
歩き始めた関税政策
私たちは普段、歩くことをあまり意識せず、当たり前のようにしています。
例えば、車を降りてお店まで歩いたり、ソファから立ち上がって冷蔵庫に向かったりすることは、特に考えなくても自然とできるでしょう。
ところが、赤ちゃんが歩き始める時は異なります。その過程は努力を要し、なかなかうまくいかないものです。
トランプ政権の関税政策(外国からの商品に税金をかけること)も、歩き始めた赤ちゃんに例えることができるでしょう。
ゴールに向かう途中に、バランスを崩したり、うまく進めなかったりするからです。
株価の急落や金利が急上昇が起こると、トランプ大統領が方針を変えたと報じられました。
JPモルガンのトップが「貿易戦争は不景気を招く」と言ったのをきっかけに、トランプ大統領は「中国以外の国への関税を90日間止める」と発表。(ただし、一律10%の関税はそのままです)
また、中国製の電子機器には関税をかけないと発言したかと思えば、数日後には「やはり関税をかける。ただし、麻薬関連商品と同水準の20%程度にする」と訂正。
まるで、自分がどこに行きたいのか分からない赤ちゃんのような対応ですよね。
このようにニュースがコロコロ変わると、市場は大きく揺れて不安定になります。
混乱の中で投資するのは難しいものですが、実は「安定して利益を狙える方法」もあります。
そんなある方法について今日はご紹介したいと思います。
「オプションの売り」
「オプション取引」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
▼主に4つあるオプションの中で、今日ご紹介する2つがこちら
- 「コールの売り」(カバード・コール)
- 「プットの売り」(ネイキッド・プット)
「コールの売り」(カバード・コール)とは?
株を持ちながら、あらかじめ「この値段なら売ってもいい」という約束(=コールオプション)を他人に売る方法です。
例を挙げましょう。
- モンデリーズという会社の株を1株67.50ドルで100株買う。
- 「株価が70ドルになったら売ってもいいよ」という約束を3.50ドルで売る。
この「約束の代金」として、あなたは350ドル(3.50ドル×100株分)をもらうことができます。
これは「プレミアム」と呼ばれるもので、「オプションを売る」ことにより、あなたが得られるメリットです。
では、もし株価が70ドルを超えたらどうなるのでしょうか?
あなたはこの株を70ドルで売ることになります。
そして、どれだけ株価上がってもあなたは70ドルで売らなければいけません。
そこが「コール売り」(カバード・コール)のリスクです。
また、株価が大きく下がったときは損をしますが、あらかじめもらった350ドルがその損を少しカバーしてくれます。
さらに、株を持っている間は配当金ももらえることがあります。
「プットの売り」(ネイキッド・プット)とは?
「株を持っていないけど、ある値段なら買ってもいい」と考えているときに使える方法です。
例えばあなたが、
- シティグループの株が今64ドルだけど、55ドルなら買ってもいいと思っているとします。
- 「55ドルで買ってもいいよ」という約束(プット)を売ると、3ドルの代金がもらえます。
ここで、実際に株価が55ドルまで下がったら、あなたは55ドルでその株を買うことになります。
ただ、そのときにはすでに3ドルもらっているので、実質は52ドルで買ったのと同じです。
株価が55ドルより下がらなければ、株を買わなくても3ドルがそのまま利益になります。
つまり、株価を買わずに利益が得られるということです。
【まとめ】オプション取引を上手に活かす
現在のように市場のボラティリティが高い時期は、オプションの価格も高くなっています。
オプションを売る人にとっては「高く売れるチャンス」だからです。
いずれ市場が落ち着けば、オプション価格も下がるので、安く買い戻したり、そのまま放っておいてプレミアム(代金)をまるまる得ることもできるでしょう。
P.S.
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