見込めるでしょう。もちろん、ペン・ナショナル・ゲーミングスの今後の業績動向は依然としてコロナ動向からの影響が想定され、社会情勢による変動要素が平時より大きくなっていますが、同業界全体が高成長の最中にあると言えます。

大きなスポーツイベント、特に世界的なスポーツイベントが開催されると、スポーツベッティングやiGamingの売上が急増するのは当然のことです。今回のオリンピックで投資家が金メダルを獲得するには、このブームに賭けるのが一番の近道と言えるかもしれません。

ハイリターンを願って。

マシュー

Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

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