
1990年当時、私は大学を出たばかりで、かなり貧乏でした。
二人のルームメイトとアパートの地下階に住み、月末にはわずかな給料がほぼを底をついいているといった生活だったのです。
そんな中、私は「お金を増やすには株式市場について学ぶべきだ」と感じ始めました。
そこで手当たり次第に本を読み、土曜日の大半をニューヨーク公共図書館で過ごしました。これはインターネットが普及する前の時代です。
こうして蓄えた知識を基に、株式トレードや投資を開始。さらに、オプションの存在を知ったときは、まるで頭を殴られたような衝撃を受けました。
多くの人がそうだったと思いますが、当時の私はオプション取引を「金持ちになるための近道」だと考えていました。
それでも「自分の知識が十分でない」と自覚し、まずは理解が深める努力から始めました。取引を始めたのはその後です。
オプションで初めて学んだ「投機」と「仕組み」
まずはプットやコールを買う「投機」取引を始めました。
プット:株価が下がると利益が出る
コール:株価が上がると利益が出る
これらのオプションを使えば、わずかな資金で一定期間100株をコントロールできます。
例えば、バンク・オブ・アメリカ (NYSE: BAC) の株価が短期的に上がると考えたとします。100株を買うには約5,250ドル必要です。株価が10ポイント上がれば約1,000ドルの利益です。
しかし、3か月後満期のコールオプションを325ドルで買った場合、株価が52.50ドル以下なら無価値ですが、52.50ドル以上なら上昇幅と期間に応じて価値がつきます。
仮に来週、株価が62.50ドルまで上昇すれば、そのコールは約1,100ドルの価値になります。
つまり、325ドルの投資で775ドルの利益=約238%のリターンです。
株式を買っていた場合19%の利益。
コールオプションなら238%の利益。
オプション取引の魅力は一目瞭然です。
しかし学びを進める中で、さらに驚くべき事実に気づきました。
大きな利益を狙うには、オプションを「売る」という方法もあるということです。
オプションを「売る」ことで収入を得るという発想
投機家がプットやコールを買うとき、その裏側には「売る誰か」がいます。
売り手はプレミアムを受け取ります。
大手金融機関はエヌビディア (Nasdaq: NVDA) のコールを買ってホームランを狙うようなリスクはとりませんが、一般投資家に「売る」ことなら喜んでやります。
これを理解するほど、私は「オプションを売って安定収入を得たい」と強く思うようになりました。
投資アドバイザーとして今の私は、時々大きく狙うことはあっても、何よりも 「安定した収入を生むこと」 を優先しています。
この10年で、カバードコールやネイキッドプットなど、さまざまなオプション戦略を使って収入を積み上げてきました。
ここで、代表的な戦略を整理しておきます。
オプション売りの代表例:
- カバードコール(Covered Call)
保有株に対してコールオプションを売り、即座にプレミアムを受け取る戦略。
株価が上がった場合は株を売る義務が発生するが、受け取ったプレミアムと配当が利益になる。 - ネイキッドプット(Naked Put)
株を持たない状態でプットオプションを売る戦略。
株価が行使価格まで下がれば株を買う義務が生じる。
「10%安く買えるなら欲しい」というときに使われ、受け取ったプレミアム分だけ実質的な取得コストが低下する。
もし株価が下がらなくても、売った時点で受け取ったプレミアムはそのまま利益になります。
【まとめ】オプションを理解すれば“収入源”を増やせる
図書館で週末を過ごしていた頃から、私は大きく前進しました。
今では「収入源をプラスする」手段をいくつも持っています。
もし35年前からオプションを売っていたら、あのボロアパートをもっと早く抜け出せていたかもしれません。
オプションは投機だけでなく、「安定収入を生む仕組み」としても活用できます。
配当株投資と組み合わせれば、キャッシュフローをさらに強化する強力なツールになります。
読者の皆さんにも、この知識が長期的な資産形成の助けとなることを願っています。
マーク
P.S.
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