
ポーカーと規律──成功の鍵は「勝たない勝負をしない」こと
私はポーカーが大好きです。まだ未熟ではありますが、自分のミスには気づける程度には上達してきました。
先週末、妻が町を離れていたため、空いた時間の多くをポーカーテーブルで過ごしました。
対面でもオンラインでもプレイし、珍しくすべてのセッションで勝つことができました。
とくに印象深かったのは、「良いカードが来ない状況でも勝てた」ことです。
地元のカードルームでは経験豊富な常連が多く、ライブプレイ中は彼らに囲まれての勝負でした。
ある場面では、隣に座った常連の男性にディーラーが「奥さんはどうしたの?」と親しげに話しかけていました。その様子から、彼が頻繁に通っている常連であることがすぐにわかりました。
そんな彼から、私が午後に引いた唯一の強い手で、大きなポット(賭け金の山)を勝ち取ったのです。彼は私の手の強さを読み違えたのでしょう。
もっとも、その1時間後には立場が逆転し、彼は失った金額を取り戻しました。それでも私は、元手を超える額でその日を終えることができました。
ポーカーと投資に共通する「リスク管理のルール」
なぜ私が勝てたのか?
それは、投資を行うときと同じ「リスク管理」の原則に従ってプレイしたからです。
私は非常に規律正しいプレイヤーです。「勝てる可能性が高い」と判断したときには大胆に勝負しますが、そうでないときは手を出しません。悪いカードではプレイせず、良いカードが来ない限り、何度でもフォールド(降りる)します。チャンスがなければ、ブラフ(はったり)すら仕掛けません。
この姿勢は、投資やトレーディングにも共通しています。私は「トレーリングストップ」(利益や損失をコントロールする仕組み)を使って、小さな損失が大きな損失に膨らまないようにしています。これにより、せっかく得た利益が帳消しになることも防げます。
投資やポーカーにおけるリスク管理の具体策
以下は、私が実践しているリスク管理のルールです:
- ポジティブな見込みがない限り、勝負しない
確率の低い勝負には参加せず、淡々とフォールドします。 - 事前に損失許容額を決めておく
車を出る前に「最大でいくらまでリスクを取るか」を決めておき、現金もそれ以上は持ち込みません。
現場で感情に流されないための手法であり、これは投資におけるトレーリングストップの考え方と同じです。
利益を守りつつ、損失を自動的に限定できます。 - 感情を排除するための事前準備
投資もポーカーも「判断力」が勝敗を分けます。
だからこそ、冷静な状態で戦略を立てておくことが重要です。
週末、私の隣に座っていた男性はすべてのチップを失った後、1インチ(約2.5cm)ほどの札束を取り出し、さらに100ドル分のチップを買い足していました。それを何度も繰り返していた彼は、きっと大きな損失とともにその場を去ることになったでしょう。
【まとめ】ポジションサイズと損切りルールが資産を守る鍵
ポーカーはまた、「ポジションサイズ」(投資額の大きさ)の重要性も教えてくれます。
たとえば、私たちオックスフォードクラブでは、1つの銘柄にポートフォリオの4%以上を投じないことを推奨しています。仮にその銘柄が25%下落したとしても、ポートフォリオ全体では1%の損失で済み、すぐに回復できるからです。ちなみに、その25%の下落が損切りの基準ラインです。
ポーカーの世界でも、才能のあるプレイヤーが資金管理を誤って破産する話は後を絶ちません。リスクを過大に取り、大金を賭けてしまった結果、運が悪いときに全てを失うのです。
人生を通じて一生懸命働いて得た資金を、たった1つの投資で全てを失いたくはありません。
おそらく、あなたも同じだと思います。
お金を稼ぐことも、失うことも、強い感情が絡む体験です。だからこそリスクを取る前に、「損切りライン」と「投資額(ポジションサイズ)」を明確に決めておくべきなのです。
それだけで、結果は劇的に改善されますし、もしうまくいかなかったとしても、精神的にも金銭的にもダメージを最小限に抑えることができます。
P.S.
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