トレンド投資

リチャード・ブランソン、宇宙へ… 次の投資機会は何か?

2021年7月11日、私は友人たちと歴史的瞬間について興奮気味にメッセージを送り合っていました。

その日、ヴァージン・ギャラクティック (NYSE: SPCE) の創業者のリチャード・ブランソンが宇宙へ行き、今後10年間で華々しい躍進をすると思われる業界で、また一つ大きな飛躍があったからです。

そしてこのことは、私たちが以前から触れていたことでもあります。

あなたが民間宇宙産業の今後のチャンスに対して、まだ行動を起こしていないのであれば、ブランソンの飛行はただの始まりでしかなかったと知ることになるでしょう。

 

ジェフ・ベゾスも宇宙へ。そして、チャンスがやってくる…


「イーロン・マスクが母親を宇宙へ連れて行き、生きて帰って来るまで、私は『火星』なんかへ旅行には行かないよ。私はそれでいいんだ。」

2017年4月、天体物理学者であり、冥王星を降格したニール・ドグラース・タイソンは、Redditレディット(編集部注:アメリカのニュース投稿サイト)の「なんでも聞いて」というコーナーでコメントしました。

タイソンは、プロであれ素人であれ、宇宙飛行士になることは危険を伴うと言いたかったのです。

人が地球の果てから、遥か宇宙へ旅立つには、勇気が要ります。

そんな中、この10年半で、宇宙産業は民営化されてきました。世界各国の政府は、人類を惑星に送り出すことに大金を費やせないし、したくはありません。だから、企業家たちがそれを可能にしたのです。そして私たちは、ブランソン、ジェフ・ベゾス、マスクといった億万長者の宇宙王たちが旅立つのを目にしてきました。

マスクの様に斬新な発想を持っている人たちは、太陽系に種をまくという人類を超越した夢を持っています。彼らには火星を植民地にするというSFファンタジーのような壮大な計画があるのです。

しかし、もう少し身近なところに目を向けている人もいます。

例えば、6月の終わり、ヴァージン・ギャラクティックは、米連邦航空局から民間人を宇宙に連れていく運航許可を取った初めての企業になりました。今では、正式に世界初の「航空宇宙企業」です。

現在、億万長者の宇宙王のうちの二人は、口だけでなく行動で示しています。

ブランソンの71歳の誕生日の一週間前の日曜日、同氏は自分の宇宙船で軌道に乗らない宇宙空間へ行ってきました。

続いて、アマゾン (Nasdaq: AMZN) の創業者で前最高経営責任者(CEO)のベゾスが、7月20日に同氏の企業、ブルー・オリジンのニュー・シェパードに乗り、宇宙へ旅立ちました。 

このことは、私たちが、新たな民間宇宙産業の時代に入ったことを如実に示しています。そして、宇宙旅行が全ての人(まずは、大富豪のエリートのみではありますが)にとって可能になるだけでなく、投資家が利益を得る巨大なチャンスがやってくるという大きな期待を持つことができるのです。

 

あなたは乗りますか?それとも、投資しますか?


以前、話しましたが、宇宙観光業界は2030年までに80億ドルと予測されています。(しかしそれは、民間宇宙開発産業の将来的な価値である1兆4,000億ドルのほんの一部に過ぎません。)

現在のところ、乗船券は25万ドルですが、ブランソンのヴァージン・ギャラクティックには、来年の民間旅行に既に600人以上が契約しています。この分野では断然トップです。

多くの反対派の人たちは、民間宇宙旅行がほんの限られたエリートのためのもの、ということを嘆いています。そして現時点では、正にその通りです。

しかし、彼らは全体像が見えていません。観光業は、事業モデルの一面でしかないのです。ヴァージン・ギャラクティック、スペースX、ブルー・オリジンなどの増加している宇宙開発企業の本当の狙いは、地点から地点への旅行なのです。

これは、基本的には、地球上のある地点から準軌道の宇宙空間を飛行し別の地点へ飛ぶことです。

これにより、飛行時間を縮めることができます。例えば、ロンドンからシドニーまで、飛行機で20時間以上かかりますが、地点から地点の準軌道飛行により1時間以内にすることが可能になります。

地点から地点の輸送の予測額は、年間およそ200億ドルです。そしてほとんどは、人ではなく貨物の運搬となるでしょう。

少なくとも最初、安全に対しての人々の不安が緩和されるまでは、そうなると考えられます。そして、人々は自分たちの母親や祖母が辛い思いをせずに楽しく旅行ができることを知るのです。

しかし、こういった観光や輸送の数字は、1兆4,000億ドルと見込まれている民間の宇宙開発産業全体のほんの一部でしかありません。

そして同業界は引き続き好調なので、投資家のチャンスは増えています。

7月1日、アストラ・スペース (Nasdaq: ASTR) はNasdaqで上場しました。同社は、ブロードバンドの需要拡大により急成長している小型衛星打ち上げの専門企業です。

近い将来、他の民間宇宙開発業者であるモーメンタス、ロケットラボ、レッドワイヤー、ヴァージン・ギャラクティックの姉妹会社のヴァージン・オービットも上場が予定されていたり、その交渉中です。

私たちは今、投資家や発明家だけでなく、人類全体にとって最も刺激的な時を目の当たりにしています。

現時点では、ヴァージン・ギャラクティックの初飛行の席を買う余裕がないかもしれません。しかし、投資家として世界を変えるであろうトレンドの最前線に立つことはできるのです。

ハイリターンを願って。

マシュー

Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

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